◆編集後記◆「獣の国アメリカの空爆」2001/12/8

現代の時代、終わりの時代を理解する時に一つ重要なことは、
新聞、テレビ等の主要マスコミが彼等の手に押さえられてしまい、
もうほとんど、「彼等の宣伝機関」と化してしまっているということです。
勿論、この国のマスコミのことをいっているのです。

ですから、現在アフガンで起きていることに関してもこれらのマスコミ
だけでは、真実が見えてこないと思われます。
しかし、ダニエル書に書かれているように現在、この「獣の国と10本の角」は、東、すなわち、アジ
アの破壊を目指ししかも今実現しつつあるのです。
そして、「従う3つの角(イギリス、ドイツ、フランス?)」の預言も成就しつつあるようです。
我々は正しい報道をさがし、この事実を正確に理解しなければなりません。

この「獣の国」の蛮行に関して、「アメリカの報復戦争と日本の参戦に反対する署名事務局 」HPより
の記事を引用します。

ー以下引用ー
 
 
 

   無法・不法な侵略で主権国家アフガンを崩壊させた責任は重大。
  ついにタリバン政権は崩壊しました。アメリカは何の正当な理由もなく貧しい一個の独立した主権国

  を一方的に侵略し、空爆と一般市民の殺戮を繰り返したあげく崩壊させたのです。今こそアメリカ
の侵略 性とどう猛さを告発し糾弾しなければなりません。アメリカこそテロ国家です。
        
アメリカとブッシュ政権の責任は重大です。アメリカに加担しているイギリス、日本やNATO
諸国を
       初め西側諸国が主導する「国際翼賛体制」なるものの責任は重大です。一個の主権国家が「怪し
い」「匿 った」というだけで潰されたのです。何の理由も根拠もなしに軍事力で叩き潰されたので
す。私た
ちは、
       侵略した側、国際法を蹂躙した側が我が物顔で大手を振ってばっこする現在の異常な状況を断じて

許すこ とができません。ベトナム戦争を取り上げるまでもなく、アメリカによるあからさまな侵略行
為が
何の責
       めも負わされないという歴史をもうこれ以上積み重ねさせてはなりません。アメリカに逆らえばと

んでも ない仕返しを受ける。黙ってアメリカに従うほかない。逆にアメリカに従えばドルをもらえ
る、援
助をし てもらえる。そういう風潮をはね除けなければなりません。アメリカに逆らえば理由もなく国
際法
を蹂躙
       してでも攻撃され崩壊させられるという「アメリカの世界覇権」を弾劾しなければなりません。
        私たちは何よりもまず、タリバン政権の崩壊に当たって、一つの主権国家アフガニスタンを崩壊

させた
       という事実そのものについて、アメリカとそれに加担した諸国全体−−もちろん日本政府も含めて

−−を
       糾弾し、その責任を追及します。
        アメリカと侵略国は、タリバン政権を崩壊させた責任だけではなく、これからアフガニスタンで

起こる
       であろう悲劇と困難の全責任を負うべきです。

       米の空爆は一段と残虐な殺戮行為をエスカレートさせている。
        米英軍の侵略はまだ終わっていません。むしろ空爆も地上での戦闘も各地で激しさを増していま

す。私
       たちは、米英に対し、いわゆる「多国籍軍」に対し、アフガニスタンに対する攻撃を直ちにやめる

よう要
       求します。
        アメリカはタリバンが撤退先にした南部のカンダハルや北部クンドゥズ州に対する徹底した空
爆、無差
       別殺戮を強め、タリバン勢力壊滅とアルカイダ=ビンラディンに対する掃討作戦を強行していま
す。アメ
       リカは更にウズベキスタンとタジキスタンにF15EやA10など空軍の攻撃機を新たに配備し、

