通算No.161 再建への反対

テキスト:”エズラ4:1 ユダとベニヤミンの敵たちは、捕囚から帰って来た人々が、イスラエルの神、主のために神殿を建てていると聞いて、
2 ゼルバベルと一族のかしらたちのところに近づいて来て、言った。「私たちも、あなたがたといっしょに建てたい。私たちは、あなたがたと同様、あなたがたの神を求めているのです。アッシリヤの王エサル・ハドンが、私たちをここに連れて来た時以来、私たちは、あなたがたの神に、いけにえをささげてきました。」
3 しかし、ゼルバベルとヨシュアとその他のイスラエルの一族のかしらたちは、彼らに言った。「私たちの神のために宮を建てることについて、あなたがたと私たちとは何の関係もない。ペルシヤの王、クロス王が私たちに命じたとおり、私たちだけで、イスラエルの神、主のために宮を建てるつもりだ。」
4 すると、その地の民は、建てさせまいとして、ユダの民の気力を失わせ、彼らをおどした。
5 さらに、議官を買収して彼らに反対させ、この計画を打ちこわそうとした。このことはペルシヤの王クロスの時代からペルシヤの王ダリヨスの治世の時まで続いた。
6 アハシュエロスの治世、すなわちその治世の初めに、彼らはユダとエルサレムの住民を非難する一通の告訴状を書いた。
7 また、アルタシャスタの時代に、ビシュラム、ミテレダテ、タベエルとその他の同僚は、ペルシヤの王アルタシャスタに書き送った。その手紙はアラム語の文字で書かれ、アラム語で述べられていた。
8 参事官レフム、書記官シムシャイはエルサレムを非難して、次のような手紙をアルタシャスタ王に書き送った。
9 すなわち、参事官レフム、書記官シムシャイ、その他の同僚、裁判官、使節、役人、官吏、エレク人、バビロン人、シュシャンの人々、すなわち、エラム人、
10 その他、名声高い大王オスナパルがサマリヤの町と川向こうのその他の地に引いて行って住まわせた民たちが、書き送った。さて、
11 彼らが送ったその手紙の写しは次のとおりである。「川向こうの者、あなたのしもべたちから、アルタシャスタ王へ。さて、
12 王にお知らせいたします。あなたのところから、こちらに来たユダヤ人たちはエルサレムに行き、あの反抗的で危険な町を再建しています。その城壁を修復し、その礎もすでに据えられています。
13 今、王にお知らせいたします。もしこの町が再建され、城壁が修復されたら、彼らはみつぎ、関税、税金を納めなくなるでしょう。そうすれば、王の収入に損害を与えることになりましょう。
14 さて、私たちは王宮の恩恵を受けておりますから、王のはずかしめを見るのに耐えられません。それゆえ、私たちは人を遣わして、王にお知らせするのです。
15 あなたの先祖の記録文書をお調べになれば、この町が反抗的な町で、王たちと諸州に損害を与え、また昔からこの町で反逆が行なわれたことを、その記録文書の中に見て、おわかりになるでしょう。この町が滅ぼされたのも、そのためです。
16 私たちは王にお知らせします。もしこの町が再建され、城壁が修復されたら、あなたはこのために川向こうの領土を失ってしまわれるでしょう。」
17 王は参事官レフム、書記官シムシャイ、およびサマリヤと川向こうのその他の地に住んでいる彼らの同僚に返事を送った。「平安があるように。さて、
18 あなたがたが、私たちに送ったあの書状は、私の前で説明して読まれた。
19 私は命令を下し、調べさせたところ、その町は昔から王たちに対して謀反を企て、その町で暴動と反逆が行なわれたことがわかった。
20 またエルサレムにはかつて勢力のある王たちがいて、川向こうの地を全部支配し、みつぎ、関税、税金が彼らに納められていたこともわかった。
21 今、あなたがたは命令を下して、その者たちの働くのをやめさせ、私が再び命令を下すまで、この町が再建されないようにせよ。
22 あなたがたは、よく注意してこのことを怠ってはならない。損害を増して王を傷つけるといけないから。」
23 アルタシャスタ王の書状の写しがレフムと、書記官シムシャイと、その同僚の前で読まれると、彼らは急いでエルサレムのユダヤ人のところに行って、武力をもって彼らの働きをやめさせた。
24 こうして、エルサレムにある神の宮の工事は中止され、ペルシヤの王ダリヨスの治世の第二年まで中止された。”

本日は再建への反対として、メッセージしたいと思います。エズラ、ネヘミヤ記にはエルサレムの宮、及び都の再建が記されています。その記事の中に、宮及び都の再建に反対した人々について書かれています。これ らの記事は何を意味するのかを見ていきたいと思います。

