No.152 ノアの日


テキスト:マタイ24:37 人の子が来るのは、ちょうど、ノアの日のようだからです。
38 洪水前の日々は、ノアが箱舟にはいるその日まで、人々は、飲んだり、食べたり、めとったり、とついだりしていました。
39 そして、洪水が来てすべての物をさらってしまうまで、彼らはわからなかったのです。人の子が来るのも、そのとおりです

本日は「ノアの日」という題でメッセージします。終末の日は「ノアの日」のようであると主はいわれました。ですから、ノアに関する記述の中に終末の日に関する教え、謎が隠されていることがわかります。それを見ていきたいと思うのです。
 

ノアの記述は創世記の中にあります。

創世記6:1 さて、人が地上にふえ始め、彼らに娘たちが生まれたとき、
2 神の子らは、人の娘たちが、いかにも美しいのを見て、その中から好きな者を選んで、自分たちの妻とした。
3 そこで、主は、「わたしの霊は、永久には人のうちにとどまらないであろう。それは人が肉にすぎないからだ。それで人の齢は、百二十年にしよう。」と仰せられた。
4 神の子らが、人の娘たちのところにはいり、彼らに子どもができたころ、またその後にも、ネフィリムが地上にいた。これらは、昔の勇士であり、名のある者たちであった。
5 主は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった。
6 それで主は、地上に人を造ったことを悔やみ、心を痛められた。
7 そして主は仰せられた。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。人をはじめ、家畜やはうもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを残念に思うからだ。」
8 しかし、ノアは、主の心にかなっていた。
9 これはノアの歴史である。ノアは、正しい人であって、その時代にあっても、全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。
10 ノアは三人の息子、セム、ハム、ヤペテを生んだ。
11 地は、神の前に堕落し、地は、暴虐で満ちていた。
12 神が地をご覧になると、実に、それは、堕落していた。すべての肉なるものが、地上でその道を乱していたからである。
13 そこで、神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている。
14 あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい。
15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。その幅は五十キュビト。その高さは三十キュビト。
16 箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内にそれを仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。
17 わたしは今、いのちの息あるすべての肉なるものを、天の下から滅ぼすために、地上の大水、大洪水を起こそうとしている。地上のすべてのものは死に絶えなければならない。
18 しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟にはいりなさい。
19 またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れてはいり、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。
20 また、各種類の鳥、各種類の動物、各種類の地をはうものすべてのうち、それぞれ二匹ずつが、生き残るために、あなたのところに来なければならない。
21 あなたは、食べられるあらゆる食糧を取って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物の食物としなさい。」
22 ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行なった。
7:1 主はノアに仰せられた。「あなたとあなたの全家族とは、箱舟にはいりなさい。あなたがこの時代にあって、わたしの前に正しいのを、わたしが見たからである。
2 あなたは、すべてのきよい動物の中から雄と雌、七つがいずつ、きよくない動物の中から雄と雌、一つがいずつ、
3 また空の鳥の中からも雄と雌、七つがいずつを取りなさい。それはその種類が全地の面で生き残るためである。
4 それは、あと七日たつと、わたしは、地の上に四十日四十夜、雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面から消し去るからである。」
5 ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。
6 大洪水が起こり、大水が地の上にあったとき、ノアは六百歳であった。
7 ノアは、自分の息子たちや自分の妻、それに息子たちの妻といっしょに、大洪水の大水を避けるために箱舟にはいった。
8 きよい動物、きよくない動物、鳥、地をはうすべてのものの中から、
9 神がノアに命じられたとおり、雄と雌二匹ずつが箱舟の中のノアのところにはいって来た。
10 それから七日たって大洪水の大水が地の上に起こった。
11 ノアの生涯の六百年目の第二の月の十七日、その日に、巨大な大いなる水の源が、ことごとく張り裂け、天の水門が開かれた。
12 そして、大雨は、四十日四十夜、地の上に降った。
13 ちょうどその同じ日に、ノアは、ノアの息子たちセム、ハム、ヤペテ、またノアの妻と息子たちの三人の妻といっしょに箱舟にはいった。
14 彼らといっしょにあらゆる種類の獣、あらゆる種類の家畜、あらゆる種類の地をはうもの、あらゆる種類の鳥、翼のあるすべてのものがみな、はいった。
15 こうして、いのちの息のあるすべての肉なるものが、二匹ずつ箱舟の中のノアのところにはいった。
16 はいったものは、すべての肉なるものの雄と雌であって、神がノアに命じられたとおりであった。それから、主は、彼のうしろの戸を閉ざされた。
17 それから、大洪水が、四十日間、地の上にあった。水かさが増していき、箱舟を押し上げたので、それは、地から浮かび上がった。
18 水はみなぎり、地の上に大いに増し、箱舟は水面を漂った。
19 水は、いよいよ地の上に増し加わり、天の下にあるどの高い山々も、すべておおわれた。
20 水は、その上さらに十五キュビト増し加わったので、山々はおおわれてしまった。
21 こうして地の上を動いていたすべての肉なるものは、鳥も家畜も獣も地に群生するすべてのものも、またすべての人も死に絶えた。
22 いのちの息を吹き込まれたもので、かわいた地の上にいたものはみな死んだ。
23 こうして、主は地上のすべての生き物を、人をはじめ、動物、はうもの、空の鳥に至るまで消し去った。それらは、地から消し去られた。ただノアと、彼といっしょに箱舟にいたものたちだけが残った。
24 水は、百五十日間、地の上にふえ続けた。
8:1 神は、ノアと、箱舟の中に彼といっしょにいたすべての獣や、すべての家畜とを心に留めておられた。それで、神が地の上に風を吹き過ぎさせると、水は引き始めた。
2 また、大いなる水の源と天の水門が閉ざされ、天からの大雨が、とどめられた。
3 そして、水は、しだいに地から引いていった。水は百五十日の終わりに減り始め、
4 箱舟は、第七の月の十七日に、アララテの山の上にとどまった。
5 水は第十の月まで、ますます減り続け、第十の月の一日に、山々の頂が現われた。
6 四十日の終わりになって、ノアは、自分の造った箱舟の窓を開き、
7 烏を放った。するとそれは、水が地からかわききるまで、出たり、戻ったりしていた。
8 また、彼は水が地の面から引いたかどうかを見るために、鳩を彼のもとから放った。
9 鳩は、その足を休める場所が見あたらなかったので、箱舟の彼のもとに帰って来た。水が全地の面にあったからである。彼は手を差し伸べて鳩を捕え、箱舟の自分のところに入れた。
10 それからなお七日待って、再び鳩を箱舟から放った。
11 鳩は夕方になって、彼のもとに帰って来た。すると見よ。むしり取ったばかりのオリーブの若葉がそのくちばしにあるではないか。それで、ノアは水が地から引いたのを知った。
12 それからなお、七日待って、彼は鳩を放った。鳩はもう彼のところに戻って来なかった。
13 ノアの生涯の第六百一年の第一の月の一日になって、水は地上からかわき始めた。ノアが、箱舟のおおいを取り去って、ながめると、見よ、地の面は、かわいていた。
14 第二の月の二十七日、地はかわききった。
15 そこで、神はノアに告げて仰せられた。
16 「あなたは、あなたの妻と、あなたの息子たちと、息子たちの妻といっしょに箱舟から出なさい。
17 あなたといっしょにいるすべての肉なるものの生き物、すなわち鳥や家畜や地をはうすべてのものを、あなたといっしょに連れ出しなさい。それらが地に群がり、地の上で生み、そしてふえるようにしなさい。」
18 そこで、ノアは、息子たちや彼の妻や、息子たちの妻といっしょに外に出た。
19 すべての獣、すべてのはうもの、すべての鳥、すべて地の上を動くものは、おのおのその種類にしたがって、箱舟から出て来た。
20 ノアは、主のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜と、すべてのきよい鳥のうちから幾つかを選び取って、祭壇の上で全焼のいけにえをささげた。
21 主は、そのなだめのかおりをかがれ、主は心の中でこう仰せられた。「わたしは、決して再び人のゆえに、この地をのろうことはすまい。人の心の思い計ることは、初めから悪であるからだ。わたしは、決して再び、わたしがしたように、すべての生き物を打ち滅ぼすことはすまい。
22 地の続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜とは、やむことはない。」”

