すなわち、彼は同郷のユダヤ人スペーヤーの経営する、当時の全米有数の大銀行スペーヤー・エンド・カンバニーに働きかけて抱き込みに成功し、さらに同じくユダヤ人セリグマンの支配する、これもアメリカ屈指の大銀行セりグマン・エンド・カンパニーに誘いかけて不可分一体の関係を結ぴ、ここに強力な一大ユダヤ人銀行トラストを完成した。
シッフはまた、全世界のあらゆるユダヤ系大銀行と連携し、全米ユダヤ人銀行トラストの絶対不動の地盤を築いた。ここに確立されたクーン・ロエプ全融財閥の実体は、ロスチャイルドのアメリカ支店である。
そして一九世紀末から二○世紀初頭にかけて、ロスチャイルド帝国の対アメリカ作戦総指令官の役割を果たしたのが、ヤコプ・シッフであったのだ。このアメリカのユダヤ化作戦の主方面の一つが、東欧とロシアからアシュケナジー・ユダヤの大軍を、アメリカに移住させる事業(というよりは、ユダヤの仕掛ける一種の戦争)である。アメリカ北東部のユダヤ教徒が、一八七七年にはわずか十七万五千人であったのが、五十年後の一九二七年には四百万人に達している。そしてこの東欧、ロシアからの移民保護と援助のために、プナイ・プリスが働き、そしてそのなかから人材を選抜する。
前記のヤコプ・シッフは、クーン・ロエプ財閥のリーダーであるとともに、プナイ・プリスの幹部でもあるのだ。彼らユダヤ世界帝国の戦略は、
(1)ニューョークにユダヤ移民を集中して、ニューョークをユダヤ化する。
(2)これによって米国全体をユダヤ化する。
(3)ユダヤ化した米国によって、全世界をユダヤ化する。
というものであつた。この戦略実行の中枢に、かのヤコプ・シッフが、ロスチャイルドによって任命されていたのである。