ルネッサンスはユダヤ思想の産物

中世の崩壊を招いたルネッサンスはギリシャ・ローマのヒューマニズムの回復と言われていた。しか
し、我々はもう一度このルネッサンスをユダヤ思想との係わりにおいて再評
価すぺきであると思う。四世紀末ロ−マ帝国は東西に分裂し、間もなく西ローマ帝国は東から来たフン族の影響によって移動してきた西ゴート族に圧迫されて移動し始めたゲルマン民族によって、大混乱に陥り、それを静めるために雇ったゲルマンの傭兵隊長オドアケルによってAD四七六年滅ぽされてしまった。その後、ゲルマン民族による群推雄割拠の時代を迦えるが、その中心として君臨したのがローマのカトリック教会であった。ローマ・カトリックがあの様な権力を振るう事が出来たのは強力な帝国が無かったからである。一方、東ローマ帝国はフン族にもゲルマンにも影響されなかった。

ここにはギリシ
ャの思想、とりわけ古代宗教、魔術、幾何学などの思想体系が熟成されていた(この思想体系全体を
『古代秘儀の知識』Esoteric Knowledgeと呼んでいる)。後世ビザンチン時代と呼ばれるようになった文化の発達したこの東ローマ帝国もやがて一四五三年、イスラムによって滅ぽされてしまう。この時、古くエジプトのアレキサンドリヤの図書館に起源を持つ蔵書(これは世界史上最大の図書館の一つであったがAD三八九年カトリック司教テオフィロスによって破壊された。その時持ち出されたものであろう)はイタリヤに移送された。もちろん同時に多くの『古代の秘儀』の知識を持つ学者や知識人も移動した。
 
 

さらにスペインではフェルナンドとイサベラが結婚してスペインを完全なキリスト教国にしようと夢想したことによって、一四九三年ユダヤ人の追放命令が出た。ユダヤ人たちは主にオランダとイタリヤに逃げた。この二つの民族移動と思想の流入がイタリヤにおいてルネッサンスの大きなファクターとなったのである。もともとビザンチンもスペインもその繁栄にユダヤ人の果たしていた役割は大きかった。実際、ユダヤ人は味方にしておくとその国は繁栄し、敵に回すとその国は衰える。これは聖書で予言されている神の祝福の原則である。これはユダヤ人が謀るというよりまさに必然的になって行くのである。しかし、今日、世界支配を目指している一部ユダヤ人を同じレベルにして考えるべきではない。私は普通のユダヤ人と陰謀のユダヤ人をまったく別の言葉で呼ぶべきであると思う。

後者をコンスビラシー・ジュウとかウルトラ・ジュウとか。不思議なことにこれらのユダヤ人は中世暗黒時代の迫害や虐殺の嵐の中でも、宮廷ユダヤ人として自分の同砲の苦難もどこ吹く風、豪奢を極めた生活をしていたし、第二次世界大戦とナチス迫害のヨーロッパで、だれも手を触れる事のない豪邸に住んでいたのである。かと言って両者がまったく無関係であるとも言えないのだが・…・オランダに逃げたユダヤ人によってフィレンッ・ルネッサンスが開かれた。

ここから書く事をよく覚えてほしい。オランダとイタリヤの『古代の秘儀』の知識が「ロレーヌとガイスの家」に流れて行った。ロレーヌ地方の枢機卿チャールス・ガイス(又はギース)はマリー・ガイスの兄弟で、このマリー・ガイスがスコットランドのチャールス五世と結婚して生まれたのがメアリー女王である。表面的には熱心なカトリック教徒を装いながら、「ガイスとロレーヌの家」は『古代秘儀の知識』をスコットランドに拡げて行った。これを強力に助けたのがサー・ウイリアム・シンクレアとスコットランドのフランス大使でありグラスゴーの大司教であったジェームス・バートンである。『古代秘儀の知識』はアイルランドの前にイングランドに広まった。

ウエールズの著名な人物サー・ジョン・ディーが『古代秘儀』を学ぶセンターを創設した。ジョン・ディーはメアリの後を継いだエリザベス女王一世の
宮廷占星術師であり、有能な魔術師、医者、哲学者、錬金術師、カパリスト、数学者、科学者であり外交の密使であった。この典型的なルネッサンス人こそ、現代の「思索的なフリーメーソン」の土台である。彼は大陸の著名な大学で幾何学を教えた。サー・ジョン・ディーはブラトーの「宇宙の偉大な建築家」と言うアイデァを認識し、神聖な幾何学がこの「宇宙の偉大な建築家」の意思を知るための方法であると語った。ヘンリー・ビリングレーのユークリッドの著書の翻訳の序文に、デ
ィーはプラトーを『神のようなプラトー』と呼んでいる。