上記個所を順に見ていきます。

”1 さて、人が地上にふえ始め、彼らに娘たちが生まれたとき、
2 神の子らは、人の娘たちが、いかにも美しいのを見て、その中から好きな者を選んで、自分たちの妻とした。”

ノアの洪水の話の始めにいきなり結婚問題が出てきたことは象徴的です。
あたかも、このことが洪水を引き起こす伏線であるかのような書きかたです。
確かにこの結婚問題は終末の日の”洪水”の伏線となると思われます。
 

神の子(クリスチャン)と人の子(この世の人)との混合は裁きをもたらすのです。

次を見ます。

”3 そこで、主は、「わたしの霊は、永久には人のうちにとどまらないであろう。それは人が肉にすぎないからだ。それで人の齢は、百二十年にしよう。」と仰せられた。”

ここでも、洪水の伏線として2つのことが書かれています。

1) 神の霊が人々の内に永くとどまらないこと。
2) 人が肉にすぎないこと

同じように終末の日に洪水が神の民の上に起こる2つの理由があります。

1) 聖霊が彼らを離れてしまうこと。1テサロニケの手紙にあるように、「引き留める者が取り去られる」のです。
2) 彼らが霊にあるクリスチャンでなく、肉にある、聖霊に逆らうクリスチャンであること。

その結果、洪水、悪霊のリバイバルに飲み尽くされてしまうのです。

”7 そして主は仰せられた。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。人をはじめ、家畜やはうもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを残念に思うからだ。」”

神は「地の面から消し去ろう」と述べています。「天から消し去ろう」とはいっていません。
ですから、黙示録でいう「地に住む者達」、この世につく人びとの上に災いが来ることがわかるのです。

”8 しかし、ノアは、主の心にかなっていた。”

