◆◆編集後記◆◆2000/9/25
◆今週から、水曜版「書記(律法学者)の空しい知恵」として「xるむーx」の連載、
日曜版「ゆxや=バチカンの戦略」として太田龍さんの著作からの連載を始めます。
晴れて毎日発行となる予定ですが、守られるよう、宜しくお祈り下さい。

◆約束の地の真実ー彼らは最悪の隣人◆

神が「約束の地をユダヤ人に与えた」とのシオニズムのことばは、
「鳩のように素直な」しかし蛇のようには聡くない「割とだまされやすい
クリスチャン」にとっては、「すばらしい神の約束の成就」ということに
なるのでしょうが、この国の隠された真実を見ていく時、いくつもの
「?」がわきおこってきます。
ヨーロッパのどこの国でも(悪行のゆえに)嫌われ、嫌悪された「xxや人」はパレスチナ
の地でも「最悪の隣人」ぶりを発揮しています。この地に戻って来た
彼らがそれ以前に1000年以上もの長きにわたってこの地に住んでいたパレスチナ
人とうまくやっていけるなら、彼らは「汝の隣人を愛せよ」との聖書の
ことばを守るりっぱな神の民ということになりますが、現状はそれとは
遠くかけはなれたものです。以下は集英社 「地球のゆくえ」広瀬隆著 
1700円 よりの引用。

ー引用始めー

◆ヘプロンの虐殺事件◆
実は、さきほど挙げた近年のダヤ人問題のリストに、もうひとつの項目を書いて
あった。中東和平の合意が達成されたあとも、バレスチナの不法占領地で暴力行
為を続ける入植者ュダヤ人の横暴な態度という項目である。しかし本書の原稿を
書いているその時に、パレスチナの不法占領地ヘブロンで、入植者ユダヤ人
パルーフ・ゴールドシュタインによる大虐殺事件が起こった。

この問題については、わが国で事件の実態が正しく伝えられていないので、くわ
しい説明が必要である。九四年二月二五日の早朝五時、イスラェルが不法に占領
している都市へブロンで、一年に一度のイスラム教の聖なる断食月〃ラマダン〃の
さなか、およそ八○○人のパレスチナ人が安息日の金曜早朝礼拝をしていたときで
あった。その礼拝堂(モスク)へ侵入したュダヤ人の入植者のパルーフ・ゴールド
シュタインが、頭を床につけて祈っている人たちの背後からイスラェル製のガリル
自動小銃(のちにアメリカ製の可能性が浮上)などを乱射して、礼拝者の少なく
とも四○人以上を虐殺し、負傷者は二○○人近くに達した。モスクを血の海にした
虐殺は、一分間に七五○発の銃弾を発射する自動小銃のほかに、手榴弾も使われた
とされており、最後にはバレスチナ人がゴールドシュタインを取り押さえて、その
場で殴り殺した。

この虐殺に怒るパレスチナ人が、ェルサレムやガザ地区など各地
で抗議行動に出たところ、イスラュル兵が出て銃で制圧し、その日だけで、さらに
二五人以上のバレスチナ人が全土で殺された。モスクの虐殺犯人は、アメリカのニュ
ーョーク・ブルックリンに生まれ、八三年からイスラェルに移住した四二歳の医師
で、ヘブロン近郊のユダヤ人入植地キリヤヅト・アルバに住み、イスラエル軍では
陸軍少佐の肩書を持ち、バレスチナ人を追放するュダヤ教の組織〃カハ〃の幹部を
つとめていた。また彼は、医師でありながらバレスチナ人の治漬を拒否し、現地の
ュダヤ人入植者たちは、かねてからパレスチナ人の病院などを武力で接収して、
モスクの絨毯を燃やしたりバレスチナ人の商店をたびたび襲撃して、暴力をほしい
ままに行使していた。これに対してイスラェル軍は、「入植者がたとえバレスチナ
人を銃で撃っているところを目撃しても、発砲してはならない」という公式の命令
を出して、すべてを放任してきた。

