*ユダヤは支配する
 

1 証券を支配する

 

 

ソロスは、八七年にはロスチャイルド家のマイケル・デヴィッドウェイルに次いで、ウォール街の収入番付で第二位となり、九三年一月には、窮地にあるロシアのエリッィン大統領に一億ドル(おょそ一○○億円)を寄付して金融界を驚愕させた。個人が国家に一億ドルを寄付することは、尋常な出来事ではない。さらに九四年3月には、ューゴスラビアから独立したマケドニァに四○○万ドルを緊急援助することを発表した。

これも、彼の経営する会社ではなく、個人的な援助であった。以上のほか、無数の活動歴から、このような金融作業が可能となるにはロスチャイルドの血族であること以外は考えられないが、前記のショルシュ一族とソロスは奇しくも、同時期の1950年代後半にアメリカに姿を表しており、それを無視しても、ソロスがロスチャイルド・グルーブの財政家である事は既に明白になっている。

二人目のサー・ジェームズ・ゴールドスミスは、大伯父の名前がマクシミリアン・ゴールドシュミット=ロスチャイルドである。ョーロッパと香港とカリブ海に自分個人のトンネル会社を所有して、全世界の企業乗っ取りに精力的な活動をおこなってきた男であり、大伯母がミンナ・ロスチャイルドに当たる。ロスチャイルドー族の最も有能な財政家であり、しかもただ一族というだけでなく、ドイツ・フランクフルトのロスチャイルド家が男子継承者なく断絶したとき利権を相続した一族で、紛れもないロスチャイルド家当主の家系にあたる。ゴールドスミス家とロスチャイルド家は、何代も前から複雑に結婚し合ってきた、同じファミリーでもある。
 
 

クリントン政権は、歴代の大統領のなかで、私が調べた限りでも、驚くほどロスチャイルドのファミリーが多い。それも、閣僚よりむしろ次官クラスに要人が揃っている。アンダーセクレタリーと言われる、陰に隠れている部分‐‐現場を実際に動かす事務局である。日本で言えば、外務大巨ではなく、外務事務次官だった小和田恒のような人間である。

アメリカでは、ユダヤ人が直接ホワイトハウスの頂点に立ったことは、少なくとも公式には一度もない。また、金融界で抜きんでた力を持つロックフェラー財閥とモルガン財閥も、自ら名乗る代表的なキリスト教徒となっている。ところがこうした表面的なァメリカのキリスト教支配の世界が、裏の実業界で手を組んだのは、やはりロスチャイルド財閥にほかならなかった。ユダヤ人嫌いのモルガン家は、ロスチャイルドの代理人として活動することによって、アメリカ南北戦争時代から巨財をつくることに成功し、地球上にいることを意味している。
 

しかしその人間を直ちに特定することは難しい。ロスチャイルドが動き、全世界から資金が集められ、まず胴元が利益を懐に入れた。その時、ゲームに参加していた人間は、早く勝負からおりなければ、身ぐるみはがされる危険性もある。現在の投機業はコンピューターで管理されているので、誰がテーブルに残っているか、誰が一番多くチップを賭けているか、それを胴元が知ることができるようになっている。つまり狙い打ちによって、たとえば〃日本人〃に集中的に被害を出させることが可能なのである。
 

ソロスが資金を運用する会社をクァンタム・ファンドというが、これは〃分け前財団〃と訳すことができる。実際、その分け前は目の玉が飛び出るほどで、九三年九月一日までの五年間を通して、世界一にランクされたのがクァンタム・ファンドだった。利益率は、驚くなかれ七七二%である。読者の預金の利率は何%だろうか。このようなミューチュアル・ファンドと呼ばれるァメリカの投資信託の総資産は、九三年末で二兆ドル(およそ二○○兆円)の大台を突破したと伝えられたが、その増加率は、わずか四年で倍増するとてつもないスピードを示しており、このかなりのものがアジアに集中してきたのである。

このファンドの膨脹速度は異常であり、いつ大崩壊するか知れず、きわめて危倹な様相を呈している。人間がわずか三人動いただけで世界が動いてしまうのは、ロスチャイルド家の手に世界金融が握られているからで、地球上には、これに匹敵する金融家は存在しない。この金価格上昇には、キリスト教徒のジュリアン・ベアリングもひと役買ったが、兜町の暴落劇(バブル崩壊)でソロスやソロモン・ブラザースと共に最大の黒幕と言われたベアリング証券のオーナー・ファミリーである。ロスチャイルド家と無数の姻戊関係を持ち、ジュリァン自身は南アの
産金会社アンクロ・アメリカンを拠点としてきた。
 

では、この少数の金融マフィアの狙いはどこにあったのだろうか。ロスチャイルドー家が金価格上昇ゲームをスタートさせた動機は、ァメリカ・ョーロッパ全体の経済不況や失業率上昇のほか、ロシァの利権を独占するためのロシア救済問題など、多くの危機を乗り切らねばならないという事情があったからである。特に、金価格上昇によって集金するには、貿易黒字国の日本にカネを出させなければ、ほとんどゲームとして意味をなさないことは明らかである。貧しい者同士で奪い合っても利益を生み出さないからだ。またこのゲームでは、九三年七月〜八月にかけて起こったフラン暴落などの通貨不安も、実は大きな金投機の要因として利用されていた。

ロスチャイルドが動いてこれを演じたことも、かな
りはっきりしている。金への投機は、これによって大きく加速され、彼らは通貨レートでも巨利を得たのである。一体誰が損をしたのか。コンビューターは知っているはずである。画面に出るマイナスの数字がJapanのところでピークになる時を狙って、このように莫大な集金が可能になることを、日本人は充分に知っているだろうか。ここ何年か使われてきた「バブル崩壊」という用語は、これらの現実に対して事実からほど遠い表現であった。

日本人は、過去一○年にわたって蓄積した資財を、彼らの集団行動にょって一夜にして取り戻されてしまったが、これから新たに、別の国際的投機の危機が波うつようにやってくる可能性を認識しておく必要がある。一連の挙動は、ェリッィンを迎えたG7の九三年サミットが中心にあり、その政治家を操る金融業者と同意の上で、ロシアへの莫大な支援が決定されてきた。
 

しかもG7の主人公役アメリカのクリントン大統領は、従来のホワイトハウスでも異様なほど大量のロスチャイルド人脈を内包し、大統領選で活躍したパメラ・ハリマソ女史やゴールドマン・サックス会長ロバート・ルービンのほかに、大量の参謀をかかえていた。