通算No.130 女の子孫

テキスト:”創世記 3:14 神である主は蛇に仰せられた。「おまえが、こんな事をしたので、おまえは、あらゆる家畜、あらゆる野の獣よりものろわれる。おまえは、一生、腹ばいで歩き、ちりを食べなければならない。
15 わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。」
16 女にはこう仰せられた。「わたしは、あなたのみごもりの苦しみを大いに増す。あなたは、苦しんで子を産まなければならない。しかも、あなたは夫を恋い慕うが、彼は、あなたを支配することになる。」”

本日は「女の子孫」という題でメッセージします。終末に起こる「女の子孫」の働きに関して学んでいきたいと思うのです。

テキストから見ていきます。

”14 神である主は蛇に仰せられた。「おまえが、こんな事をしたので、おまえは、あらゆる家畜、あらゆる野の獣よりものろわれる。おまえは、一生、腹ばいで歩き、ちりを食べなければならない。”

蛇こそ、我々を害するものであり、我々の命をねらうものです。 

”15 わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。」”

ここで女が出てきます。これは、基本的にはエバのことをさしているのです。しかし、この箇所では一度も個人名の、エバという名前を使用していません。逆に”女”という表現が一貫して使用されています。これは意図があってされているのです。というのは、女が終末の黙示録の記述の中にも出てくるからです。

さて、ここでは、”女の子孫”、すなわち、イエスキリストについて語っています。
このことは誰でも知っていることです。しかし、このたとえにはもう一つの面があります。何故なら、イエスの生涯で成就する多くの預言は、多くの場合、2重の預言であり、イエスの時代だけでなく、また終末の日に実現することが多いからです。

ですから、このことばは終末の日にも成就するのかもしれません。教会が後の日に女の子孫ー男の子を産みだすのです。このことに関しては黙示録の中に書かれています。

”黙12:1 また、巨大なしるしが天に現われた。ひとりの女が太陽を着て、月を足の下に踏み、頭には十二の星の冠をかぶっていた。
2 この女は、みごもっていたが、産みの苦しみと痛みのために、叫び声をあげた。
3 また、別のしるしが天に現われた。見よ。大きな赤い竜である。七つの頭と十本の角とを持ち、その頭には七つの冠をかぶっていた。
4 その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。また、竜は子を産もうとしている女の前に立っていた。彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。
5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである。その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。
6 女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。
7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは、竜と戦った。それで、竜とその使いたちは応戦したが、
8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。
9 こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。
10 そのとき私は、天で大きな声が、こう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現われた。私たちの兄弟たちの告発者、日夜彼らを私たちの神の御前で訴えている者が投げ落とされたからである。
11 兄弟たちは、小羊の血と、自分たちのあかしのことばのゆえに彼に打ち勝った。彼らは死に至るまでもいのちを惜しまなかった。”

この黙示録の箇所と最初の創世記の記録とを比べて見てください。いくつもの共通点があることがわかります。

<共通点>

1 どちらの箇所にも蛇が出てくる。
創)神である主は蛇に仰せられた
黙)こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。

2 どちらにも女が出てくる
創)わたしは、おまえと女との間に
黙)ひとりの女が太陽を着て、月を足の下に踏み、頭には十二の星の冠をかぶっていた。

3 どちらにも女のすえがでてくる。
創)また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。
黙)彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。

4 どちらにも女の産みの苦しみが書かれている
創)「わたしは、あなたのみごもりの苦しみを大いに増す。あなたは、苦しんで子を産まなければならない。
黙)この女は、みごもっていたが、産みの苦しみと痛みのために、叫び声をあげた。

5 どちらにも女のすえによる勝利が書かれている
創)彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。」
黙)その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。さて、天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは、竜と戦った。それで、竜とその使いたちは応戦したが、勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。

これらの記事から、確かにこの黙示録の男の子もエデンの園における預言の成就であることがわかります。さて、これらのことを念頭において、この黙示録の箇所をさらに詳しく見ていきたいと思います。

”1 また、巨大なしるしが天に現われた。ひとりの女が太陽を着て、月を足の下に踏み、頭には十二の星の冠をかぶっていた。”

この女は確かに創世記の中で、以下のように預言されている女です。

”15 わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。」”

