獣の国の操られる10本の角、そして獣の国に従う3

本の角、英、独、仏

       米欧日など西側諸国、ロシアと中央アジア、イランなど周辺諸国による露骨な介
       入と干渉。
 

        今になってアフガンに対する軍事行動での競争が欧州各国の間で始まりました。首都カブール陥落など
       戦況の急変を見て欧州各国は派遣部隊を急いで送ることを決定したのです。一部の国々は現地の意向を無
       視して軍の派遣に踏み切りました。まるで手柄を競っているかのようです。英国はすでに勝手に兵力をカ
       ブールに送り込み北部同盟と対立を起こしています。アフガンでは反米感情が強いので米の身代わりに英
       が治安維持の中心を担ってやるとばかり4000人もの大部隊を送る計画です。フランスも遅れじとばか
       り北部マザリシャリフに地上軍を送り込む目論見です。ドイツも積極加担に転換し、3900人派兵と首
       相信任を国会で可決しました。社会民主党も90年連合・緑の党もドイツの海外侵略に積極的に加担する
       ことになりました。これらの派兵はアフガン国内でも国際社会でもまともに検討され合意されたものでは
       ありません。ただひたすら手柄争いのために各国が勝手に先走り、弱ったアフガンにハイエナのように集
       っているのです。
        すでに北部同盟内部の主導権争いが顕在化し、同時に北部同盟と米英初め西側諸国との主導権争いも激
       化し始めています。米英仏主導の国連審議、その国連が主導する「暫定政権構想」、多国籍軍の編成と派
       兵、「戦後復興計画」などをめぐっても対立と矛盾が激しくなっています。自分が主導権を取るために相
       手の計画を邪魔する醜悪極まる競争が行われています。各国の利害、アフガン国内の軍閥の指導者達の利
       害だけが先行しているのです。これまでと同じ事が再び繰り返されようとしています。その度に振り回さ
       れるアフガンの人民こそ、そうした西側諸国の政治ゲームの最大の犠牲者です。