32 ニユーエイジの源は古代バビロンにあった

ニューエイジの風は、アメリカ大統領官邸(ホワイトハウス)にまで入り込んでいる。かつてのレーガン大統領時代に、ファースト・レディだったナンシー・レーガンは、政治問題も含めて、なにかにつけてお抱えの占星術師に相談していたというのだが、この占星術はニューエイジ派のお気に入りの一つである。そしてそれは、古代パビロニアの産物なのだ。護符、シンボル、タリズマン(魔よけの石)などはパビロン宗教の重要な要素であったが、これもまた、ニューエイジ派のなかにあふれている。

また、バビロニア人は商人であり、セールスマンであり、ハスラー(やり手とかペテン師、また米俗語では売春婦の意味がある)であった。ニューエイジはこの面でもバビロニアの直系の子孫でニューエイジでは、ただのものはなにもない。導師にお金を払う。チャネラー(と称するいかさま霊感師)にもお金。ニューエイジ派がつくるマヤのカレンダーにもお金。心理教室にもお金。古臭い時代遅れになった家父長的キリスト教よりはるかに優れた、最新最強の精神的力を与えるというニューエイジの宗教で啓豪されるために、人々は永久にお金を払い続けなければならない。要するに、できたてのほやほやというこのニューエイジの宗教の源は、実際には、古代パビロ
ンにあったのである。

しかし、二千年も前のパビロンの宗教を誰がいまに伝えてきたのだろうか。『旧約聖書』の「創世記」第十章には、ノアの第二子ハムの子クシが、ニムロデを生むとあり、ニムロデ初めて世の権力ある者となれり、彼はエホバの前にありて権力ある猟夫なりき。・…彼の国の起初はシナルの地のパベル、エレク、アッカデ、およぴカルネなりき・と書かれている。

つまり、ニムロデはパビロン大帝国の始祖であり、この一帯(メソポタミア)の最初の独裁帝王であったというのだ。そして、このバビロン帝国の宗教は、あらゆる存在の全体構造(ビラミッド)の最上級に人間が位置している。自分以上のすべての存在を天界から排除した人間は、自ら神となり、万物はみなその下にあり、人間に服従するものと考えた。真正の宗教は、人間のすべての欲念を崇拝し、これに満足を与えることであるというのである。ニューエイジの思想は、このパビロンの宗教と寸分違わないのではなかろうか。