通算No.133 地に住む者達

テキスト: ”黙13:6 そこで、彼はその口を開いて、神に対するけがしごとを言い始めた。すなわち、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちをののしった。
7 彼はまた聖徒たちに戦いをいどんで打ち勝つことが許され、また、あらゆる部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。
8 地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、世の初めからその名の書きしるされていない者はみな、彼を拝むようになる。
9 耳のある者は聞きなさい。”

本日は「地に住む者達」という題でメッセージしたいと思います。黙示録の中には何度も地に住む者たちについて書いてあります。これはどのような人々のことなのでしょう。その意味を見ていきたいと思います。

テキストを順に見ていきたいと思います。

”:6 そこで、彼はその口を開いて、神に対するけがしごとを言い始めた。すなわち、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちをののしった。”

ここに「天に住む者たち」が出てきます。彼等は「地に住む者たち」と対象的な存在です。ですから、患難時代には2種類の神の民がいることがわかるのです。この2種類の神の民については、聖書の中で、色々な表現で対比され、語られています。例えば、バビロンと新エルサレム、エサウとヤコブ、燃える山シナイ山とシオンの山、上着と下着、金持ちと働き人等です。

”その幕屋、すなわち、天に住む者たちをののしった。”と書いてあります。幕屋で思い出されるのは「仮庵の祭」(幕屋の祭)です。この仮庵の祭は患難時代における地下教会の予表です。ですから、これらの人々は地下教会化した真のクリスチャン達をさすのかもしれません。彼等は反キリストによりののしられます。

クリスチャンはアブラハムのすえです。彼等はアブラハムに神が約束されたように、空の星であり、基本的に、天に住む者なのです。
また、エペソ書で彼等が天に住む者であることを以下のように語っています。
エペソ人への手紙 2:6 キリスト・イエスにおいて、ともによみがえらせ、ともに天の所にすわらせてくださいました。”

この星について黙示録ではこのように書かれています。

ヨハネの黙示録 1:20 わたしの右の手の中に見えた七つの星と、七つの金の燭台について、その秘められた意味を言えば、七つの星は七つの教会の御使いたち、七つの燭台は七つの教会である。”

ここで「御使い」と訳されていることばは以下のことばと同じ原語です。

ルカの福音書 7:27 その人こそ、『見よ、わたしは使い(messenger)をあなたの前に遣わし、あなたの道を、あなたの前に備えさせよう。』と書かれているその人です。”

ですから、確かに「星」は、神の民、働き人をもさす表現であることがわかります。
 

”7 彼はまた聖徒たちに戦いをいどんで打ち勝つことが許され、また、あらゆる部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。

迫害は全世界におよびます。

”8 地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、世の初めからその名の書きしるされていない者はみな、彼を拝むようになる。”

「地に住む者」は「天に住む者」と対象的です。彼等はこの世についたクリスチャンです。彼等もかつては天に住んでいました。しかし、この患難時代の中で、地に住む者へと移されてしまったのです。
以下はそのことを説明したみことばです。

1)”ダニエル8:10 それは大きくなって、天の軍勢に達し、星の軍勢のうちの幾つかを地に落として、これを踏みにじり、
11 軍勢の長にまでのし上がった。それによって、常供のささげ物は取り上げられ、その聖所の基はくつがえされる。”

この箇所も順に見ていきましょう。

”10 それは大きくなって、天の軍勢に達し、星の軍勢のうちの幾つかを地に落として、これを踏みにじり、”

ダニエル書も黙示録と同じように啓示の書です。すなわち、普通に読んでもそのままでは意味のわからないように書かれているのです。ですから、その意味を啓示(ベールをはがす)されるよう求めることが必要です。

”天の軍勢、星の軍勢”とは、ほかでもないクリスチャンのことです。彼等は霊的イスラエル(神の兵士)であり、神の軍勢です。また、アブラハムの子孫であり、空の星なのです。

”星の軍勢のうちの幾つかを地に落と”すと書いてあります。アブラハムの子孫であるクリスチャンの群れのいくつかが地に落とされる、すなわち、この世のものとされる日がくるのです。

”11 軍勢の長にまでのし上がった。”

この王が”軍勢の長”、すなわちキリスト教会の長となる日がきます。
 
 

2)”黙12:4 その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。また、竜は子を産もうとしている女の前に立っていた。彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。
5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである。その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。

この箇所も順に見ます。

”4 その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。”

ここでも天の星の三分の一が地上に投げ落とされることが書いてあります。この落とされた星はどうなるのでしょう。考えてみて下さい。この落とされた星がほかでもない”地に住む人々”になるのです。

ですから、終末の時代には、今までのキリスト教の歴史にかつてなかたことが起きるのです。天に住む神の民が地に落ちるということがらです。同じように、旧約のイスラエル王朝の歴史の最後にもかつてなかったことがおこりました。今まで、先祖のゆずりの地に住んでいたイスラエル人が異邦の地、バビロンに捕え移されてしまったのです。このことは終末の時代の型であり、終末の淫婦バビロンを予表するものです。彼女は終末の日にこの世に捕えうつされた神の民をあらわします。そして、この淫婦バビロンこそ、この地に住む者たちなのです。

”5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである。その子は神のみもと、その御座に引き上げられた”

女は真に神につく民であり、男の子は勝利者です。

”しかし、地と海とには、わざわいが来る。悪魔が自分の時の短いことを知り、激しく怒って、そこに下ったからである。」”

地と海には”地に住む人々”すなわち、この世についた神の民が住んでいます。彼等にわざわいがくるのです。
これは報復の日です。すなわち、この日は以下の黙6章で叫ぶ殉教者達の血の報復の日です。

”ヨハネの黙示録 6:9 小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てたあかしとのために殺された人々のたましいが祭壇の下にいるのを見た。
10 彼らは大声で叫んで言った。「聖なる、真実な主よ。いつまでさばきを行なわず、地に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか。」”

もとのテキストに戻ります。

9 耳のある者は聞きなさい。

この表現は聖書の中で、よくたとえとともに書かれる表現です。このこと、天に住む者、地に住む者とはたとえであり、意味の隠れたことがらです。これを解くには神からの知恵が必要です。しかし、これらのことばを正しくとく時、終末に関する神の警告を正しくとらえることができます。
 

終末における主のみこころを行いたいと思います。

ー以上ー

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