は神の民のことです。
そして、もう一つのことがあります。主イエスの誕生は女の子孫に関する最初の成就です。そして、その誕生は特別なものでした。イエスは処女マリヤから産まれました。こう書かれています。

”マタイの福音書 1:23 「見よ、処女がみごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」(訳すと、神は私たちとともにおられる、という意味である。)”

そして、これはまた、終末に産まれる男の子の誕生に関する型とも思われます。何故なら、こう書かれているからです。

”コリント人への手紙第二 11:2 というのも、私は神の熱心をもって、熱心にあなたがたのことを思っているからです。私はあなたがたを、清純な処女として、ひとりの人の花嫁に定め、キリストにささげることにしたからです。”

清純な処女である神の民から、終末の男の子は産まれてくると思われます。

”2 この女は、みごもっていたが、産みの苦しみと痛みのために、叫び声をあげた。”

この産みの苦しみは創世記で”「わたしは、あなたのみごもりの苦しみを大いに増す。あなたは、苦しんで子を産まなければならない。”と預言されたことの成就です。そして、これは別の表現でいえば、”マタイ24:8しかし、そのようなことはみな産みの苦しみのはじめなのです。”と書かれているように、患難時代に聖徒が受ける苦しみをさします。

”3 また、別のしるしが天に現われた。見よ。大きな赤い竜である。七つの頭と十本の角とを持ち、その頭には七つの冠をかぶっていた。”

七つの頭と十本の角を持つ竜は終末にサタンに用いられる国です。

”4 その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。”

この獣のはたらきにより、天の星の1/3が地に落ちます。星はアブラハムの霊的子孫である神の民、クリスチャンのことです。彼等は神の前におり、天に住む者なのです。しかし、この竜の働きにより1/3のクリスチャンの信仰は地ーこの世に落とされます。

”また、竜は子を産もうとしている女の前に立っていた。彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。”

この女は終末の日に真に神につく神の民です。”彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。”と書いてあります。この男の子が無事に産まれるかどうかが、神の計画にとっても、またサタンにとっても重要な問題であることがわかります。

”女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである。”

男の子は産まれました。この子は勝利者です。以下の節のテアテラの勝利者の記事と同じ表現が用いられていることからこのことがわかります。

”ヨハネの黙示録 2:26 勝利を得る者、また最後までわたしのわざを守る者には、諸国の民を支配する権威を与えよう。
27 彼は、鉄の杖をもって土の器を打ち砕くようにして彼らを治める。わたし自身が父から支配の権威を受けているのと同じである。”
 

その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。”

その子は生まれるとすぐ、神のみもと、その御座に引き上げられます。神の御座とは黙7章の白い衣を着た数え切れない程多くの群衆がいるところです。ですから、この男の子も殉教者だということがわかります。もしかすると、この白い衣の大群衆は、実はこの男の子のことをさすのかもしれません。

”6 女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。”

女は真に神につく民です。彼等は殉教はせず、生きて再臨の主にあう人々です。彼等はエリヤのように守られます。

”7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは、竜と戦った。それで、竜とその使いたちは応戦したが、
8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。
9 こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。
10 そのとき私は、天で大きな声が、こう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現われた。私たちの兄弟たちの告発者、日夜彼らを私たちの神の御前で訴えている者が投げ落とされたからである。”

”あの古い蛇”の”あの”という指示語に注目してください。これはエデンの園にいた”あの”蛇のことです。そして、今、男の子ー女のすえによりこの蛇の働きが打ち砕かれたことがわかります。エデンの園における「女の子孫が蛇の頭を砕く」という預言はこの時、完全に成就したのです。

このことについてパウロもまたこう語っています。
”ローマ人への手紙 16:20 平和の神は、すみやかに、あなたがたの足でサタンを踏み砕いてくださいます。”

”11 兄弟たちは、小羊の血と、自分たちのあかしのことばのゆえに彼に打ち勝った。彼らは死に至るまでもいのちを惜しまなかった。”

この節から”男の子”とは、実はここに書かれた兄弟たち、すなわち子羊の血、あかしのことば、そして、殉教の死を否まないことにより勝利を得る兄弟たちであることがわかります。彼等によりサタンのわざは最後に打ち砕かれます。女の子孫とは、すなわちこの殉教者達のことをさすことがわかります。

終末における主のみこころを行っていきたいと思います。

ー以上ー

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