NO. 253 獣の国と10本の角

テキスト:ダニエル7:
1 バビロンの王ベルシャツァルの元年に、ダニエルは寝床で、一つの夢、頭に浮かんだ幻を見て、その夢を書きしるし、そのあらましを語った。
2 ダニエルは言った。「私が夜、幻を見ていると、突然、天の四方の風が大海をかき立て、
3 四頭の大きな獣が海から上がって来た。その四頭はそれぞれ異なっていた。
4 第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から起こされ、人間のように二本の足で立たされて、人間の心が与えられた。
5 また突然、熊に似たほかの第二の獣が現われた。その獣は横ざまに寝ていて、その口のきばの間には三本の肋骨があった。するとそれに、『起き上がって、多くの肉を食らえ。』との声がかかった。
6 この後、見ていると、また突然、ひょうのようなほかの獣が現われた。その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭があった。そしてそれに主権が与えられた。
7 その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、第四の獣が現われた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現われたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。
8 私がその角を注意して見ていると、その間から、もう一本の小さな角が出て来たが、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。よく見ると、この角には、人間の目のような目があり、大きなことを語る口があった。

17 『これら四頭の大きな獣は、地から起こる四人の王である。
18 しかし、いと高き方の聖徒たちが、国を受け継ぎ、永遠に、その国を保って世々限りなく続く。』
19 それから私は、第四の獣について確かめたいと思った。それは、ほかのすべての獣と異なっていて、非常に恐ろしく、きばは鉄、爪は青銅であって、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。
20 その頭には十本の角があり、もう一本の角が出て来て、そのために三本の角が倒れた。その角には目があり、大きなことを語る口があった。その角はほかの角よりも大きく見えた。
21 私が見ていると、その角は、聖徒たちに戦いをいどんで、彼らに打ち勝った。
22 しかし、それは年を経た方が来られるまでのことであって、いと高き方の聖徒たちのために、さばきが行なわれ、聖徒たちが国を受け継ぐ時が来た。
23 彼はこう言った。『第四の獣は地に起こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く。
24 十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。
25 彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる。
26 しかし、さばきが行なわれ、彼の主権は奪われて、彼は永久に絶やされ、滅ぼされる。
27 国と、主権と、天下の国々の権威とは、いと高き方の聖徒である民に与えられる。その御国は永遠の国。すべての主権は彼らに仕え、服従する。』
28 ここでこの話は終わる。私、ダニエルは、ひどくおびえ、顔色が変わった。しかし、私はこのことを心に留めていた。」”

本日は「獣の国と10本の角」という題でメッセージします。終末に起きて来る獣の国に関してさらに詳しく見ていきたいと思います。
 

私たちは、ダニエル書8章で以下のことがらを見てきました。

1.) 終末には、獣の国が出てくる。この獣の国こそ、終末の日に多くの人、国を滅ぼす恐るべき、
悪魔的な国である。
2.) 終末の獣の国は、ギリシャから出てくる4つの国のうち、その内の一つの国(角)に関係している。
3.)その一つの角とは、ローマ帝国、そしてこの帝国の現在の末裔である、ヨーロッパの国々をさすようである。
4)終末の日にさらに中心的な働きをなすのは、この角(ローマ帝国、現在のヨーロッパ)の後に出てくる、一つの強い国(角)である。この国は、他の歴史の古いヨーロッパの国々と異なり、
比較的歴史的に新しい国、また、強い軍事力を持っている。また、ヨーロッパから出てくるのだから、
ヨーロッパ内に今存在している国というより、ヨーロッパ以外に位置する国の可能性が高い。
5)ヨーロッパの国々も終末の破壊と関係しているが、これらの国を主導している、また中心となるのは、この新しい角、国らしい。