*この「宇宙の偉大な建築家」と言う言葉はフリーメーソンやエホパの証人のラッセルが好んで用いる彼等の神の事でそれはソロモンの神殿の建築家ヒラムの事であり、それはまたルシファーの事であり、それはサタンの事であると言う事を前の本に書いた。*ここに言う魔術とは日本で言う手品の進歩したものではなく、悪魔礼拝を伴うオカルト宗教である。また、幾何学、錬金術もほとんど同じである。サー・ジヨン・ディーはまた、エノキアン・マジックと呼ばれる魔術の創設者と信じられている。このエノキアン・マジックはフリーメーソンの最重要結社であるゴールデン・ドーンという結社と深く結び付いている。その名の由来は旧約聖書の創世記に出てくるエノクという人物から来ている。

AD一世紀のユダヤ人の歴史家ヨセフスはユダヤ人の一部がエノクを太陽神として信じていると書いている。エノクとはヘプル語で、高く上げられた者、又は教育された者という意味である(簡単に教師とも言う)。創世記5:3~24には、「エノクの年は合わせて三六五歳であった。エノクは神とともに歩み、神が取られたのでいなくなった」と書かれているので、そこから三六五を太陽歴と合わせ、エノクだけが死なないで天に行ったと言うところから神にするのであろうか。
 

実は旧約聖書には偽書とか外典とか呼ばれるものがあって、その中にエノク書と言うのがある。これが極めてオカルトチックなもので恐らくそこにこれらの発想の源泉があるのであろう。それは聖書とは何の関係もない空想物語である(この事については後述する)。サージョン・ディーは、自分はイスラエルのダン部族の末裔だと信じていた(早い話が今日的な意味でユダヤ人)。さらにブルータスとも関係しトロイ人でもあった。その上さらにアーサー王の伝説とも堅く結ばれていると信じていた。こうなってくると勝手にやってくれと言いたくなるのだが、この男がエリザベスー世の後見人であり、エリザベスー世はアーサー王の末裔であり、ダン部族が建てたトロイ人の子孫で世界を支配する使命を帯びていると信じていたのだからただごとではない。

ディーはこのような信仰を女王に吹き込み、導いていたの
だとフランシス・イエーツは彼の著書『アストラェア』に書いている。ディーは宇宙的な宗教のヴィジョンを持っていた。そしてその影響下に当時のヨーロッパのクリスチャン(と呼んでいいとはおもえないが)の多くがカパリストとなりユダヤ教に改宗した。またエールの伯爵(ロパート・ダッドリー)とその隠し子フランシス・ペーコンに深い影響を与えた。ピューリタンと言われ詩人であったエドモンド・スペンサーも彼の下に教
えられたカバリストでありネオ・ブラトニストである。
 

一六○三年、ロレーヌのガイス家の子孫がイングランドの王ジェームスとなった。またディーの高弟ロバート・フラッドとフランンシス・ベーコンが薔薇十字団のチャンネルを通じて『古代秘儀の知識』を広めた。そしてジョーン・パレンタイン・アンドレアが薔薇十字団を守るためにロッジを創設する。このロッジがフリーメーソンに引き継がれて行く。ここまで来ると読者は、ユダヤ教がまったく変質していることが明僚になった事であろう。旧約聖書の片言隻句を取り上げて、主にプラトー、アリストテレスらのギリシャ哲学、古代エジプト、バビロニアの宗教、占星術、魔術などをミックスした極めてオカルト的な宗教に、それだけは馬鹿に強烈な選民意識を合わせたものがカバラ、変質したユダヤ教なのである。
 
 
 

忍者部隊フリーメーソンの役割

フリーメーソンという秘密結社があって、今、世界の実権を握っている。この団体は古代から中世にかけて、自由な(フリー)石工(メーソン)の団体だったと言われている。

しかし、英語でフリーメーソンは分かるにしても、ではフランス語のフランマッソンはどうなのか。たしかにフランス語の辞書を引くと同じように自由な石工と出てくる。しかし、本来フランス語で自由はリベルタである。フランマッソンとは「ヒラムの子」という意味であり、それはまたルシファーの子、すなわちサタンの子である(拙著『悪魔最後の陰謀」を参照されたい)。だからフリーメーソンが古代からあったとしても不思議ではないが、一般に言われているようにもともと単なる職工の組合(ギルド)だったものを、ユダヤ人が特に一八世紀にアダム・ヴァイスハウプトという人物を使って乗っ取ったという説は信じ難い。私はフリーメーソンは初めからユダヤ人の組織だったのではないかと見ている。フリーメーソンは実に融通無げ、巧妙な組織である。

それは宗教団体であり、政治結社であり、情
報組織であり、商工業のエキスパートでもある。それは神の前で尊厳を賛える天使ケルビムのように、四つの顔と六つの羽どころか、無数の顔とウイングを持ち自由自在に世界を躯け巡っている。もっとも、今日ではいささかその顔も古びてしまって、フリーメーソン自身が恥ずかしいのかあまりうれしそうにはしていない向きがある。その代わり、スカルアンドポーンズだのスコティッシュライトだのゴールデンドーンだの、子供だましで風変わりな名前の結社内結社を全面に押し出している。

