第一は、悪どい成金王朝という悪い評判を、一挙に気前のよい慈善家、というイメージに変えることができる。
第二は、強盗殺人、欺瞞、詐欺などおよそ考えられる限りのすべての刑事犯罪によって獲得した資産を、財団という安全地帯に保待することができる。
第三は、毎年の利益の大部分を財団に回すことによって、税金を限りなくゼロに近づけることができる。
第四に、各種企業の株式を財団が所有することによって、アノリカの(ひいては全世界の)経済を支配する闇の力とすることができる。
第五に、ロックフェラーは、大学、教育機関(財団)に寄付することによって、学界、教育界をコントロールする権力を得た。この手口で、もっとも有名なものは、一八八○年代の終わり、のちのシカゴ大学となったバプテスト系の大学の設立である。「神は私に金を与えた。その金がシカゴ(大学)にいくのを私は止めることはできなかった」などと、彼はシカゴ大学評議会で演説している(ダニェル,ヤーギン著「石油の世紀』日本放送出版協会)。そっくり同じことが、すでに一九世紀に、ロスチャイルド王朝によって首尾よく実施されていた。二○世紀初頭にロックフェラーがアメリカでそのあとを追ったのだ。