以上が8章の記述を通して理解できることがらです。本日はダニエル7章の記述を通してさらにこの獣の国について詳しい内容を見ていきたいと思います。

ダニエル書7章を順に見ていきたいと思います。

”1 バビロンの王ベルシャツァルの元年に、ダニエルは寝床で、一つの夢、頭に浮かんだ幻を見て、その夢を書きしるし、そのあらましを語った。
2 ダニエルは言った。「私が夜、幻を見ていると、突然、天の四方の風が大海をかき立て、
3 四頭の大きな獣が海から上がって来た。その四頭はそれぞれ異なっていた。

バビロンから現在に至る世の中の歴史は、この章によれば、4つの獣で表されるようです。
4の数字は、この世を示すのかもしれません。マタイ伝に「天の4方から選びの民を集める」ということばは、すなわち、この世から選ばれる民を表すのかもしれません。

4 第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から起こされ、人間のように二本の足で立たされて、人間の心が与えられた。”

さて、これらの4つの獣は地上から起きる4つの国です。この4つの獣は、たとえば、ダニエル2章に記されている4つの国と全く同じです。これらの他の章を参照する時、この第一の国は、バビロン王国であることがわかります。
この国は、獅子と形容されます。獅子は、ペテロの手紙にあるように、「獅子のごとく食べ尽くす者を求めて歩き回る」獅子に通じます。

”5 また突然、熊に似たほかの第二の獣が現われた。その獣は横ざまに寝ていて、その口のきばの間には三本の肋骨があった。するとそれに、『起き上がって、多くの肉を食らえ。』との声がかかった。6 この後、見ていると、また突然、ひょうのようなほかの獣が現われた。その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭があった。そしてそれに主権が与えられた。”

「第二の獣」は他の章を参照するとメデイアペルシャであることがわかります。また、第三の「ひょうのような獣」とは、
8章を参照するとギリシャ帝国であることがわかります。ギリシャに関する、
「その獣には四つの頭があった。」との記述は、8章の「著しく目だつ四本の角が生え出た」との記述と正確に対応しています。

このあたり迄の解説はどこの聖書注解でも同じことが書いてあります。これらの解釈に大きな差はないと思われます。しかし、問題、また終末に生きる我々にとっての問題は、第四の国、終末の国がどの国なのかということです。このことに関しては、解釈者の見解は必ずしも同じではないようです。

さて、これらのこの章に出てくる獣の共通的な特徴は、何でしょう。私が思うにこれらの「獣」は皆、人を襲う、殺すことのできる猛獣だということです。同じ獣でも狐やたぬきや、ねずみと異なり、「獅子も熊もひょうも」人を襲い、殺します。聖書の中では、「人」という何気ないことばにも深い意味あいがあります。

「人」は、エデンの園で、神の息を受けて始めて生きたものとなりました。この息は聖霊をさします。ですから、これらの獣で表される国は神につく「人」を殺す、神の前に生きたクリスチャンであることをやめさせる、獣化されるために用いられるということを示します。この世はこの獣の下にあり、この世につくクリスチャンはこれらの国の影響により、獣化して、その命を失うことがあり得ることを覚えて下さい。「世をも世にあるものをも愛してはいけない」のです。そして、終末にあらわれる獣こそ、究極の獣、人を殺す、多くのクリスチャンの信仰を殺すために用いられる特別な獣なのです。
私達はこの「終末の獣」の正体を見極めなければなりません。

第一の獣、獅子にもまた第三の獣、ひょうにもどちらにも「翼」がついていることは、象徴的です。
ひょうはギリシャ帝国をあらわし、その国は、今の西欧の文化、分明の基である、ギリシャ、ローマ帝国の基です。そして、その末である、NATOは、今、その空軍、すなわち、「獣の翼」をもって、多くの国々を攻撃し、爆撃するからです。

7 その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、第四の獣が現われた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現われたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。”

さて、ここで第四の獣が現われます。これは、他のダニエルの章で記されている以下の終末の獣と同じものです。

1)”ダニエル2:40 第四の国は鉄のように強い国です。鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。その国は鉄が打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。”

2)”ダニエル8:23 彼らの治世の終わりに、彼らのそむきが窮まるとき、横柄で狡猾なひとりの王が立つ。
24 彼の力は強くなるが、彼自身の力によるのではない。彼は、あきれ果てるような破壊を行ない、事をなして成功し、有力者たちと聖徒の民を滅ぼす。”