それはまた相互に目的と行動を確認するの
に便利なのだろう。フリーメーソンには一から三三階級まであり、それぞれにまた馬鹿馬鹿しい名前があって三三階級は最高位であるという人を食った俗説が流布されている。しかし、こんなものはほんのお遊びであって、ほとんど意味がない。また三三階級など会社の課長かよくて部長クラスの実権のない階級に過ぎない。本当はフリーメーソンはユダヤ人がヨーロッパ社会ひいては世界を掌握するための実戦部隊、または仮の行政機関であった。しかし、すでに世界をほとんど彼らの手に握った今となっては、こんなピエロか大道芸人のような扮装は必要がなくなっている。今や彼らはコンピューターと国連を手足のように使いもっと実効ある作戦計画を開始している。

中世の暗黒社会においてユダヤ人が被っ
た悲劇を矮小化してはならないことは確かである。それはナチスといういかがわしい集団がドイツ民族をその優秀な地位から引きずりおろし、世界に恥辱の姿をさらすために仕組んだドラマとは比較にならない、現実のしかも数百年の長きにわたるョーロッパの汚点であった。

今、ユダヤ人の一部が計画している人類への復讐計画はその当時ヨーロッバが彼らに成した罪業の拡大復元したものであるような気がしてならない。この戦いのためにユダヤ人が考え出した最高傑作が中世から近世にかけての忍者部隊フリーメーソンであったと言えるだろう。フリーメーソンはユダヤ人だけの組織ではない。むしろ
異邦人の方が多いかもしれない。しかし、この団体の目的は結局ユダヤ人の利益であり、そうとは感じないで、異邦人が喜々として加わり彼らの戦いの駒として使われているのを見ると、なにやら将棋を思い出すのである。チェスは敵を倒せばそれでおしまいだが、将棋は敵の駒が味方になるのとそっくりである。

フリーメーソソはキリスト教プロテスタントにはもっとも身近な敵であるのだが、ほとんど敵だ
と思っていないから始末が悪い。恐らく、いわゆるブロテスタント神学者といわれる人の半分以上はフリーメーソンなのではあるまいか。一九世紀から二○世紀にかけて自由主義拒学とか高等批評とかいう神学が流行って、キリストは神ではなく人間にすぎないとか、聖書の大部分はずっと後世の作だとか言って、プロテスタント信仰をずたずたにしてしまった。ついには神が死んだという「神の死の神学」などというアホらしいものも現れて、仏教の方がまだましな(神が死んだというより、初めから無いと思っている方が神様に失礼ではなかろう)宗教にしてしまった。

そのためにプロテスタントは今日その
大半は命を失っている(ただし、全くこのような動きには無関係に初代教会そのものの活力を復元して活発な活動をしているプロテスタント教会もあって、これらが今やアフリカ、南米、東南アジア、ロシア、中国などでは前者を凌駕している)。これらのエセ神学者たちの正体を質せばフリーメーソンだったと言う事になるのではなかろうかと私は思っている。このような連中はそれならいっそのことキリスト教などという枠を外れて、自分たちの思うように宗教をつくったらよさそうなものだが、キリスト教の中に巣くい、食い荒らしてしまったのである。

ほんとか嘘か知らないが、日本のあるミッション系の
大学の神学部では教授たちが「神は死んだ」の「聖書は嘘」だのといっているものだから学生が集まらず結局神学部そのものが廃止になり、当の教授様が失業してしまったという、妙にロジカルな笑い話があるぐらいである。中世暗黒時代を終わらせたのは一四世紀から一六世紀に至るルネッサンス運動だが、決定的な決着をつけたのは宗教改革者たちであった。極限まで腐敗し、天国への入場券、免罪符まで売り出すというローマ・カトリックを内部から告発したウイクリフ、ヨハン・フス、サヴォナローラらに続いてマルチン・ルターが一五一七年にウイッテンベルグの城門に張り出した九五ケ条の提言に始まったこの運動はツヴィソグリ、ジョン・カルバン、メ
ランヒトンらによって拡張され巨大な流れとなってヨーロッパを長き眠りから自覚めさせた。

余談だ
が、人間の歴史には明らかにスケジュールがあるような気がする。例えば音楽にしても一六〜一八世紀にかけてのパッハ、ベートーベン、ショパン、モーツアルトなどのいわゆるクラシックの作曲家をその後の作曲家が、結局は追い越すことが出来なかったように、これらの宗教改革者たちをいまだに一人のキリスト者も追い越すことは出来なかったのではないかと私は思う。今、キリスト教会に必要なのは、今一度これら改革者の神学を学びなおす事である。ひいてはそれが襲い来るサタンの攻撃に対処する最善の方法である。なお、フリーメーンンについてはやはり私の前著を参照されたい。フリーメーソンは今日有名無実となった。それは忍者部隊の必要が無くなったからであろう。今や世界統一政府にまで発展したオカルト・ユダヤ集団は、いつでも国連やアメリカを使い、PKF、PK○の名のもとに正規軍を世界中に派遣する事さえ出来るようになったのだから。