13 一八一五年のフリーメーソン秘密指令「キリスト教会を根絶せよ」

ナポレオンを打倒した一八一五年に、フリーメーソンの最高指令部は、ごく少数の上級メーソンに対して、極秘指令を発したと伝えられる。

この指令は、カトリック教会とキリスト教そのものの完全な絶滅という、フリーメーソンの最終目的を達成するためには、多くの年月が必要とされる、おそらくは一世紀もの歳月がかかろうと述べている。

メシアを待望するユダヤ人として、我々が期待する法王は、我々の要求どおりに動く法王である。アレクサンデル六世(前述)に我々はいまだ満足しない。ポルジアの法王(アレクサンデル六世のこと。)にも、我々は満足しない。我々は我々自身の法王を必要とする。そのような(ユダヤ化され、フリーメーソン化された)法王をもって、我々はキリスト教会に大動乱を引き起こすべく進軍しなけれぱならない。キリスト教会という大きな岩の小さな断片をもぎ取ってみても、そんなことは意味がない。我々が必要とするのは、我々の陰謀に加担するペテロの後継者(ローマ法王のこと)の、小さな指だ。

こんなふうに「指令書」は述べているという。バチカンの最高位であるローマ法王の座をフリーメーソンが奪取すれば、この法王の十本の指は、たしかにすべてを決することができる。彼の著名が、全カトリックをそっくりそのまま、いわば居抜きのまま反キリストの教会に変えるであろうからだ。その後の百数十年の経過をみれば、この「指令書」の真偽はおのずから明らかではなかろうか。ヨハネス・パウルスニ世が法王に就任する前の年(一九七七年)、彼は「カトリック教会はいま悪との最後の決戦に直面している。悪魔が建設しようとしている教会は、カトリック教会と酷似しているかもしれないが、実際は、それは反キリストの教会となろう」と述べたという。

同法王の前任者ョハネス・パウロスー世は、法王就任後間もなく病死した。伝えられるところによれば、ョハネス・パウロスー世は、バチカン中枢部からフリーメーソン会員を一掃する人事異動を発令した直後に変死した(毒殺の疑いがもたれている)という。毒殺は、もちろん、バチカンに浸透したフリーメーソン組織が実行したに違いない。そして、かつて暗殺の危倹に遭ったョハネス・パウロスニ世の在位期間は、すでに十五年。彼はフリーメーソンに抵抗し続けているようにも見えるのだが……。