ですから、ダニエル書、また黙示録のあちこちの章で、この終末の獣について少しずつヒントが与えられているのです。私たちが主の知恵の中で、これらの記述を重ね合わせていく時、この獣について正しい知識が得られるはずです。

さて、この箇所で、この獣は、「十本の角」を持っていることが書かれています。
ですから、この獣は、黙示録に記されている以下の「十本の角と七つの頭を持つ獣」と同じものであることがわかります。

”黙示録13:1 また私は見た。海から一匹の獣が上って来た。これには十本の角と七つの頭とがあった。その角には十の冠があり、その頭には神をけがす名があった。”

他の箇所でもそうなのですが、基本的に、黙示録には、終末に起きてくることのエッセンス、概要が書かれているようです。ですから、黙示録の記述を詳しく理解するためには、他の類似の個々の聖書箇所を参照することが肝心です。例えば、「額に印をつける」という黙示録の記述を詳しく理解するためには、エゼキエル書の「額に印をつける」記述を参照すべきなのです。
同じ意味あいで、この黙示録の「十本の角と七つの頭を持つ獣」について詳しく見るためには、ダニエル書の関連する個々の記事を参照することが肝要です。
 

この10本の角は、8章の以下の9節前半に記されている最初の「一本の角」と同じものです。

”ダニエル8:9 そのうちの一本の角から、また一本の小さな角が芽を出して

この「最初の一本の角」は、ギリシャの4つの角のうちの一つ、西に伸びる角、ローマ帝国です。
この国は、「ローマ帝国」という一つの国なので、「一本の角」と記載されます。しかし、
同じ一本の角は、終末においては、「10本の角」と書かれます。何故なら、このローマ帝国が2000年もの年を経て、終末には、多くの国に分かれるからです。このことは、ダニエル2章で、
「第四の国」をさして、「すねと足」と描写していることに通じます。

”ダニエル書 2:33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。”

足のすねはそれぞれ一本ですが、しかし、足の先の方へいくと、足指が10本にも分かれています。
もとは一つでも先はわかれているのです。同じようにヨーロッパの歴史においては、その始めは、
「ローマ帝国」という一つの国でしたが、時代を経るごとにいくつもの国に分裂していき、終末には、同じ国が「10本の角」と形容されるようになるのです。ですから、この「10本の角」とは、具体的には、現在のイギリス、フランス、ドイツ等のヨーロッパの国々のことをさすのです。これらのヨーロッパの国々の地域範囲は、そのままかつてのローマ帝国の範囲と重なります。

”8 私がその角を注意して見ていると、その間から、もう一本の小さな角が出て来たが、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。よく見ると、この角には、人間の目のような目があり、大きなことを語る口があった。”

さて、この7章においてもこれらの「10本の角」の間から出てくる「もう一つの角」について書かれています。これは、8章における以下の節の後半の「後から出てくる一本の角」と同じものです。
 

”ダニエル8:9 そのうちの一本の角から、また一本の小さな角が芽を出して”

この後から出てくる「一本の角」こそ、終末の獣の中心となる国なのです。この角(国)は終末の世界の主導権を握り、上記10本の角(国)を自分の手足の指のように使います。それが、これらの
国の数が10、すなわち、足の指の数と同じ数字で書かれている理由です。これらの10の数字は、ダニエル2章の大きな像の足の指の数と正確に符合しています。

この一本の角は、「その間から」、すなわち、ヨーロッパの国々の間から、出てきます。
「出てくる」わけですから、この国は、地域的には、ヨーロッパに属していないわけです。
しかし、ヨーロッパの間から出てくるわけですから、人種的には、ヨーロッパの人々から成る国、具体的には移民からなる国であることがわかります。日本人や、中国人によ
る移民が大多数を占められれた国ではないのです。
また、出てくるという以上、当然、ヨーロッパの国々より、若い、新しい国であることがわかります。
 以下の24節のことばもそのこと、この国が後からできた国であることを語ります。

