NO.14

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プロトコール 十
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「
    政事のうわべ。狡猾の天才=Bメーソンのクーデタは何を約束するか?
      万人の苦難。個人尊重。メーソンの指導者。メーソン指導の天才。機関
      とその機能。リベラリズムの猛毒。憲法「「党派混乱の学校。共和国の
      時代。大統領「「メーソンの人形。大統領の責任。パナマ事件=B閣
      僚と大統領の役割。メーソン「「立法機関。新共和国憲法。メーソンの
      専制への移行。全世界王$骭セの瞬間。予防接種とその他メーソンの
      ウイルス。

 本日は前の話と重複することから始めるが、記憶に留めていただきたいのは、各国
政府と人民は政事のことはうわべだけしか見ないで満足しているということである。
実際のところ、どれほどゴイムは、かれらの代表者たちが全力を傾けて楽しませてく
れる事の核心を把握しているのか? そのことを細部まで考慮に入れることが、われ
われの方針にとっては最高に重要なことである。

権力の分立、言論の自由、新聞、宗
教(信仰)、法の前の平等な結社の自由、財産の不可侵性、居住、徴税(脱税の考え
方)、法の遡及力を熟慮するようにすれば、得る所が多いであろう。これらの問題は
すべて、直接手を出したり人民の前であからさまにすべきではないような事どもであ
る。どうしても直接触れなければならない際には、明確に言い切ってはならない。現
在の法についてのわれわれの原則的な考えを微に入り細に穿って語ることなく、単に
さらりと言ってのけるだけに留めなくてはならない。

なぜ沈黙を守らなければならな
いかというと、原理を明かさなければ、われわれは行動の自由を確保しておいて、か
れらの注意を惹くことなくあれこれとそらせるが、一部でも明言してしまうと、たっ
た一言だけで何もかも与えてしまったことになるからである。群集には一種特別な癖
があり、政治力のある天才を尊敬し、そのような人物の悪徳行為に対しては賞賛をこ
めてこう言う、「ずるい! ほんとにずるい。だが、頭がいい!……ペテンだ。しか
し、なんだな、うまいことやったもんだな、どえらいこと仕出かすもんだ、大胆極ま
りないぜ!」

 われわれは、すべての国々を新たな重要な機構、われわれが練り上げてきた計画に
惹きつけることを期待する。これが、何をさておいても、われわれが武装し、力を貯
え、不退転の意志と絶対的な大胆さを身に付けなければならない理由であり、これが
わが活動家たちの手でわれらの行手を遮るものすべてを粉砕することに役立つのであ
る。
 われわれのクーデターが成功した暁には、われわれはさまざまの階層の人々にこう
言うだろう。「何もかもが恐しく悪くなり、すべてが我慢できない状態に陥ったが、
われわれは諸君がこうむっている苦痛の原因「「民族心、国境、身分の違い「「を根
絶しつつある。もちろん、諸君がわれわれを断罪するのは自由である。だが、われわ
れが提供するものに挑戦もしないうちに断罪するとしたら、それはちょっと大胆過ぎ
るというものではないか」……すると群集はわれわれを讃え、希望と期待にふくれ上
がり全員こぞって手を差しのべ、われわれを激励し、われわれを讃える。

人類の一番
小さな成員グループにも、グループごとに集会を催させ同意を取り付けてきた選挙と
いう、われわれが揃えてきた道具立てを使って、われわれは世界王の座に就く。この
ような選挙が、われわれの目的に役立ち、最終的にはわれわれに有罪宣告を下す前に、
全員一致でわれわれともっと親しくなりたいと望むようになる。

 以上のことを確保するには、絶対的な多数を獲得すべく、階級や資格の別なく万人
に投票させなければならない。知識人や有産者階級だけでは絶対多数は獲得できない。
このように、自分個人が第一という考えを全員に植え込むことによって、ゴイムの家
族主義や家庭教育尊重心を粉砕し、癖のある考え方の人間は引き離して一掃してしま
う。われわれが操る群集は、かれらを第一線に立たせないし証言の機会すら与えてや
らない。群集は、従順に応待すれば見返りがあるわれわれの話を聞くことだけに慣ら
される。このようにして、群集の指導者としてわれわれがかれらの頭に据えてやった
代理人の指導なくしては、どんな方向へも一歩も足が踏み出せないほど総員を一大盲
目力に仕上げるのである。