主のこころにかなう人は洪水を逃がれます。

”12 神が地をご覧になると、実に、それは、堕落していた。すべての肉なるものが、地上でその道を乱していたからである。”

ここでは肉なる者、すなわち聖霊にはないクリスチャンについて述べています。彼らは”道を乱す”、
すなわち、主の道を乱します。「私はキリストの復活を信じない」等と、信仰の道を曲げることを公言するのです。

”13 そこで、神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている。”

「すべての肉なるものの終わり」と書かれています。終末の裁きは肉なる者、すなわち、聖霊に聞き従わない者達に下されることがわかります。

”17 わたしは今、いのちの息あるすべての肉なるものを、天の下から滅ぼすために、地上の大水、大洪水を起こそうとしている。地上のすべてのものは死に絶えなければならない。”

「いのちの息あるすべての肉なるもの」と書いてあります。今の時代でも、聖霊の息を受けながら、
しかし、肉の歩みをするクリスチャン達がいます。これらの人々は終末の洪水の中で滅びます。

”7:2 あなたは、すべてのきよい動物の中から雄と雌、七つがいずつ、きよくない動物の中から雄と雌、一つがいずつ、”

ノアの記述の一つの特徴は7という数がよく用いられていることです。上記以外にも、以下のように書かれています。

”3 また空の鳥の中からも雄と雌、七つがいずつを取りなさい。それはその種類が全地の面で生き残るためである。”
”4 それは、あと七日たつと、わたしは、地の上に四十日四十夜、雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面から消し去るからである。」”

”10 それから七日たって大洪水の大水が地の上に起こった。”

”4 箱舟は、第七の月の十七日に、アララテの山の上にとどまった。”

”10 それからなお七日待って、再び鳩を箱舟から放った。”

”12 それからなお、七日待って、彼は鳩を放った。鳩はもう彼のところに戻って来なかった”

7は黙示録では教会と関係ある数であり、また7年のききん(患難時代)と関係ある数です。
ですから、患難時代とは、悪霊のリバイバルが続く時代ともいえるのです。これは、しるしや不思議を伴う大きなものとなるでしょう。しかし、決してだまされてはいけません。以下のことばの通りです。

”マタイの福音書 24:24 にせキリスト、にせ預言者たちが現われて、できれば選民(選ばれた者:選民は恣意的な訳)をも惑わそうとして、大きなしるしや不思議なことをして見せます。”

次を見ます。

”6 大洪水が起こり、大水が地の上にあったとき、ノアは六百歳であった。”

大洪水の時、ノアは600才でした。大洪水が起きたのが、6と関連ある年だったのです。そして、終末の時、人々に刻印を受けさせる獣の数も666と6に関連しています。この両者は関係があるかのように思えます。終末の悪霊のリバイバルの洪水の中で、人々は獣の霊を受けるのです。

”7 ノアは、自分の息子たちや自分の妻、それに息子たちの妻といっしょに、大洪水の大水を避けるために箱舟にはいった。”

ノアの時、大洪水を避けるための箱船が用意されました。終末にも、主に聞き従う者のために、避ける場所が用意されます。

”17 それから、大洪水が、四十日間、地の上にあった。水かさが増していき、箱舟を押し上げたので、それは、地から浮かび上がった。”

箱船は地から浮かび上がりました。この船にいる者は地上につかない、黙示録でいう「天に住む者」の型です。

”19 水は、いよいよ地の上に増し加わり、天の下にあるどの高い山々も、すべておおわれた。
20 水は、その上さらに十五キュビト増し加わったので、山々はおおわれてしまった。”

山は教会のたとえです。すべての地につく、この世につく教会がこの水(霊)におおわれていってしまうでしょう。

”22 いのちの息を吹き込まれたもので、かわいた地の上にいたものはみな死んだ。
23 こうして、主は地上のすべての生き物を、人をはじめ、動物、はうもの、空の鳥に至るまで消し去った。それらは、地から消し去られた。ただノアと、彼といっしょに箱舟にいたものたちだけが残った。”

繰り返しますが、いのちの息、聖霊を受けている者でも、地の上、この世につく者は「みな死」ぬのです。

”8:6 四十日の終わりになって、ノアは、自分の造った箱舟の窓を開き、
7 烏を放った。するとそれは、水が地からかわききるまで、出たり、戻ったりしていた。
8 また、彼は水が地の面から引いたかどうかを見るために、鳩を彼のもとから放った。”

ここで、洪水と関連して2種類の鳥が記されています。すなわち、烏と鳩です。
これは2種類の霊を表します。鳩は聖霊の象徴です。イエスがバプテスマのヨハネのもとで洗礼を受けた時、「み霊が鳩のように下った」と書いてある通りです。烏は聖霊と対照的な霊、悪霊の象徴でしょう。
さて、終末の日にも洪水と関連して2種類の霊があらわれるでしょう。地につく人々は悪霊のリバイバルの中に飲み尽くされていきますが、主につく人びとは聖霊の中で守られるでしょう。

終末における主のみこころを行っていきたいと思います。

ー以上ー

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