37  ビートルズは反キリストの使者だった

ニューエイジの開祖の一人アリス・ベイリーは、音楽がニューエイジの世界を準備するために重要な役割を果たすだろうと予告していた。この予言(あるいは計画)は、ロックン・ロ

ールの帝王、エルヴイス・プレスリーの登場とともに日の目を見たといってよさそうだ。ブレスリー現象はまだアメリカに限定されていたが、その次に出てきたビートルズに至って、全世界を巻き込むものになった。そしてビートルズに続くロック・グループが、主としてアメリカ、イギリス両国から次々と生み出され、ついにはヘヴィ・メタル(ヘヴィメタ)と称されるエレクトロニクス技術を駆使した、文字どおり耳をつんざくような巨大な騒音をエスカレートさせるグループまで生まれた。アメリカの純正キリスト教徒は、このロック昔楽によってアメリカの青少年のほとんどが、感覚的にキリスト教的伝統文化から切り離されたとみているようだ。少年時代(一九六四年)にテレビでビートルズを知ってロック音楽にのめり込み、のちにその「悪魔性」に気づいたアメリカの音楽批評家エリック・バーガーは、『ロックからロックヘー−暴露された暗黒の音楽』(一九九○年)のなかで、ロックン・ロール音楽の要素を次のようにまとめている。

@反逆
A暴力
Bニヒリズムと絶望
C現実からの逃避
D麻薬とアルコール
E性的誘惑と性倒錯
F自殺と殺人
Gオカルトと超常現象
Hあからさまな悪魔の肯定
I神とキリストを口汚くののしりをする

また、「USニュース・アンド・ワールドレポート」誌の一九八五年十月二十八日号によると、アメリカのティーン・エイジャーは第七学年から第十二学年まで(日本でいえぱ中・高校の六年間)に、合計、一万五百時間もロック音楽を聴いていると推定されており、これはこの十二年間、学校にいる時問の合計より五百時間少ないだけだという。ほか『ダンシング・ウィズ・デーモンズ(悪魔と踊子−−音楽のほんとうの主人)シェフ・ゴッドウイン』には主としてアメリカで売り出されているロック・レコードのカバーに、悪魔崇拝と暴力礼讃が充満していることを写真入りで説明している。このような現象が、偶然生じたとは、とうてい信ずるわけにいかない。