さて、これらの書の背景を見てみます。エズラ、ネヘミヤ両書はバビロンの捕囚から戻って来た人々が宮及び都を再建する話です。バビロン捕囚とは、神に愛される民であったユダの人々がその不信のきわみとして、自分たちの約束の地から異邦の地へと捕え移されることです。彼等は終末の日に不信のゆえに、神の約束の地、救いから捕え移されてしまう神の民の予表です。

しかし、エズラ、ネヘミヤ達はそのバビロンから出てきた者たちであり、宮や都を再建します。これは終末の日に教会回復のわざをなす人々の型です。

しかし、彼等の働きはスムースに進行したわけではなく、これらの働きに反対、妨害した人々がいたことが記されています。彼等は終末の日に教会の回復のわざをとどめる人々の予表です。

順に見ていきましょう。

”1 ユダとベニヤミンの敵たちは、捕囚から帰って来た人々が、イスラエルの神、主のために神殿を建てていると聞いて、
2 ゼルバベルと一族のかしらたちのところに近づいて来て、言った。「私たちも、あなたがたといっしょに建てたい。私たちは、あなたがたと同様、あなたがたの神を求めているのです。アッシリヤの王エサル・ハドンが、私たちをここに連れて来た時以来、私たちは、あなたがたの神に、いけにえをささげてきました。」
3 しかし、ゼルバベルとヨシュアとその他のイスラエルの一族のかしらたちは、彼らに言った。「私たちの神のために宮を建てることについて、あなたがたと私たちとは何の関係もない。ペルシヤの王、クロス王が私たちに命じたとおり、私たちだけで、イスラエルの神、主のために宮を建てるつもりだ。」”

ここでユダとベニヤミンの敵と呼ばれる人々がいます。彼等は宮の建設に反対します。しかしここに興味深いことが書かれています。これらの「敵」は当初、神殿建設の援助、助けを申し出ているのです。そして、それを断わられたために反対に回ったという感じなのです。一体、彼等はどのような種類の人々を予表しているのでしょう。

彼等に関しては列王記には以下のように書かれています。

”列王記第二 17:33 彼らは主を礼拝しながら、同時に、自分たちがそこから移された諸国の民のならわしに従って、自分たちの神々にも仕えていた。
34 彼らは今日まで、最初のならわしのとおりに行なっている。彼らは主を恐れているのでもなく、主が、その名をイスラエルと名づけたヤコブの子らに命じたおきてや、定めや、律法や、命令のとおりに行なっているのでもない。”

彼等は自分では主なる神に仕えているつもりでも実際は他の神に仕えているのです。そして、そのような人々が終末にも現われてきます。神に仕え、かつこの世の神に仕えているのです。しかし、このような人々は、”神のために宮を建てることについて、あなたがたと私たちとは何の関係もない。”のです。

ユダの民達は、「ペルシヤの王、クロス王が私たちに命じたとおり、私たちだけで、イスラエルの神、主のために宮を建てるつもりだ。」と言っています。クロス王は宮の回復のために特別な働きをします。彼は他の箇所では”油塗られた者”と呼ばれています。すなわち終末の日に教会を回復する油注がれた者達の型なのです。

ですから、これらの箇所が語っていることはこういうことです。終末の日の教会の回復のわざはこの世についた者達を排除し、そして油注がれた者達を通して行われる、そのことを語っているのです。

”4 すると、その地の民は、建てさせまいとして、ユダの民の気力を失わせ、彼らをおどした。
5 さらに、議官を買収して彼らに反対させ、この計画を打ちこわそうとした。このことはペルシヤの王クロスの時代からペルシヤの王ダリヨスの治世の時まで続いた。”

終末の日にもこの回復のわざは「神の民」により、反対、脅されることでしょう。またうちこわそうという動きが始まるでしょう。

”6 アハシュエロスの治世、すなわちその治世の初めに、彼らはユダとエルサレムの住民を非難する一通の告訴状を書いた。”

彼等は単に自分達だけで、反対するのに留まらず、告訴状を書きました。このことは終末の日に預言されている「議会に引き渡される」日の予表です。彼等はサマリヤーイスラエルに住む者であり、自分の兄弟であるユダの人々を訴えているのです。このことはまた、主イエスが自分の同胞であるユダヤ人によりビラトの法廷で訴えられたこと、また、パウロが自分の同胞によりフエストの法廷で訴えられたことに通じます。
終末の日の一つの特徴は神に真につく人々が自分の同胞により訴えられる日なのです。