人民は新しい指導者たちが自分たちの生計、報酬、あらゆ
る種類の利益になることを握っていることが判るから、この方式に服従する。
 政府の計画というものは、一人の頭脳で万端出来上っているべきである。なぜなら
ば、多数の頭で部分部分をばらばらに作らせると、決して確固不動のものにはならな
い。それゆえ、われわれは行動計画を知っているのは良いが、その巧妙さ、各部分の
緊密な連関性、各要点の隠れた意味を破壊しないようにするには、討議してはならな
い。度重なる投票という手段でこの種の労作を討論し修正を加えることは、邪推と誤
解の烙印を押すことになり諸計画の進行と結びつきを妨げる。

われわれは計画が強力
に適切に仕組まれることを欲する。ゆえに、われわれはわれわれの指導の天才の労作
を、群集やあるいは特別な団体にすら毒牙にかけさせてはならない。
 これらの計画は現存する諸団体をまだ転覆はさせないだろう。それらの経済を変化
させるだけで、それによって進歩の動きを全体的に結び付け、われわれの計画に従っ
た道に導くのである。
 

 すべての国々には名前は似たり寄ったりだが、内実は同じものが存在する。議会、
内閣、立法府、評議会、司法府、行政府などである。こういった機関の相互機能を説
明する必要はない。なぜなら諸兄はどれも御存知のものだからである。が、一つだけ
注意しておきたいのは、ここに名を挙げた機関は、国家の中ではある重要な役割を担
っているという点である。この重要な≠ニいう言葉に御留意願いたい。これは機関
のことを指しているのではなく、その機能のことを言っているのである。これらの機
関はいくつもの部分に分れていて、その全体で政府という機能「「行政、立法、司法
「「を果たしている。そこでは、分割された機関は人体の臓器に似た働きをするよう
になっている。もしも国家機構の一部を損傷すれば、国家は病気にかかり、死ぬこと
になることは人体と同様である。
 

 われわれが国家機関にリベラリズムの毒を注ぎ込んだら、その政治複合体全体があ
る変化を起こし、国家が不治の病い「「敗血症「「に犯され、あとは悶絶死という終
焉を待つばかりである。
 リベラリズムは立憲国家を作った。それはゴイムにとっては唯一の安全装置である
専制国家に代るものであった。よく御存知のように、憲法は混乱、誤解、争論、見解
の相違、各党派の実りなき煽動等の一切合切の学校「「一言にして言えば、これら何
もかもが国家の機能を破壊する学校以外の何ものでもない。「おしゃべり屋」連中の
手助けをする護民官は、ほかならぬ新聞である。新聞屋は支配者に怠慢無能の烙印を
押し、よって無益無用であると断罪した。実にこのために多くの国々で支配者が退位
させられたのである。その時であった、共和国時代到来の可能性が見えたのは。その
時であった、われわれが支配者に代えて政府の似顔絵「「群集、すなわちわれらが奴
隷、われらの人形たちの中から拾い上げた大統領「「を置き換えたのは。これはゴイ
人民の地下に仕掛けられた地雷であった。敢えて申し上げるが、ゴイ人民の地下に、
である。

 近い将来、われわれは大統領を責任のある役職にするであろう。
 その時までに、われわれは表向きの役には就かず、われらの人格なき人形たちに責
任を負わせ続けるだろう。権力亡者がだんだん少なくなったとしても、われわれの知
ったことではない。大統領のなり手が少なくなり暗礁に乗り上げるとしても、暗礁が
あろうがあるまいが、国家は最後には崩壊に向って行くのである。
 われわれの計画が然るべき成果を挙げるためには、パナマ汚職事件その他のような、
過去に隠れた古傷を持っている候補を選んで選挙に臨む「「すると、そういう連中は
旧悪を暴露される怖さと権力を得た者の常で、すなわち、大統領の地位に付きものの
特権と名譽を失うまいとして、われわれの計画達成の当てにしてよい代理人となるの
である。