”24 十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。”

ここにはっきりと「彼等のあとに..ひとりの王が立つ」と書かれています。
ですから、この国は後の国、ある意味では終末の日に、その特別な目的のために、
あたかも備えられたかのような国なのです。

「その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。」と書かれているのですから、この「小さな角」と書かれた特別な国は、これらのヨーロッパの個々の国より、国力にしても軍事力にしても当然、優れていることが想像されます。いわゆる世界のスーパーパワーなのです。また、この新しい国は、その面積にしても、ヨーロッパの各国よりも大きなものであることが伺われます。以下のように書かれているからです。

”20 その角には目があり、大きなことを語る口があった。その角はほかの角よりも大きく見えた。

「ほかの角」は10本の角で形容されるヨーロッパの国々、「その角」は、この終末の一本の角ですが、その国は、ヨーロッパのどの国よりも大きく見えたのです。
ヨーロッパの中で、比較的面積、国力の大きな国といえば、たとえば、フランス、ドイツとかイギリスなどでしょうか。これらの個々の国より、面積的に大きな新らしい国といえば、ある国以外あまりみあたりません。
 

この(終末の鍵を握る)一本の角は、「人間の目のような目があり」ます。
人間とは、神を知らない獣のような人々と異なり、神を知る神の民をさすことばです。
ですから、この国には、(表向き)キリスト教国の看板が貼ってあるのでしょう。

「大きなことを語る口」とはよくわかりませんが、偉そうな口をきく国だということなのでしょうか。

終末の獣は、全土を「食らって、かみ砕」きます。Brenton 70人訳では、「粉々にする」と書かれています。ですから、これから、全世界の国は、この獣の国の横暴を見ます。
 

"20 その頭には十本の角があり、もう一本の角が出て来て、そのために三本の角が倒れた。その角には目があり、大きなことを語る口があった。その角はほかの角よりも大きく見えた。"

ローマ帝国は、かつては今のヨーロッパ全体を支配する大きな一つの国でしたが、終末の時代には、いくつもの国にわかれます。それが、この「10本の角」です。しかし実は、ヨーロッパの例えば、EUなりに加盟する国はたくさんあり、10の国どころではないのですが、これは、ヨーロッパの中でも特に
「角」の機能を持つ国々をさすと思われます。
角の機能とは何でしょうか。例えば、体の各器官の中で耳は、聞く器官です。また、目は見る器官です。
それでは、角の機能は何でしょう。これは明らかに戦いの機能、器官です。

山羊でも鹿でも牛でもその「角」で戦うからです。同じ意味あいで、10本の角とは、ヨーロッパの多くの国々の中でも特に他の国を攻撃するために戦争に参加する国々をさすのです。具体的にはたとえば、NATOの軍に積極的に参加する国々のことです。

さて、これらのヨーロッパの国々の中から、「もう一本の角が出て来」ます。ですから、この国は、「ヨーロッパから出てしかもヨーロッパに位置しない国」のようです。

具体的にはヨーロッパからの移民により形成される新しい国をさすようです。
この国は角です。ですから、戦い、軍事力があります。しかも「その角はほかの角よりも大きく見えた」のです。ですから、ヨーロッパのどの国よりも強大な軍事大国であることが予想されます。

また、「その角」、この終末の新しい一本の角には「目があり」ます。
目がない、盲人の人は、どこに自分がむかっているのを知りません。しかし、目がある人は、自分のいる所、これから、行く先に何があるのか、道に郵便ポストがあるのか、道に穴があいているのかを知っています。

この一本の角の国には、目があります。この国の1ドル札の裏側には、13段のビラミッド、そしてその一番上の頭石には、「全てを見通す目」(ルシフアーをさす)といわれる目が書かれています。このことは、
象徴的です。この国は確かに他の国と異なり、ものごとが見える国、目を持つ国なのです。
彼等にはサタンによる目があります。
 

