3. ユダヤ世界帝国の皇帝・ロスチヤイルドの系譜

世界各国民を敵手とするうえでは、当然ながら効率的な支配システムが必要とされてくる。彼らユダヤ人が求めたそれは〃金〃であった。ここに、〃世界支配を狙うユダヤ七大財閥〃が立ち現われてくる。さきのクレミューが「地球上に存在するいっさいの富をイスラエル人のみの所有とする日は、まったく遠くはない」と演説した一八六○年に、すでにユダヤ世界帝国が秘密のうちに構築され、その皇帝もまた実在していた。その皇帝とは、ロスチャイルドである。ロスチャイルド家の歴史は、それほど遠くさかのぼることはできない。表舞台に登場する最初のロスチャイルドは、ドイッ(ヘッセン)のフランクフルト市に生まれ(1743年)、そこで死んだ銀行家メイヤー・アムシェル・ロスチャイルドである。

ロスチャイルドー世(メイアー・アムシェル)は、このウイリアム九世の財産の
一部を横領したのだ。これが、ロスチャイルド家の財産の基礎である。ノイアー・アムシェルは、一七七○年に、グーテル・シナーペルと結婚し、五人の息子と五人の娘ができた。長男アムシェル・メイアー(一七七三−一八五五年)はフランクフルトにとどまり、次男ソロモン・ノイアー(一七七四−一八五一年)はウィーンに派遣され、三男ナターン・ノイアー(一七七七〜一八三六年)はロンドンヘ、四男力−ル・メイアー(一七八八〜一八五五年)はナポリに、五男ヤコプ(ジェイムス)・ノイアー(一七八八〜一八六八年)は、パリに、それぞれ、ロスチャイルド財閥の確固たる地盤と巨富を築いた。なかでもメイアー・アムシェルが死んだとき、彼は「吉今未曽有の世界最高の財産」を残したといわれる。これが、ユダヤ世界帝国の最初の挑躍台となったのだ。アムシェル(ロスチャイルドー世=皇帝)が死ぬと、ロンドン支家の三男、ナターンがあとを継いでロスチャイルドニ世となった。ナターンの死後は、アムシェルの五男、パリ・ロスチャイルド家の創設者、ジェームス(男爵)が後継者(ロスチャィルド三世)に選ぱれた。そのあとは、男爵アルフォンス(四世)、ジェロボーム(のちジョルジ・マンデルと改名、五世)と続いているらしいが、そのあたりから闇の中に包まれていく。『プロトコール』は、このロスチャイルドの支配と指導を表現しているのだ。