”11 彼らが送ったその手紙の写しは次のとおりである。「川向こうの者、あなたのしもべたちから、アルタシャスタ王へ。さて、”

彼等を表現する時、「川向こうの者」という言い方が度々用いられています。このことばに何か意味があるのでしょうか。私はこう思います。これは油注がれていない者、聖霊のバプテスマを受けていない人々を区分することばかもしれません。バプテスマのヨハネはヨルダン川でバプテスマを授けていました。その時、この川はいわば、バプテスマを受けた者、受けない者を区分していました。同じように、終末の日に聖霊のバプテスマを受けていない人々を川向こうの者という表現で語っているのかもしれません。

”12 王にお知らせいたします。あなたのところから、こちらに来たユダヤ人たちはエルサレムに行き、あの反抗的で危険な町を再建しています。その城壁を修復し、その礎もすでに据えられています。”

彼等はこの町の再建は危険であると判断し、反対します。同じように終末の日の教会回復の働きも危険な考え、教えであるということで反対されるでしょう。また彼等はキリスト教会の伝統に従わない、反抗的だということで非難されるでしょう。

”13 今、王にお知らせいたします。もしこの町が再建され、城壁が修復されたら、彼らはみつぎ、関税、税金を納めなくなるでしょう。そうすれば、王の収入に損害を与えることになりましょう。
14 さて、私たちは王宮の恩恵を受けておりますから、王のはずかしめを見るのに耐えられません。それゆえ、私たちは人を遣わして、王にお知らせするのです。”

「もしこの町が再建され、城壁が修復されたら、彼らはみつぎ、関税、税金を納めなくなるでしょう。」と書かれています。すなわち、もしこのような教会回復のわざが進み、異言、預言、いやしなどを強調されてきたなら、既存の教会、伝統的な教会から人が去り、結果として、それらの人々からの収入ー「みつぎ、関税、税金を納めなくなる」ということをいっているのでしょう。

15 あなたの先祖の記録文書をお調べになれば、この町が反抗的な町で、王たちと諸州に損害を与え、また昔からこの町で反逆が行なわれたことを、その記録文書の中に見て、おわかりになるでしょう。この町が滅ぼされたのも、そのためです。”

この働き、油注がれた者たちの働きは教会歴史の中では、反抗的な働き、伝統を破壊する働きとして記録されています。

”16 私たちは王にお知らせします。もしこの町が再建され、城壁が修復されたら、あなたはこのために川向こうの領土を失ってしまわれるでしょう。」”

この教会回復のわざが順調に進むなら、川向こうの人々も聖霊のバプテスマを受けるようになり、その結果、敵の川向こうの領土は失われるのです。

17 王は参事官レフム、書記官シムシャイ、およびサマリヤと川向こうのその他の地に住んでいる彼らの同僚に返事を送った。「平安があるように。さて、
18 あなたがたが、私たちに送ったあの書状は、私の前で説明して読まれた。
19 私は命令を下し、調べさせたところ、その町は昔から王たちに対して謀反を企て、その町で暴動と反逆が行なわれたことがわかった。

この時、このことがらは訴えられ、そして詳しく調べられ、この町が王に謀反を企てた町だということが判明しました。終末の日にもこの働きが公に訴えられ、裁判さたになり、いろいろと過去の歴史が調べられるようになるでしょう。そして、この働きが「反抗的な教え」である、すなわち油注がれた者達の働きはあちこちで問題を起こしていたことが判明するのでしょう。

”20 またエルサレムにはかつて勢力のある王たちがいて、川向こうの地を全部支配し、みつぎ、関税、税金が彼らに納められていたこともわかった。”

しかし、この働きがかつては全キリスト教会をカバーしていたことも判明します。すなわち、もともと、教会、クリスチャンはみな聖霊の油注がれたものであったのです。

”21 今、あなたがたは命令を下して、その者たちの働くのをやめさせ、私が再び命令を下すまで、この町が再建されないようにせよ。
22 あなたがたは、よく注意してこのことを怠ってはならない。損害を増して王を傷つけるといけないから。」
23 アルタシャスタ王の書状の写しがレフムと、書記官シムシャイと、その同僚の前で読まれると、彼らは急いでエルサレムのユダヤ人のところに行って、武力をもって彼らの働きをやめさせた。
24 こうして、エルサレムにある神の宮の工事は中止され、ペルシヤの王ダリヨスの治世の第二年まで中止された。

今、公にこの働きが中止されました。終末の時代にも同じように政府がこの働きを公に中止する日がきます。この働きは非合法になるのです。

終末における主のみこころを行っていきましょう。

ー以上ー

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