この国が「共産主義から、自由の国を守るため」と称して、架空の共産主義国の脅威を理由に大変な数の核爆弾を製造し始めた時、彼等は、ずっと先の時、この国が世界で唯一のスーパーパワーとなり世界の支配をする日のことをはっきりと見ていたのです。何故なら、ソ連は、「300人委員会」ジョンコールマン博士によれば、ニューヨークの銀行家に財政支援されて、共産革命を行ったからです。すなわち、ソ連、共産主義の脅威とは、米国が意識的に作り出した、人工的な脅威だからです。これらの「脅威」を世界が信じたために、この「獣」の国は、誰はばかることなく、ここ何十年かで、世界唯一のスーパーパワーとなることができたのです。

今、もう共産主義国、ソ連はなくなりました。また、多くの共産主義国は自由化されたようです。
すばらしい、平和な時代がやってきたのでしょうか?
とんでもない、全く逆です。(米国が陰で支援していた)共産主義国が近年、どんどん消えていったその理由は、もうそんな金のかかる嘘をつく必要がなくなったからです。彼らは十分、軍事力、世界に並びのない国力をつけたので、「仮面」を脱ぎ捨てる時が来たのです。お金のかかる「共産主義の脅威」という嘘を宣伝する必要がなくなったのに過ぎないのです。いよいよ、獣の国の実質を世界に見せる時が来たのです。これは、世界がだまされた、恐ろしい、まさに悪魔来の知恵です。

これらのことを、彼らは始めから「見て」いました。
しかし、日本を始め、他の国はこれ迄の間、ただ盲目であったに過ぎず、今、突然彼らが、大規模な爆撃を始めて、多くの人々が殺されているのに、一体、何が起きているのか、何故、「自由主義、平和のとりで」である国が、
大規模な殺りくをしても平気なのか、理解できないのです。彼らには残念ながら、「目」がありません。

「その角はほかの角よりも大きく見えた。」と書かれているように、この終末の特別な一本の角、国は、他の国、ヨーロッパのどの国よりも面積的にもまた、恐らく国力も大きい国です。
そして、この一本の角も10本の角から、すなわち、ヨーロッパから出てきて、(そしてヨーロッパ以外の地域に形成される)国です。この国、一つの国とは一体どこの国でしょう?私たちは、現在の世界情勢と照らし合わせる時、この国はたった一つしかないことを知っています。

”21 私が見ていると、その角は、聖徒たちに戦いをいどんで、彼らに打ち勝った。”

この国は、「聖徒たちに戦いをいど」みます。そして打ち勝つのです。
このことばの第一義的意味あいは、終末に起きるクリスチャンへの迫害が、この角、米国主導で行われるということです。
既にこの世についており、ペンサコーラ等の獣の霊をありがたがって、その額に按手されて、喜んで踊っているような人々を彼らが相手にして迫害するとは思えませんが、(というより、これらの霊を受けた人々は迫害する方に回るでしょう)しかし、主につく真の聖徒が迫害されるようになるでしょう。
今、「イスラム原理主義者」という名目で、起きている反目はそのうち、シフトして、キリスト教原理主義者、すなわち、この時代にキリストに忠実な人々に向かうようになるのかもしれません。

今、もうすでに彼らは世界中のメデイア、国を操ることにより、また、あらゆる偽りの陰謀、事件をひき起こすことにより、世界の人々が、イスラム原理主義者を憎ませることに成功しました。
今、アフガニスタンへの空爆に対して、世界中のたった一つの国も反対しないことを見ておいて下さい。
そして、その次の一歩、「キリスト教原理主義者」への迫害迄、あとたった一歩しかないのです。

さて、この国が「聖徒たちに戦いをいど」み、かつ「打ち勝った」という時、第二義的には、もう少し長期的な意味あいがあるようにも思えます。

アメリカという国は、現在のキリスト教世界において特別な位置を占める国です。キリスト教会に影響を与える国という意味あいでです。

かつての時代において、バビロンは特別な影響を与える町でした。
あらゆる、魔術的な物、偽りの宗教がこの国にあり、これらはその当時の世界中の国々、また神の民の国である、
ユダの国にも影響を与えていました。そのことは、エゼキエル、イザヤ、エレミヤ等の記述からも伺うことができます。

