通算No.117 これら全てのことが起こる前に

テキスト:
 
”ルカ21:12 しかし、これらのすべてのことの前に、人々はあなたがたを捕えて迫害し、会堂や牢に

引き渡し、わたしの名のために、あなたがたを王たちや総督たちの前に引き出すでしょう。

13 それはあなたがたのあかしをする機会となります。

14 それで、どう弁明するかは、あらかじめ考えないことに、心を定めておきなさい。

15 どんな反対者も、反論もできず、反証もできないようなことばと知恵を、わたしがあなたがたに与え
ます。
16 しかしあなたがたは、両親、兄弟、親族、友人たちにまで裏切られます。中には殺される者もあり、

17 わたしの名のために、みなの者に憎まれます。

18 しかし、あなたがたの髪の毛一筋も失われることはありません。

19 あなたがたは、忍耐によって、自分のいのちを勝ち取ることができます。

20 しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、そのときには、その滅亡が近づいたことを悟りな
さい。
21 そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ちのきなさい。
いなかにいる者たちは、都にはいってはいけません。

22 これは、書かれているすべてのことが成就する報復の日だからです。

23 その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。この地に大きな苦難が臨み、この民に御怒
りが臨むからです。

24 人々は、剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれ、異邦人の時の終わるまで、エルサ
レムは異邦人に踏み荒らされます。”
 

本日は、「これらすべてのことが起こる前に」として、終末のできごとについて学んでいきたいと思い
ます。
 

テキストのルカ21章は終末について記してある章です。この中で、主は終末におきる多くの恐ろしい
できごとについて述べています。
 

さて、それらの多くのたいへんなできごとが終末に起こることはわかります。しかし、一つの根本的な
疑問がわきます。「終末にはどうしてクリスチャンの上にそのようなたいへんなこと、困難なできごと
が許されるのだろう」という疑問です。
 

この疑問に対して、答えとなるのが以下の節です。
 

”しかし、これらのすべてのことの前に、人々はあなたがたを捕えて迫害し、会堂や牢に引き渡し、わた
しの名のために、あなたがたを王たちや総督たちの前に引き出すでしょう。”
 

”これらすべてのことの前に”とは、どういう意味でしょう。それはこういう意味です。このことばは
終末の時におきてくる全ての神の民へのさばき、その原因、理由をさすことばなのです。
 

例をあげましょう。日本はアメリカの飛行機により、恐ろしい原爆を一度ならず、2度までも投下され
ました。大変な目にあったのです。また、沖縄では、たくさんの人がアメリカ軍のため、

殺されました。それに限らず、アメリカの軍のため、殺された日本人、こわされた建物は数しれません。
何故、このようなひどいことをアメリカは日本にしたのでしょうか。
 

その理由はあります。しかし、”これらすべてのことの前に”、日本が突然、アメリカの真珠湾を攻撃
して、戦争をしかけたという事実があるのです。このことが第一原因です。この原因がわからないと日
本が受けた全ての災害の意味がつかめません。
 

同じように、ここでは、終末におきる神の民へのさばきに関して、その原因を書いてあるのです。油注が
れた者たちの殉教、迫害、これがまず初めに起こるのです。そして、それこそが、彼等を迫害し、死に追
いやった”神の民”への恐ろしいさばきの原因であり、理由なのです。
 

この原理、すなわち、神のしもべ、油注がれた者達を殺したために、後に彼等を迫害する側の神の民が
裁かれるという原理は何度も聖書に出てきます。例えば、黙示録にも以下のように記されています。
 

”黙6:9 小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てたあかしとのために
殺された人々のたましいが祭壇の下にいるのを見た。

10 彼らは大声で叫んで言った。「聖なる、真実な主よ。いつまでさばきを行なわず、地に住む者に私
たちの血の復讐をなさらないのですか。」

11 すると、彼らのひとりひとりに白い衣が与えられた。そして彼らは、「あなたがたと同じしもべ、
また兄弟たちで、あなたがたと同じように殺されるはずの人々の数が満ちるまで、もうしばらくの間、
休んでいなさい。」と言い渡された。”

殺されるはずの人々の数が満ちることーこれが終末のさばきの理由であり、原因なのです。
 

さて、冒頭のテキストを順に見ていきたいと思います。
 

”12 しかし、これらのすべてのことの前に、人々はあなたがたを捕えて迫害し、会堂や牢に引き渡し、
わたしの名のために、あなたがたを王たちや総督たちの前に引き出すでしょう。”
 

油注がれた者たち、聖霊の声に従う人々が迫害される日が近づいています。”会堂や牢に引き渡し”と
書いてあります。会堂は、他でもない教会堂のことです。教会内で油注がれた者達が、迫害されたり、
つるしあげをくう時が近づいているのです。

また、”王たちや総督たち”と書いてあります。すなわち、このカリスマの問題が世の中の裁判の場に
持ち出される日がくるのです。
 

”16 しかしあなたがたは、両親、兄弟、親族、友人たちにまで裏切られます。中には殺される者も
あり、
17 わたしの名のために、みなの者に憎まれます。”
 

教会の中で、裏切りが出るのでしょう。
 

”20 しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、そのときには、その滅亡が近づいたことを悟
りなさい。”