空爆を
       強めようとしています。
        北部のクンドゥズ州では、タリバン兵に対する「投降」交渉が突如うち切られ、立てこもるタリ

バン兵
       士に対する攻撃が開始されました。アメリカはタリバン兵に加わる数千人のアラブ人や外国人志願

兵をテ
       ロリストと決めつけ、捕虜にせずアフガンで抹殺すると意向です。この攻撃開始は「アラブには出

ていっ
       てほしい」のが「本音」の北部同盟を、アメリカの意向に従わせたものです。まさに投降なき大量

虐殺が
       始められようとしています。捕虜にすることを認めず、裁判にもかけずに一方的に「死刑」にする

野蛮極
       まる行為です。
        また、米軍は11月21日にカンダハル郊外に3発目の燃料気化爆弾を投下しました。都市近郊に核

兵器に
       つぐ威力を持つ爆弾を投下し、1キロ以内の兵士、住民を殺し尽くしています。大量殺戮兵器の使

用を禁
       じた国連人権委員会決議さえ踏みにじるものです。しかし、これらはアメリカの卑劣さ、どう猛さ

のほん
       の一例に過ぎません。

       飢餓と難民の危機はまだ去っていない。一部ではむしろ深刻化している。
        北部同盟の支配地域の一挙拡大で、食糧危機、飢餓と餓死者急増の危機はひとまず去ったと言わ

れてい
       ます。しかしそれは意図的にねじ曲げられた誤った報道です。カブールや西側報道機関が多数入っ

た主要
       都市では、確かにそうかも知れません。ところが現に食糧や物資の補給は極度に滞っているので
す。世界
       食糧計画やユニセフなど、アメリカべったりの国連機関でさえ、事態の深刻化に警鐘を鳴らしてい

ます。
       無数の地雷や米軍の不発弾だけではありません。情勢が不安定化し無政府化しているために、食糧

の略奪
       が頻発しているのです。戦闘が続いている地域だけではなく、北部同盟が支配したと言われる地域

でも大
       混乱しているのです。当然でしょう。軍閥にとって食糧は兵力調達のエサなのですから。
        難民、国内避難民の帰還もスムーズに進んでいません。日本や世界各国のNGOが懸念し、私た

ちも訴
       えてきた飢餓と凍死の問題は、結局何の解決も見ていないのです。アメリカや西側諸国が熱心なの

は、ビ
       ンラディン暗殺とイラクへの攻撃、「新政権に向けた駆け引き」だけであり、アフガンの民衆の生

命では
       ないのです。タリバン政権崩壊前に、特別に強調した飢餓と凍死の危機を今こそ声を大にしてアピ

ールし
       ていきたいと思います。

       マス・メディアの国際的な世論操作を暴かねばならない。
        空爆の被害も、飢餓や難民の被害も、タリバン政権の崩壊で突如なくなってしまったかのような

報道が
       幅を利かせています。私たちは米英が独占するマス・メディアによる国際世論の操作を批判しなけ

ればな
       りません。私たちがいま見る新聞やTVでは、南部でのタリバンの降伏、カブールの解放感に満ち

溢れた
       映像、新政権をめぐる駆け引きに焦点が当てられています。しかしこれらは全体のごく一部に過ぎ

ませ
       ん。騙されてはなりません。
        空爆が強められた南部では市民の犠牲を無視した無差別爆撃が強められています。タンクローリ

ーをね
       らい打ちし、食料輸送車や民間トラックなど動くものなら何でも破壊する無差別の攻撃が強められ

ていま
       す。11月19日には北部クンドゥズ地方で1000人が死亡したと言われています。カブールや

その他
       の地域からカンダハルに撤退途中のタリバン兵を空爆で狙い打ちにする映像は目を覆うばかりで
す。それ
       をわざわざ米軍当局が記者会見を開いて報道陣に自慢するわけです。サディストの世界そのもので