同じ意味あいで、現在の世界で「バビロン」の役割を果たしている国はどこかといえば、
これは、まぎれもなく、この角、米国なのです。この国発の文化、映画、テレビ、風俗等は、
あらゆる世界の国に影響を与え、それらの国々を堕落、この世につけ、神から引き離すことに成功しているのです。たとえば、日本に限ってみても、日本の国の音楽、映画、教育、文化に戦後、もっとも大きな影響を与えたのは米国です。よくいわれることですが、米国の風潮、習慣、文化は、必ず、10年もすれば、日本の文化になるのです。

これらの文化の中で、日本は、「すばらしい文化的発展をとげた」ことになっています。
しかし、そうでしょうか。客観的な現状を見れば、この戦後の50年程、すなわち、
日本がこの国の全ての文化を見さかいなく、受け入れつづけてきた期間に受けた、道徳的荒廃、
退潮は目をおおう程のものです。

この50年程の変化は、かつて日本が1000年以上も保ちつづけていた、良い習慣、社会を根こそぎにしたかのようです。恐ろしい変化が「この角」とつきあいをしたこの何十年かの間に日本の上に起きているのです。

そして、これらの影響は、中国でも韓国でもなく、また、イギリス、フランスでもなく、主に
米国からもたらされた影響なのです。まさにこの国こそ、現代のバビロンとして用いられている
国なのです。

「朱に交われば赤くなる」「不良とつきあうと不良になる」とは、よくいわれることですが、
この50年程の間、米国一遍倒だった、日本の極端な変化こそ、この恐るべき友人、米国の真相を如実に表すものです。そして、これは日本だけでなく、他の国においても話は同じなのです。バビロンの汚れは、世界へ伝わったのです。
 

さて、このこと、この角がバビロンとして、用いられているのは、世界のキリスト教世界においても事実です。アメリカ発の冒涜的な神学、また、ペンサコーラ等の獣の霊は、世界のキリスト教会を席巻しています。聖書には書いてないけど、キリストがもう一回おまけに再臨するというアメリカ発の子供だましな、おとぎ話、空想話は、世界のキリスト教会で圧倒的に受け入れられています。

確かに「その角は、聖徒たちに戦いをいどんで、彼らに打ち勝った」と過去形で書かれていることは、
現在成就しています。この国の影響の中、戦いの中で、日本を含む世界の教会、聖徒は破れ去り、純粋な信仰を失ったのです。

キリスト教会は、悪魔が終末のために特別に建てた一本の角、アメリカの戦略にしてやられてしまったのです。かつての神の国、イスラエルの民がバビロンに補囚され、その中で大きく変質させられてしまったように、現代の神の国、教会も現代のバビロンのゆえに大きく変質させられてしまったのです。

アメリカはその大統領の多くがフリーメーソン、悪魔礼拝者であるように、またこの国の象徴である、
自由の女神とは、実は恐るべき反キリスト的な革命、フランス革命の象徴であるように、みかけはともかく、実体は、反キリスト的な思惑をもった人々により、特別に建てあげられた国なのです。フリーメーソンはこの国の長老教会、バプテスト派、メソジスト等の牧師、監督として教会に入り込み、変質させました。

22 しかし、それは年を経た方が来られるまでのことであって、いと高き方の聖徒たちのために、さばきが行なわれ、聖徒たちが国を受け継ぐ時が来た。”

この反キリスト的な国に主導される、終末の迫害は、これかれ、徐々に表面化し、さらに激しいものとなるでしょう。しかし、それは、「年を経た方」、キリストが再臨するまでのことです。

23 彼はこう言った。『第四の獣は地に起こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く。”

この第四の国、ローマ帝国の子孫である、アメリカ及びそれに先導されるNATO軍は、「全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕」きます。

