これは私逹に何をいはんとしているのか?

 
 この長いインタビュウが記録された時、ハロルド・ウォーレス・ローゼンタール
は、ニュウヨークの上院議員、ヤコブ・K・ジャビッツの祕書官で、二十九歳であつ
た。彼は一九七六年八月十二日、トルコのイスタンブールでイスラエル旅客機ハイジ
ャック未遂事件で亡くなつた。

 ローゼンタールが「あまりにべらべら喋り過ぎた」事は明らかであろう。何故なら
ハイジャック未遂事件で四人の死者と三十人の負傷者が出たが、でたらめに打たれた
一発の彈で亡くなつた訳ではないからだ。その時入手された報告書を読むと、この事
件に卷き込まれた全乘客の中でローゼンタールが致命傷を負つていたのは驚きであ
り、竒妙にも思える。この極祕インタビュウを行なつた私、ウォルター・ホワイトは
たくさんの調査と取材から今こう斷言出來る。ハロルド・ローゼンタールはハイジャ
ックのように見せかけられ、間違いなくイスタンブール空港で殺されたのだ。恐
らく彼自身の民族の手によつて(注五) 。

 私逹はこの悲劇を十分被つたローゼンタール家の人々は勿論、誰も傷つける事を望
まなかつた。私逹はフィラデルフィアにいる彼の兩親とカリフォルニア北部の大学に
在席中の弟、マーク・デイヴィッド・ローゼンタールと連絡を取つた。実際、ワシン
トンの彼の友人逹がハロルド・W・ローゼンタールの名前で記念基金を作つたと教え
てくれたのはその弟だつた。彼は私逹に『国際関係ハロルド・W・ローゼンタール奬
学金』のコピーを送つてくれた。問い合はせ先は、郵便番号二〇〇〇六、ワシント
ン、N・W通り十八番地八百十八号、米国ユタヤ人委員会ワシントン支部である。それ
は人名事典にも載つているし、その名譽会長はウォルター・F・モンデール副大統領
とヤコブ・K・ジャビッツ上院議員である。

 ハロルド・ウォーレス・ローゼンタールの死から一年が過ぎるまで、私逹は彼に敬
意を払い、忘れられない昼夜に話してくれた話の一部始終について出版を延期する事
にした。先ほど述べたようにそのインタビュウは長い。彼はこの情報を漏らすのを樂
しんでいるかのようだつた。話は時々途切れたが、それは夕方まで続いた。

 この筆者兼編集者である私は簡単には驚かない方であるが、利己主義者、ハロル
ド・W・ローゼンタールが延々と喋り続けている時、彼が祕密の一部でしかないと認
める事柄でさえ、そのほとんどが実に恐しいものであると思つた。彼はユタヤ人の世界的陰
謀の明らかな成功について、さも嬉しそうに微笑んでいるようだつた。今話してきた
事は最長老[編注、当選回数の多い]上院議員の一人、ニュウヨークのヤコブ・K・
ジャビッツの祕書官から聞いた話である。

 あなたが今読もうとしているものは世界中の全ての非ユタヤ人に対して警告となる筈
である。それはうまくいけば、ワシントン政府内の彼を知る多くの人々の目を開かせ
る筈である。

 彼が暴している事が作り話でないという事が全く明らかに成る。それは空想では
ない! 彼は知つたかぶりをしていつたのではない。智識と知性に基づいて話してい
たからだ。これまでユタヤ人の統一世界の陰謀についてたくさんの事がいわれ、そして
たくさんの事が書かれてきたが、これ程公然と述べられた事はなかつた。それはその
空想を呆然とさせる程凄いものだ。彼等の計画は衝撃的で、多くの人々はこの文書の
内容に驚愕するだろう。そのような事はこれまで語られた事が全くなかつたからだ。

 私逹は詳細を述べようと思わない。あなたに判斷して欲しいからだ。

 このインタビュウを振り返り、ハロルド・ローゼンタールの率直な言葉を分析する
と、彼は自尊心が強く、自信家にも拘わらず、大変物知りな人物であると思わざるを
得ない。彼はきつと自己中心的な利己主義者であると私は分析する。彼の殘忍さは
時々毒舌となつて現れる。彼が愚かだというキリスト教徒の話や、「ゴイ」の話をする時
は特に。「ゴイ(ユタヤ教徒から見て異教徒)」とは、しばしば彼が私逹に対して用い
る言葉であるが、この事は私を驚かせた。というのはゴイという言葉は私逹の言語に
はないし、彼はこの事を知つていたに違いないからである。彼の心はユタヤの世界統一
計画に完全に夢中になつていた。傲慢にも彼はキリスト教徒の愚かさのおかげでユタヤの世
界征服は、ほぼ完璧であると自慢した。
 
 

 (注五) 『国際的ユタヤ人にとつて、真実ほど恐いものはない。そして自分逹の、或い
は自分逹の計画に関する真実を示唆する物も同樣に。』「国際的ユタヤ人」一卷、二百
頁目 。