このエルサレムは新エルサレムではなく、今のエルサレム、今の教会、裁かれるべき教会をさします。ですから、これは裁かれるべき教会が軍隊により囲まれる日のことです。この軍隊はおそらく第2次大戦時に、ユダヤ人を圧迫、包囲したナチスの軍隊のような動きをするのではないかと私は個人的に思っています。

”21 そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ちのきなさい。
いなかにいる者たちは、都にはいってはいけません。”
 

山へ逃げる、都から立ち退く、入らないとはどういう意味でしょう。これはおそらく、既存の”教会”か
ら出る、地下教会へ潜れということだと思われます。何故なら、既存のキリスト教会が裁かれる日、滅ぼ
される日が来るからです。これは、超自然的な方法によるのではなく、ナチスの時のように、獣の国の軍
隊が用いられて行われると思われます。
 

”22 これは、書かれているすべてのことが成就する報復の日だからです。”
 

これは、淫婦への報復の日です。旧約聖書のイザヤ、エレミヤ、エゼキエル等多くの預言書により書かれ
たエルサレムー教会の予表ーのさばき、また黙示録に書かれている淫婦へのさばきが成就する日がくるの
です。

”23 その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。この地に大きな苦難が臨み、この民に御怒
りが臨むからです。”
 

この民、神の民に”御怒りが臨む”のです。
 

”24 人々は、剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれ、異邦人の時の終わるまで、エル
サレムは異邦人に踏み荒らされます。”

これは私の想像ですが、私はこの時、神の民はナチスの時のユダヤ人のような状態になるのではないかと
思っています。ナチスの時、神の民は自分の国から他の国へ移され、殺されてしまいました。終末の時に
も、おそらく、教会に対するアウシュビッツのような時が来るのではないかと個人的には思っています。
 

この時は以下のオバデヤ書の預言の成就の時です。
 

”オバデヤ10 あなた(エドム)の兄弟、ヤコブへの暴虐のために、恥があなたをおおい、あなたは永遠
に絶やされる。
11 他国人がエルサレムの財宝を奪い去り、外国人がその門に押し入り、エルサレムをくじ引きにして取
った日、あなたもまた彼らのうちのひとりのように、知らぬ顔で立っていた。
12 あなたの兄弟の日、その災難の日を、あなたはただ、ながめているな。ユダの子らの滅びの日に、彼
らのことで喜ぶな。その苦難の日に大口を開くな。
13 彼らのわざわいの日に、あなたは、私の民の門に、はいるな。そのわざわいの日に、あなたは、その
困難をながめているな。そのわざわいの日に、彼らの財宝に手を伸ばすな。
14 そののがれる者を断つために、別れ道に立ちふさがるな。その苦難の日に、彼らの生き残った者を引
き渡すな。

15 主の日はすべての国々の上に近づいている。あなたがしたように、あなたにもされる。あなたの報い

は、あなたの頭上に返る。
16 あなたがたがわたしの聖なる山で飲んだように、すべての国々も飲み続け、飲んだり、すすったりし
て、彼らは今までになかった者のようになるだろう。
17 しかし、シオンの山には、のがれた者がいるようになり、そこは聖地となる。ヤコブの家はその領地
を所有する。”
 

この箇所も順に見ていきます。
 

”10 あなたの兄弟、ヤコブへの暴虐のために、恥があなたをおおい、あなたは永遠に絶やされる。”
 

終末の日にエドム、また今のエルサレムが裁かれる理由は彼等が自分の兄弟である、神のしもべたちを死
に渡したからです。
 

11 他国人がエルサレムの財宝を奪い去り、外国人がその門に押し入り、エルサレムをくじ引きにして
取った日、あなたもまた彼らのうちのひとりのように、知らぬ顔で立っていた。

12 あなたの兄弟の日、その災難の日を、あなたはただ、ながめているな。ユダの子らの滅びの日に、彼
らのことで喜ぶな。その苦難の日に大口を開くな。”
 

彼等はその時、新エルサレム、ヤコブ、油注がれた者たちが殺されることに同意し、非難し、喜び、口を
開きます。
 

”13 彼らのわざわいの日に、あなたは、私の民の門に、はいるな。そのわざわいの日に、あなたは、そ
の困難をながめているな。そのわざわいの日に、彼らの財宝に手を伸ばすな。

14 そののがれる者を断つために、別れ道に立ちふさがるな。その苦難の日に、彼らの生き残った者を引
き渡すな。”
 

そして、彼等はヤコブ、油注がれた者たちを密告し、裏切り、引き渡します。
 

”15 主の日はすべての国々の上に近づいている。あなたがしたように、あなたにもされる。あなたの報
いは、あなたの頭上に返る。

16 あなたがたがわたしの聖なる山で飲んだように、すべての国々も飲み続け、飲んだり、すすったりし
て、彼らは今までになかった者のようになるだろう。

しかし、後の日には、彼等にもヤコブと同じ運命がやってきます。これが、”エルサレムが軍隊に囲まれ
る”日です。
 

”17 しかし、シオンの山には、のがれた者がいるようになり、そこは聖地となる。ヤコブの家はその領
地を所有する。”
 

しかし、この時、このわざわいに巻き込まれない逃れた者たちがシオンの山にいます。
 

終末における主のみこころを行っていきたいと思います。
 

ー以上ー
 

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