す。し
       かしこれらはほとんど報道もされないし、非難もされません。湾岸戦争でイラク軍の撤退を狙い打

ちにし
       て10万人、20万人のイラク兵を、文字通り焼き尽くした惨い仕打ちを思い出させます。かかる

残虐な
       仕打ちを何の批判もなしに、何の躊躇もなしに報道し平気でいられる米国内の雰囲気にゾッとする

のは私
       たちだけでしょうか。
        いま盛んに米欧日の西側メディアは、タリバン崩壊後のカブールの喜び、解放感を伝えていま
す。ブル
       カ、ひげ剃り、たこ揚げ、音楽、映画、ブロマイドなど。これらのうちの幾つかはすでに今年に入

ってタ
       リバン政権下で散見されるようになったことを米欧の報道機関は何も言いません。もちろんこれに

はタリ
       バンの圧制からの解放という事実もあるでしょう。しかし同時に、米英軍に理由もなく空爆で殺戮

された
       り、空襲に耐えなければならなかったことからの解放感でもあるのです。マスコミは「もうどんな

戦争で
       もいやだ」という素直な気持ちを、自分たちの戦争は正当だという宣伝に意図的に政治利用してい

るだけ
       なのです。
        私たちは、隠された報道統制の下で進行中の恐ろしい事態、アメリカによる大量虐殺を放置して

はなり
       ません。

       私たちはイラクへの攻撃と侵略に反対する。
        アフガニスタンの戦争もまだ終わらない段階から、アメリカは再び次の獲物に飛びかかろうと準

備を始
       めました。ブッシュ大統領や軍当局者はアフガンに続いてイラク攻撃を示唆し始めたのです。「ビ

ンラデ
       ィンやアルカイダに関係なくても攻撃する」「テロとの戦いは始まったばかりだ」と。タリバンを

潰した
       ことで完全に調子に乗っているのです。
        この発言を聞いて私たちは、ますます小泉政権に対する反戦平和運動を強化しなければという気

持ちを
       強くしました。小泉政権はアメリカのイラク侵略にまで加担するのか、一体どこまでアメリカに追

随する
       のかと、空恐ろしくなるばかりです。と同時に、こうしたアメリカ政府とペンタゴンを調子に乗ら

せ増長
       させたのは、小泉政権を初めとする西側政権なのです。このことも忘れてはなりません。
        それにしても呆れ返ります。一体これはどういうことでしょう。これほど今回の戦争の本質を示

してい
       る言辞はありません。とにかくテロなど口実にすぎないのです。アフガンにもこんないい加減な理

由で攻
       撃したのでしょう。タリバンの圧政やアフガン女性の抑圧も正当化の口実に過ぎなかったというこ

とで
       す。本当はアメリカの気に入らない、言うことを聞かない政府を滅ぼすことが目的なのです。

       中東・南アジア地域に居座る米軍・多国籍軍と石油・天然ガス利権。
        ペンタゴンに強い影響力を持つ軍事専門家が言います。「我々が、中東・南アジア地域に圧倒的

な規模
       の兵力を築き上げていることを忘れていけない。周辺地域には米軍の4空母機動部隊に英軍の空母

もい
       る。タジキスタンには空爆出撃に使える基地もある。ブッシュ政権がアフガン攻撃だけなら不必要

なほど
       の軍事増強をやってきたのは、中東、それもイラクに対する軍事作戦を当初から考えていたから
だ」と。
       しかも「継続的に実施しなければならない」と言うのです。
        米英を初め西側諸国の軍隊の常駐体制が、中東・南アジア地域に構築されようとしているので
す。もち
       ろん欧州諸国はイラク攻撃にまだ慎重ですが、いずれ何らかの恰好で関与するはずです。
        少なくとも、こうした西側諸国の積極介入の裏側には、カスピ海と中央アジアの石油と天然ガ
ス、そし
       てパイプラインの利権があるのは間違いありません。石油・天然ガスをめぐる「グレート・ゲー
ム」が始
       まっていると考えて良いでしょう。

