No.25

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プロトコール 二十一
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    内国債。債務と税金。書替え。破産。貯蓄銀行と国債。取引所廃止。産業価
      格法。

 前回の集まりで述べたことに、今回は内国債について細かい説明を付け加えたい。
外債については、重ねて申し上げることはない。外債のおかげで、われわれはゴイム
政府からたんまり稼がせて頂いたが、われわれの政府においては外国人がいない、す
なわち、国外というものがないのである。
 われわれは行政官の腐敗と支配者の怠慢に乗じて、ゴイ政府には少しも必要でない
金を貸して、その二倍、三倍、さらに数倍をわれわれの金庫に収めた。いったい誰が
われわれをそんなにしてくれたのか?……そこで、私は内国債について詳しくお話し
しようと思う。

 政府が政府の為替手形すなわち利付き債券の購入者を公募したとする。額面は小口
大口いろいろ設けられ、早くから申し込んだ予約者には額面よりも割引いた金額で売
る。が、翌日になると、小細工を弄して、何しろ購入者が殺到したので、という口実
で値上げする。数日後に大蔵省の金庫はあふれんばかりで、予定額をはるかに超過し
たと言う(それなら、なぜ国債を発行したのか?)。 予約額は債券発行額の数倍にも
達したと発表される「「国債に対する信用を示そうというのである。

 こんな芝居は芝居ですむが、新たに発生した債務をどうするのかという問題が起こ
る。途方もない額の債務が生じたのである。利子を払うには、その財源に新たな債券
を発行する必要がある。新たな債券は元利を清算するのではなく、ただ単に新たな債
務を上乗せするだけである。政府の国債発行の限度を超えたら、新しい課税で取り立
てる必要が生じる。それも国債整理のためではなく、ひたすら利払いのためである。
新税はひたすら借金のための借金となる……

 そのうち債券書替えの時期がやってくる。だが、これとても利率を下げることはで
きても、債務をなくなしてしまうわけではない。それだけではなく、債権者の同意が
なくては書替えはできない。書替えにあたっては、同意しない人々には金を返済する
と公告する。もしも誰も彼もが、書替えは嫌だ、金を返せと言ったら、支払い不能に
陥ることは火を見るよりも明らかであり、政府は自ら墓穴を掘ったことになる。幸い
にもゴイ政府の臣民は経済のことはとんと事情にうといから、金を新しい事業に投資
して利が落ちるよりも書替えで利が薄くなる方がまだましだと思って同意する。かく
して臣民は数百万という政府の債務を穴埋めすることに協力してやる。

 今日では、ゴイムといえども外債でこんな芝居を打つことは、ごまかしが利かない
ことが判ってきた。われわれが全額払戻しを請求することが判ったからである。
 このようにして明らかな破産倒産状態が生じ、人民の利益と支配者のそれとは一片
も共通する所がないことが明々白々となった。

 今お話したこと、これからお話することには格別の留意を払っていただきたいので
あるが、内債は今日ではいわゆる短期公債、すなわち、多かれ少なかれ期間の短いも
のに整理されているという点である。これらの借金は貯蓄銀行に収納され資金として
確保される。政府はこの資金を外債の利子支払いに当て雲霧消散させてしまい、その
穴埋めに同額の公債を当てているのである。
 ゴイムの国庫からの資金漏出をとりあえず穴埋めしているのは、実にこれらの短期
国債なのである。

 われわれが世界の王座に昇る時は、われわれの利益に反するかかる財政上の窮策を
痕跡も残さず一掃し、併せて金融市場をすべて廃止する。われわれの権威は価格変動
に左右されるべきではないから、価格上昇も下落もできないように、法令をもって価
格というものを固定してしまう。(価格を吊り上げるのは落とすためであり、実にこ
の方法によってわれわれはゴイムとの関係の初期にかれらを弄んだのである)。
 われわれは金融市場に代えるに政府による大規模な国立信用取引所を設ける。その
目的は、政府の意図する通りに産業生産物の価格を設定することにある。

この組織は
一日に五億の産業証券を出してやり、また同額を買い取ることができる。この方法に
より全事業がわれわれに従属するようになる。このことがいかなる力をわれわれに与
えるか、諸氏は御自分で想像していただきたい。