・睡眠病

エボラがニュースの見出しを独占していたころ、その一方で、アフリカ最悪の殺し屋である睡眠病が、数十万もの黒人の生命を奪っていた。特にザイールのような国々では、これを抑える、あるいは患者を治療するために何の努力もなされてはいない。睡眠病はずっと以前に流行病と言ってよい規模に達していたのだが、現在にいたっても、犠牲となっているのが黒人のみなので、西側はまったく注意を払おうとはしていない。だが、もし 「グローバル二〇〇〇」 の実行者が、研究室開発型の睡眠病の合衆国導入を開始すると決定すれば、これも変わることだろう。
 大陸の反対側では、飢饉とその結果としての餓死が大きく広がっていて、エチオピアでは最大で一〇〇万人が死亡し、七〇〇万人が危険な状態にある。わたしが最近目にした情報筋の報告では、
                       
七年に及ぶエチオピアの旱魃は、気象操作の技術によって呼び込まれたものに間違いないということだ。これは極低周波発信に関連したもので、カリフォルニアを六年間襲った旱魃と同じようなものだ。ここでも、衰弱したエチオピアの大衆の問でHIV陽性のケースが急増し、特に四歳から一〇歳までの子どもに多く発生している。また、新世代の結核によっても、エチオピア人数十万人が殺されている。救済の動きはまったく取るに足りないもので、少し考えただけでも、「グローバル二〇〇〇」が強く働いている国だということが分かる。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
 ルワンダに見られる大量殺りくは、第三者が起こした民族紛争による可能性もある。グローバル二000は、このアフリカの小国では最初から有利な出発点にたった。凶悪な暴力はこれが今世紀に入って二度目だ。一回目は異宗教間平和会議(IRPC)が直接の原因で起こった。会議が開かれたのは、先にも述べたとおり一九七二年のことだった。
 IRPCの基本課題は、不要な「ムダ飯食い」人口を間引く方法を見つけ出すことで、そのため
に民族グループ同士を対立させるというものだった。そしてルワンダは、IRPC理論が実際にう
まくいくのかを確認する、最初の実験場だった。対立する二部族間の戦争による大量殺りくは「十分に計画された」もので、ローマクラブのリンダ・チョーカーの指導の下でおこなわれた。このことは、既存メディアの言う「無差別の暴力」が誤りであることを示している。

 これは極めて巧妙な作戦であって、単に部族間の憎しみが沸騰して大量殺人になったというものではない。わたしが入手した情報筋の報告によると、飛行機事故でジェヴナル・ハビヤリマナとシブリエソ・ネタリヤアミラ両大統領が死亡する数時間前に、すでに殺りくは始まっていた。そこへ、ふたりの指導者を乗せた飛行機がキガリ空港近くでロケット砲により撃墜されたという発表があり、
新たな殺りくの波が引き起こされて残忍行為へと発展していったのだ。つぎに示すょうに、大量殺りくをおこなった部隊は事前に配置されていたのであり、このことは、この悲劇すべてが、入念に時を定めて実行されたことを裏づけている。この計画性はルワンダの各派閥の能力を超えている。
 先ほどの情報筋からの報告はつづく。

  「実際には、ハビヤリマナは自分の政党のメンバーに殺されたのであり、ニュースから一時問後には、軍が、組織だった掃討作戦を全土で開始した。入念に計画・実行された、事前の準備通りの大量虐殺だった。最初に目標にされたのは知識人、専門職、ジャーナリスト、教師、教会指導者、行政官だった。その後、銃やナタは一般国民に向けられた。これは証拠のあることだが、ある部隊を率いる士官は、ツチ族を完全に抹殺せよという指令を出していた。
犠牲者は狩り集められ、『保護収容所』 へ移動すると聞かされた。だが一歩外へ出れば爆薬が炸裂し、ライフルが唸り、ナタが振るわれて、身の毛もよだつような刈り取りがおこなわれた。
  この大量殺教は一八カ月前から計画されていたものと考えられる。外見上はフツ族とまったく変わらないツチ族を、驚くほど速く、しかも容易にかり集めたことからも確認できるように、これには入念な計画があり、それがむごたらしく実行されたに違いない」
 

 民族紛争での大量殺教を概観してみたが、これは裏で支配する権力が計画、準備、実行したものであり、その彼らは 「グローバル二〇〇〇」 の富と権力を握る者どもから指令を受けている。このような民族間の暴力はさらに数多く起こってくるだろう。争いを起こす達人どもが、民族的な恨みを煽りたてていくのだから。