       広がる群雄割拠と無政府状態。差し迫る内戦の危機。
        タリバン政権が崩壊して新たに出現したのは内戦と無政府状態の危険です。大小様々な軍閥支配

の群雄
       割拠、部族支配、最大の軍閥の連合体である北部同盟の支配の復活であり、1994−96年の内

戦時代
       の殺人集団の支配の再現です。これらの軍閥は民衆の支持にではなく、アメリカ、ロシア、パキス

タン、
       イラン、インド等々の国から武器や物資を供給され、これらの国の権益や利害や政治的意向を反映

する私
       兵的なグループです。すでにそれぞれのグループが勝手な思惑を露骨にし始め、全国各地で無政府

状態・
       無法化状況が生じています。マスコミは北部同盟の勝利を恐怖政治からの解放であるかのように描

いてい
       ますが、彼らこそカブールで支配権を巡って殺し合い、恐るべき破壊と荒廃と虐殺の恐怖をアフガ

ンにも
       たらした張本人なのです。
        北部同盟がカブールを初め首都と主要都市を支配したといっても中央の政治権力はまだありませ

ん。中
       央権力を樹立するには、「中央政府」と同時に、軍隊と警察と裁判所を中心とする「治安弾圧機
構」の統
       一が不可欠なのですが、武装したいくつもの軍閥が拮抗する中でこうした機構を作り出すのは不可

能に近
       く、外から人為的にアフガン全体を安定させることなど無理なのです。彼らが再び主導権争い、勢

力圏争
       いを繰り広げ内戦に再突入する可能性は非常に大きいと言って良いでしょう。国連や西側諸国さえ

他民族
       に対するエスニッククレンジング(民族浄化)や大量虐殺の危険を危惧しているのです。すでにタ

リバン
       少年兵数百人が虐殺された、カブールのパシュトゥン人が恐怖の中で生活していると伝えられ、そ

の兆候
       は現れています。外国人記者の殺害をはじめ強盗・殺人が頻発し、治安秩序の不安定化・崩壊が始

まって
       います。

       米欧日など西側諸国、ロシアと中央アジア、イランなど周辺諸国による露骨な介
       入と干渉。
        今になってアフガンに対する軍事行動での競争が欧州各国の間で始まりました。首都カブール陥

落など
       戦況の急変を見て欧州各国は派遣部隊を急いで送ることを決定したのです。一部の国々は現地の意

向を無
       視して軍の派遣に踏み切りました。まるで手柄を競っているかのようです。英国はすでに勝手に兵

力をカ
       ブールに送り込み北部同盟と対立を起こしています。アフガンでは反米感情が強いので米の身代わ

りに英
       が治安維持の中心を担ってやるとばかり4000人もの大部隊を送る計画です。フランスも遅れじ

とばか
       り北部マザリシャリフに地上軍を送り込む目論見です。ドイツも積極加担に転換し、3900人派

兵と首
       相信任を国会で可決しました。社会民主党も90年連合・緑の党もドイツの海外侵略に積極的に加

担する
       ことになりました。これらの派兵はアフガン国内でも国際社会でもまともに検討され合意されたも

のでは
       ありません。ただひたすら手柄争いのために各国が勝手に先走り、弱ったアフガンにハイエナのよ

うに集
       っているのです。
        すでに北部同盟内部の主導権争いが顕在化し、同時に北部同盟と米英初め西側諸国との主導権争

いも激
       化し始めています。米英仏主導の国連審議、その国連が主導する「暫定政権構想」、多国籍軍の編

成と派
       兵、「戦後復興計画」などをめぐっても対立と矛盾が激しくなっています。自分が主導権を取るた

めに相
       手の計画を邪魔する醜悪極まる競争が行われています。各国の利害、アフガン国内の軍閥の指導者

達の利
       害だけが先行しているのです。これまでと同じ事が再び繰り返されようとしています。その度に振

り回さ
       れるアフガンの人民こそ、そうした西側諸国の政治ゲームの最大の犠牲者です。
 
 

ー以上ー