前回は、アメリカの１０本の角に関して書いたので、
今回は７つの頭のことを見ていきたい、と思います。
黙示録はこの獣の国の７つの頭に関してこう語ります。
”黙示録 17:9 ここに知恵の心があります。七つの頭とは、この女がすわっている七つの山で、七人の王たちのことです。
17:10 五人はすでに倒れたが、ひとりは今おり、ほかのひとりは、まだ来ていません。しかし彼が来れば、しばらくの間とどまるはずです。”
この７つの頭、すなわち、７人の王とは何をさすのでしょう？黙示録は、
ローマ帝国の時代に住むヨハネに対して、「五人はすでに倒れたが、ひとりは今おり」と語ります。
ですので、ヨハネの時代は７人の王のうち、６番目の王の時代、ローマの時代だということです。
５人はすでに倒れた、と書いてあるので、過去の５人とはローマ以前に滅んだ５つの世界帝国と
理解できます。何をさすのでしょうか？バビロン、メデイアペルシャ、ギリシャなど計５つの世界帝国をさすのでしょう。６番目のローマ以来、全世界を支配する帝国は出てこないので、７番目の王、国とは、
最後の世界帝国となるアメリカをさすと理解できます。
この終末の獣の国が７つの頭を持つ、と表現することにより、聖書が語りたいことは何なのでしょうか？
私の理解では、７つの頭は縦の軸、時間軸に沿ったそれぞれの時代に全世界を支配した世界帝国です。
そして、終末に起きる獣の国にはこれらの全ての過去の帝国の、影響やら、支配やらがある、と
語っていると理解できます。７つの頭と表現されていますが、頭は支配や、方向をあらわすものだからです。
たとえば、キリストは教会の頭です。そして、かしらであるキリストが教会の歩むべき道、方向を示すのです。
ですので、終末の獣の国には頭である過去の７つの世界帝国の全ての影響やら、支配があると理解できます。普通、一つのからだに頭は一つなのですが、終末の獣の国アメリカだけは、
例外的に７つの頭を持ち、この国には過去の７つの世界帝国の影響があるのです。
その獣の国アメリカは過去の帝国バビロンのように、居丈高であり、メデイアペルシャのように獰猛、またギリシャの、
知性主義、理性主義をかねそろえ、またローマの整然たる軍隊を持つ国である、それらの全ての
影響やら、支配を持つ国、それがアメリカであると理解できます。
そのような視点で見ると確かにアメリカには過去の７つの帝国の全ての影響やら特色が
現れているように見えます。
そしてもう一つのことが言えるでしょうか。７は、縦の区分、時間軸に沿って、全人類の歴史に起きた全ての世界帝国の数でもあります。ということは、この獣の国、世の終わりに起きる、獣の国は、今までの全人類の全ての過去の歴史の総決算、過去の神への反逆や反抗の結集のような国、といえるでしょうか。時間軸や歴史に沿ってそういえそうです。７つの頭は過去の歴史と関連があり、全人類の過去の神への反逆と関係があるのです。アメリカ、７つの頭を持つ帝国は過去の人類の神への反逆の総決算、総結論、そのような意味合いがあると理解できるのです。
対して１０本の角は横の線、地理的な面を表すのでしょうか。
全世界を網羅する神への反抗、それが１０本の角の意味あいと理解できます。
１０本の角に関してもいえば、前書いたように、獣の国アメリカの１０本の角、１０の区分は今ローマクラブや、国連が進めている世界地域の１０の区分に対応しています。ですので、これは、
横の区分というか、地域的な区分と対応しているのです。簡単に言えば、全世界の地域と１０本の角は関係しています。すなわち、１０本の角とは地域的に全世界がくまなく、神に反抗する、その象徴ともいえるのです。
それから、アメリカ、獣の国の特徴もついでに書きます。アメリカは人種のるつぼ、メルテイングポットと
よくいわれるように、全世界のあらゆる人種、国の人々からの移民で成り立っている国です。
日本のように１つの人種でできている国とは対照的です。アメリカは人種的にいっても世界全人類の代表のような国なのです。
その国が獣の国となる、ということは、象徴的であり、いわば、アメリカをとおして全人類、全民族が神に反抗するともいえます。
ですので、結論として、アメリカとは人類の全歴史、さらに今の全世界の神への反抗、全人種の神への反逆の象徴のような国といえます。
さらにさらにもう一つのことをいいます。アメリカはさらに全世界で一番のキリスト教大国であることにも
注目できます。アメリカ、そして黙示録のバビロンで描かれるアメリカキリスト教会は、
教会の背教、反逆の象徴ともいえるのです。
ですので、アメリカは奇しくも、あらゆる人類の罪のみならず、クリスチャンの罪、背教の象徴、集大成のような
国となっているのです。この理解がなければ、黙示録を理解すること、またこれからの時代を悟ることはできないでしょう。