[フランス議会の]下院は、大統領を選出し、援護し、保護するであろうが、
われわれは新法案を提案したり既成法案を修正したりする権限を奪ってしまう。とい
うのは、この権限は責任ある大統領、われらの手中にある傀儡に、われわれが与える
のである。そうすれば事の成行きとして、大統領の権威は四方八方から攻撃の的とな
る。だが、われわれは自己防衛の手段として、人民に呼びかける権限、代議員たちの
頭越しに直接人民に呼びかけて決定させる、すなわち、大統領といえども一員である
盲目の奴隷「「群集の大多数「「に呼びかける権限を彼に確保してやる。そのことと
は別に、われわれは大統領に宣戦布告の権限を与えてやる。それには、国軍の長であ
り新共和国憲法の責任ある代表者たる大統領は、新共和国憲法防衛の際に備え、軍を
自由に動かせなければならないと、説明しておく。
 

 容易に理解されるように、この状況下にあって祭壇の鍵を手中にしているのはわれ
われであり、われわれ以外の何者にも断じて立法権を行使させない。
 その他に、新共和国憲法を成立させたら、政治的機密保持という名目で政府の処置
に対する議会の質問を一切封じる。その上、新憲法によって議員の数を最少限に抑え、
それに比例させ政治的煽動と政治熱を減らす。だが、めったに起こることではないと
は思うが、もしも最少限に縮小された議会が反抗の火の手を挙げるならば、われわれ
は即刻全人民という絶対大多数に直接檄を発して議会を廃棄するであろう……大統領
は上下両院の議長・副議長の任命が杖となる。

通常の議会の会期とは異なって、議員
の任期を数ヵ月に縮める。その上、行政の長である大統領には、議会召集解散の権限
を持たせる。特に、解散した場合は、新議員任命を延期できるものとする。しかし、
われわれの計画がまだ熟成していなくて、実際には非合法の状態でこれら一連のこと
を全部実行して、なおかつわれわれが立てた大統領に全責任を負わせないためには、
大統領周辺の大臣や高官を教唆して、かれらが自分たちの裁量でやったことであり、
かれらを身代りにして責任を取らせることで、大統領の責任を回避させる……この件
に関しては、われわれは特別に上院、最高行政裁判所、閣僚会議に役割を与えるが、
一個人には勧めない。

 大統領は、幾通りにも解釈できる法律の意味を、われわれの意図する通りに解釈す
るであろう。大統領はさらに進んで、われわれが廃止の必要を指示すれば、法律を廃
止することもやるだろう。その他に、大統領は臨時法を、また、国利国益のためには
これが必要だと言いつくろって、憲法の枠から逸脱した新しい法案すら提案する権限
を持つだろう。

 かような手を打っておくと、少しづつまた少しづつ、一歩一歩と破壊する力が働い
て、われわれが諸権利を手に入れた当初、ことごとくの憲法を気付かれないうちに無
効にさせるために憲法の中に隠し据え、ねじ込んでおいたものすべてが、われらの独
裁政権があらゆる政体の政府を束ねる日を到来させるのである。
 憲法廃止以前にわれらの独裁者が認められるかも知れぬが、その秋が来ればそれま
での支配者たちの無能無策に「「われわれが仕組んだことであるのだが「「業を煮や
した人民たちは、大声で叫ぶだろう。「奴らを追放しろ、世界を治めるのは一人でい
い。おれたちをまとめて争いの種をなくしてくれ「「国境、民族、宗教、国債、そん
なものは御免だ「「平和と秩序をくれ、今までの支配者や議員が決してくれなかった
平和と秩序を!」

 だが、諸氏は完璧に理解されていると思う、すべての国々でこのような叫びを挙げ
させるには、すべての国々で、紛争、憎悪、闘争、羨望、さらに拷問、さらに飢餓に
よって、人間性が疲労困憊の極に達するまで、人民と政府との関係を悪化させること
が絶対不可欠であることを。これら悪の予防接種を施すことによって、また欠乏によ
って、ゴイムは金銭その他すべてのことにわたってわれわれの支配下に入る以外のこ
とは考えなくなる。
 ただし、もしも世界の国民にホッと一息でも入れさせるならば、われわれが渇望す
る時は九分九厘到来しないのである。