虐殺現場に入る前の犯人は、〃神エホバ〃に宛てた遺書を書き、さらに別の遺書も
あったことをイスラェルは公表したが、その内容は秘密にされたままである。ァラ
ブ人がィスラム教徒の聖なる月〃ラマダン〃に集う礼拝堂で、平穏な祈りを捧げて
いるときに、背中から大量の人を虐殺した。モスクには、血があふれかえった。
「できるだけたくさんのパレスチナ人を殺すために」その日、その場所が選ばれ
た。しかも殺人者のゴールギシュタインは、この殺人に赴く直前、二日前に、八万
三○○○ギル(ほぽ一○○○万円)の生命保険に加入していた。殺人者のゴールドシ
ュタインは、人間を救うぺき医師であった。

何よりも全世界の良識に疑惑や激しい
怒りを持たせたのは、そのあとのユダヤ人の反応であった。入植者の仲間たちは、
この殺人者を殉教者にまつりあげ、聖書の〃勇者サムソン〃として讃
えたばかりか、次のように語った。「虐殺のこュースを聞いたときはうれしかっ
た」「これは必要な殺人だ。もっと殺す必要がある」「イスラムは人類の毒だ」
実はこの虐殺の前の月、九四年一月に、ゴールドシュタインをイスラェルに送り込
んだニューョークで「バレスチナ入植者を支援する集会」が開かれ、そこで、暴力
行為を求める圧倒的な声があがった。つまりゴールドシュタインの単独犯ではなか
ったのである。礼拝堂で運よく生き残った多くの人の一致した証言によれば、ゴー
ルドシュタインのほかにイスラェル兵が発砲していたと伝えられ、これには四○人
以上の証言者がいることが確認されている。イスラェルの調査によれば、三人の軍
人が発砲したことは間違いないようである。

現場の警備にあたっていたイスラェル兵も、ゴールドシュタインがモスクに入った
あと、別の男が銃を持って入るのを見たと証言している。犯人の所属していたュダ
ヤ教〃原理主義者〃カハ・グルーブの多くの首謀者が現在、逃亡中である。少なく
とも一○○人の仲間がいたと見られているが、なぜ逮捕されないのか、誰がかくま
っているのか、という無数の疑惑が渦巻いている。四月末までに逮捕された大物
は、わずかに一名だった。つまりこれは、ュダヤ人の組織的で国際的な犯罪だとい
うことが、誰の目にも明らかになってきた。イスラェル紙〃ハーレツ〃によれ
ば、「イスラェル軍によるパレスチナ人の虐殺は、高度の承認を得ていた」とい
う。また、イスラェルの人権グループの調査によれば、過去数年のユダヤ人による
バレスチナ人殺害事件六二件のうち、殺人罪を問われたュダヤ人はわずかひとり
だった。これはまさしく、ポロコースト国家である。

さらに重大なのは、この虐殺
に怒るバレスチナ人が、イスラェルによる外出禁止令のなかで
次々と兵士に逮捕され、射殺されてきたことである。パレスチナ人の過激派を取り
締まると称して、妊婦までが殺されている。そして虐殺の町ヘブロンに、ついに
イスラェル軍の手で高さニメートルを超える壁が構築され、バレスチナ人の住居
がゲヅトーと化したのである。その〃ベルリンの壁〃にたとえられる壁には、
「ゴールドシュタインは永遠の人」という言葉がヘブライ語で書かれた。これらの
無数の事実経過が日本で報道されずに、この状況に絶望して追いつめられたバレス
チナ人の自爆事件だけがテロとして報道されてきた。私は問いたい。世界は一体何
を考えているのか、われわれは映画館で何を見ているのか、と。この事件を、宗教
の対立で説明することは許されない。もしそのような説明が可能ならば、ナチズム
の犯罪も同じように説明できる。全世界で、ユダヤ人に対する修復不能の嫌悪感が
生まれはじめていることに、ユダヤ人自身が気がつかなければならないだろう。
きわめて危険な徴候が、ョーロッバ人の心理的変化に見られる。イスラェルという
国家が、この入植者たちに補助金を与えて占領地に送り込み、バレスチナ人を殺す
先兵として育ててきたことは、現地を訪れた人がみな周知の事実である。

ー引用終わりー

このような国や人々をはっきり非難しないことは、この殺人に同調する
ことになってしまいます。ですから、少なくとも私はピラトのように、手を
洗います。
この血は彼らと彼らの同調者の頭上に帰するものであり、私は聖書を読む
クリスチャンとして同調もしないし、同意もしない。
また、このような気違いじみた虐殺を聖書や、神が命じているとの考えには
反対を表します。