偽ユダヤ人 No.3

 

 

イスラエルにおいては、政治を主導し企業家として成功し弁護士として名を成し、あらゆる研究機関を牛耳っているのはアシュケナージ・ユダヤ人達である。それに対して本当のユダヤ人の血統を継ぐと自負するスファラディ・ユダヤ人達は、はとんど下積みの仕事に就かせられている。軍隊においてもしかりである。司令官はほとんどがアシュケナージ、それに対してスファラディは危険な最前線に追いやられている。イスラエルでモロッコから帰還したスファラディ ユダヤ人とたいへん親しくなり、ある時、彼のアパートに招かれた。そこで彼は、かつてはモロッコで大邸宅に住み数人の召使を雇い、どれはど裕福な生活をしていたかを繰り返し語った。

しかしイスラエルが建国されたと聞いて、ただ神の約束の地に帰ろうという信仰のみによって取るものも取りあえずイスラエルにやって来た。初めはよかったが、やがて差別を受け貧しくなり、その夢も破れ、その上、自分の親が病気になり苦しい状態であると切々と訴えるのであった。カザール人について知ることによって、一般では決して知らされない、このようなイスラエル国内での現状がいよいよ明白になってきた。ユダヤ問題の複雑さとそのタプーが見えてきたわけだ。

ユダヤ人とは民族ではなく宗教集団

ここで整理しておかなければならない
ユダヤ人とは民族を指していないことは明らかである。なぜ
なら血縁的にまつたく関係のない2⊃の民族がともにユダヤ人と称してるからである。

それは宗教集団、ないしは宗教グループと考えれば妥当であろう。日本では一般に、ユダヤ教は旧約聖書から来ていると考えられている。そして多くの人々は、キリスト教とは旧約聖書だけでなく新約聖書も神の言葉とし、イエスを旧約聖書に書かれている通りの救世主すなわちメシアとするもの、そしてユダヤ教はイエスはメシアではなく、まったく別のメシアがユダヤ人のためにやって来ると信じているものと考えている。しかし、これはまったく異なる。

ユダヤ教は旧約聖書を母体にしているのではなく、「タルムード」が源泉なのである。するとある人々は言うだろう。ユダヤ人たちも旧約聖書、中でもモーセ五書と言われるトーラーを読んでいるではないかと。トーラーとは旧約聖書の初めにある五つの書のことである。確かにユダヤ人たちはこれを読んでいる。しかし彼らは色眼鏡をかけて読んでおり、旧約聖書そのものを読んでいるわけではない。ではどのような色眼鏡なのか。それは「タルムード」である。「タルムード」が書物の形をとったのは紀元後であるが、タルムード的影響はすでにイエスのいた時代に存在していた。タルムード的影響の出発点はどこか。それはパビロン宗教にさかのぼらなけれぱならない。紀元前五八六年、
バビロンによってユダヤ王国は崩壊し、彼らはバビロンに連れていかれ、長きにわ
たって捕囚の身に置かれた。後に解放されてイスラエルに帰ってくるが、彼らはただ帰ってきたのではない。かつては旧約聖書のみを信奉していた彼らが、バビロンの宗教の影響をもろに受けていたのである。それがやがて「タルムード」という形をとっていく。