NO. 655生きている者のために死人にきく

テキスト:1サムエル28:

3 サムエルが死んだとき、全イスラエルは彼のためにいたみ悲しみ、彼をその町ラマに葬った。サウルは国内から霊媒や口寄せを追い出していた。
4 ペリシテ人が集まって、シュネムに来て陣を敷いたので、サウルは全イスラエルを召集して、ギルボアに陣を敷いた。
5 サウルはペリシテ人の陣営を見て恐れ、その心はひどくわなないた。
6 それで、サウルは主に伺ったが、主が夢によっても、ウリムによっても、預言者によっても答えてくださらなかったので、
7 サウルは自分の家来たちに言った。「霊媒をする女を捜して来い。私がその女のところに行って、その女に尋ねてみよう。」家来たちはサウルに言った。「エン・ドルに霊媒をする女がいます。」
8 サウルは、変装して身なりを変え、ふたりの部下を連れて、夜、その女のところに行き、そして言った。「霊媒によって、私のために占い、私の名ざす人を呼び出してもらいたい。」
9 すると、この女は彼に言った。「あなたは、サウルがこの国から霊媒や口寄せを断ち滅ぼされたことをご存じのはずです。それなのに、なぜ、私のいのちにわなをかけて、私を殺そうとするのですか。」
10 サウルは主にかけて彼女に誓って言った。「主は生きておられる。このことにより、あなたが咎を負うことは決してない。」”
 

本日は、「生きている者のために死人にきく」という題でメッセージを行います。
テキストに沿ってみていきたいと思います。


3 サムエルが死んだとき、全イスラエルは彼のためにいたみ悲しみ、彼をその町ラマに葬った。サウルは国内から霊媒や口寄せを追い出していた。”

預言者サムエルは長いこと、イスラエルに対して、適確な預言をしていたのですが、
しかし、この日、死んでしまいました。
結果、サウル王には、聞くべき人が誰もいなかったのです。

また、「サウルは国内から霊媒や口寄せを追い出して」いました。

霊媒や口寄せとは、死人に伺いをたてることです。
この土地を売るべきか、売るべきでないか、などなど、色々死人に伺いをたてることなのです。サウルは神からの命令に従い、このことを禁止していました。

このこと、霊媒や口寄せに聞くことに関してイザヤ書では
下記のように書かれています。
 

”イザヤ8:19「人々があなたがたに、「霊媒や、さえずり、ささやく口寄せに尋ねよ。」と言うとき、民は自分の神に尋ねなければならない。生きている者のために、死人に伺いを立てなければならないのか。」

生きている者のために死人に伺いをたてるとは、たとえを用いた表現と
思えます。
死人とは、第一義的には、肉体的に死んだ人、心臓がもう動かなくなった人です。
しかし、たとえとしては道徳的に、罪の中で、神を離れている人をもさします。
以下を見てください。
 

”マタイ8:21 また、別のひとりの弟子がイエスにこう言った。「主よ。まず行って、私の父を葬ることを許してください。」
22 ところが、イエスは彼に言われた。「わたしについて来なさい。死人たちに彼らの中の死人たちを葬らせなさい。」”
 

肉体的に死んだ人、心臓がもう止まった人が他の人を葬ることは不可能です。
ですから、ここでの「葬りのわざをなす死人」とは、肉体は生きていても、しかし信仰的、霊的に死んだ人をさすのです。
 

このことを知ると、上記、「生きている者のために、死人に伺いを立てなければならないのか。」
とのイザヤ書のことばもわかります。

このことばのいわんとしていることは、生きているものすなわち、主の聖霊によって、
命を得ているものが、わざわざこの世の死人、罪があり、神の前で死んでいるものにものごとを尋ねなければならないのかとの意味合いです。
 


4 ペリシテ人が集まって、シュネムに来て陣を敷いたので、サウルは全イスラエルを召集して、ギルボアに陣を敷いた。
5 サウルはペリシテ人の陣営を見て恐れ、その心はひどくわなないた。
6 それで、サウルは主に伺ったが、主が夢によっても、ウリムによっても、預言者によっても答えてくださらなかったので、”
 

さて、その霊媒や口寄せを追い出した張本人であるサウルがあろうことか、
その霊媒や口寄せに聞きに行きます。
何故そんなことをしたのかというと、神がどのような方法、夢によっても、ウリムによっても、預言者によっても答えてくださらなかった、からなのです。

何故神はサウルに答えなかったのか?
それは明らかに彼が罪を犯しているからです。
彼は神の選んだダビデの殺害を計画し、また神のことばに従わずアマレクを聖絶しませんでした。
それどころか多くの主の祭司を殺したのです。
 

結果、彼は、神からの適切な答えを受けることも、指示を受けることもできなくなりました。
 

このことは非常に深刻な問題と思われます。
今の時代、とんでもない間違えた道を歩んでいるクリスチャンがたくさんいます。
彼らの神とのコミュニケーションに問題があるように思えます。
彼らはもしかすると、神に聞いているのかもしれません。しかし、何らの方法によってでも神は
彼らに答えてくれない、それは恐らく、彼らの罪の問題です。

罪を犯し続けているし、悔い改めるつもりもない、だから、神は
答えを与えないのです。
神は不機嫌であったり、不公平な方ではなく、正しく歩む人、たとえばダビデにはその時々適切な
答えを与えています。この時、サウルがどのようにしても神からの答えを得られなかった、
それは、彼の罪の問題なのです。
 


7 サウルは自分の家来たちに言った。「霊媒をする女を捜して来い。私がその女のところに行って、その女に尋ねてみよう。」家来たちはサウルに言った。「エン・ドルに霊媒をする女がいます。」”

神からの答えを得られないサウルは、霊媒をする女を探すよう命じます。
すなわち死人にきくことを選び取ったのです。

この彼のパターンは暗示的です。
彼は罪のため、神から何の答えを得ることもできず、結果、死人に聞くようになったのです。
 

今の時代に関しても同じです。私達にもし、罪があるなら、神は答えてくれず、
そしてそれゆえ、私達は死人に聞くしかなくなるのです。

死人とは?
すなわち、救われても、神をしんじてもいない、この世の教師、識者、学者などです。
 

”8 サウルは、変装して身なりを変え、ふたりの部下を連れて、夜、その女のところに行き、そして言った。「霊媒によって、私のために占い、私の名ざす人を呼び出してもらいたい。」
9 すると、この女は彼に言った。「あなたは、サウルがこの国から霊媒や口寄せを断ち滅ぼされたことをご存じのはずです。それなのに、なぜ、私のいのちにわなをかけて、私を殺そうとするのですか。」
10 サウルは主にかけて彼女に誓って言った。「主は生きておられる。このことにより、あなたが咎を負うことは決してない。」”
 

サウルは他に方法がなく、結局は霊媒に頼り、死人に自分の事を伺うしかなかったのです。
そして、その結果、自分の死について語られたのです。

希望を受けることも、恵みを受けることもなく、ただ、悲しい
未来について聞いただけでした。

全て死人に聞くものは同じ様な結末に至るのかも知れません。

私達は死人に聞くべきではなく、たとい死人に聞いてもろくな結果にはならないのです。
しかし、主に聞くものは助けと希望を受けます。また、もし、主が答えて下さらないなら、
その罪を悔い改め、正しい道へ立ち返るべきなのです。

終末における主の御心を行いましょう。

−以上ー
 

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