15 キリスト教に対するアメリカ・フリーメーソンの作戦計画

一八七一年にアメリカのチャールストン市(この都市は、古くからユダヤ色濃厚である)
で開かれたフリーメーソン指導者の会合は、キリスト教に対する作戦計画書を採択した。

この計画によるとフリーメーソンの主敵はローマ・カトリックであっ
た。そこでまず、カトリック教徒を自由主義者、無神論者に変化させよ、そのためには、政治権力を握ればよい。そして、いったん政権を得たら、僧侶や修道士の感化力を封じるような法律をつくり、彼らを教化事業から駆逐することは容易だ。このために、フリーメーソン系列の新聞記者を使って、「いやしくも人たる者は、僧侶より慈善感化を受けることは人間の恥辱であり、いっさいの福祉や慈善は社会改造によって得られるものである」という思想を普及させる。かくして、「我々が権威を失わしめた宗教国家を崩壊せしめねばならぬ」のである。

ひと言でいえば、聖職あるいは修道士の名を有する者
を、地上から殲滅せねばならないということであり、「学校を俗化せよ。
僧侶をして教育機関に関与できないようにしなければならない」とするのだ。キリスト教の信仰を嘲笑罵倒し、聖職者の数を減ずるような法律手段をとれとするのである。また聖職者に対しては、フリーメーソンに忠実な女を放ち、ことあるごとに修遣士や聖職者の醜間を起こしてその権威を削ぐ機会をとらえ、全力をあげて聖職者の身辺を空虚をもって囲い込み、世人をして侮蔑の念を起こさしめねばならない。これがためには、いかなる手段も選ばない。要するに、冠婚葬祭はいっさい聖職者なしに行なうというのが標語である。こんなふうに、百二十年前の文書には記されているというのだが、多少でも近代そして現代アメリカの世相の移り変わりを知る者にとって、いちいち痛切に思い当たるのではなかろうか。

いや、アメリカという海の向こう側の国どころか、大正デモクラシー以後の我が国で、わずか七十年くらいのうちに、ここに書かれているとおりのことが起きた(我が国で狙われたのは、カトリックでなくて神道と仏教だが)のではないか。そもそも、アメリカ建国の祖といわれる、一六二○年のメイフラワー号の移民団、イギリス・ビューリタンが、フリーメーソン系列といわれているのである。一七八三年、アメリカの独立がイギリスによって承認されるや、アメリカ独立記念章が制作さ

れた。その裏面上部には、獅子(イギリス)と女神(自由)の戦いがあり、その下には両手に蛇(フリーメーソンのしるし)を持った嬰児(アメリカ)が刻まれていたという。さらには写真に見られるように、ドル紙幣やアメリカ国旗もまた、フリーメーソン色を帯ぴているのだ。