ここ10年程にあった、アメリカ、NATO連合の湾岸戦争でのイラクへの爆弾雨あられの攻撃、またユーゴスラビアへの驚くべき破壊、そして今既に行われているアフガニスタンへの攻撃は、この預言の成就の一部です。しかし、決してこれが預言の終わりではなく、これらの破壊はこの国から大規模に世界の多くの国に行われるはずです。そうです、聖書が預言している終末の裁きの時は国々に及ぶのです。

24 十本の角は、この国から立つ十人の王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。”

10本の角は、ローマ帝国という一つの国の片方の端です。「ほうき」は一つの道具ですが、片方の端、
人が手に持つ部分は一本です。しかし、他方の端、先の方は、多くの毛先に分かれています。
同じものでも箇所により、部分の数が異なります。
同じ意味あいで、このローマ帝国という一つの国は、2000年もの年を経た先は、10の国に分かれます。
これは、ヨーロッパの10の国ではあるのですが、全てのというより、ヨーロッパの多くの国の中で、角、軍隊の役割を果たす、具体的には、NATOの役割を積極的に果たす国々のことです。

「彼らのあとに、もうひとりの王が立つ」と書かれたこのもう一人の王こそ、終末の主役の獣の国です。
この国は10の角と描写されるヨーロッパの国々より、あとに立ちます。すなわち、この国は、時間的に新しい国です。

ヨーロッパの国々は、皆1000年、2000年の歴史がありますが、この国はほんの数百年の歴史しかない、新しい国かもしれません。

「彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。」
とは、70人訳では、「彼は悪巧みをもって前の全ての者に勝り、3人の王を従わせる」と書かれています。KJVも「従わせる」と訳しています。この訳を採用するなら、この角は、その国力にしても、軍事力にしても、全てのヨーロッパの国々にまさるようになるのでしょう。また、この一本の角のいうことなら、いつでも何でも従う、
3つの国があらわれるという意味あいになります。個人的には、この訳が現実を反映した正しい訳のように思えます。

何故なら、「三人の王を打ち倒す」なら、10マイナス3=7という計算になり、
終末に働く7本の角ということになり、他の聖書の箇所が語っていることと矛盾し、異なります。
他の箇所では、黙示録でも「7つの頭の10の角」と10本の角について語り、
また、ダニエル2章でも、「像の10本の足指」というように10の国について語っているからです。
しかし、「3人の王を従わせる」ということでしたら、10の角の数には、変化がないからです。
終末には、ある特定の獣の国、という一つの国が起こり、その国の手足となって、他の国を攻撃する、「10人衆」のような10の国があるのです。その中でも特に3つの国は、この特定の一つの獣の国の部下か、家来のようにすぐいうことを聞き、どんどん、他の国を攻撃するようになるのです。
あたかもキリストの弟子が12人いたけれど、その中でも傑出して、主に忠実だった、ペテロ、ヨハネ、ヤコブの3人の弟子がいたようなものです。

今、もしこの3つの国が現われているとしたら、ヨーロッパの国の中でも、まっ先にアメリカに同調するイギリス、ドイツ、フランスあたりというところでしょうか。
案外、あたっているかもしれません。

たとえば、今、アメリカが続行している、アフガンへの攻撃など、国際法を無視したいいがかりなのですが、本来はとめるべき国、イギリス、ドイツ、フランスなどが同調するため、世界中がだまされ、
「悪いことでは無い」ように錯覚します。

聖書の翻訳について私も専門的な知識を持っているわけではありませんが、奥山実牧師によると、聖書の翻訳は「古い程正しい」逆に言うと、「新しい程、怪しい」ということらしいので、
この辺の箇所の翻訳に関しては調査する価値はありそうです。

"
25 彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる。"

「彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする」と書かれています。ですから、私たちは、この国発の政治的な動きに注目しなければなりません。
今は、「キリスト教国」のような顔をしていてもいずれ、神につく聖徒達を滅ぼす、政治的動きがこの国を起点に起こされてくるからです。
彼らはもうすでに、ありもしない、自作自演の「テロの恐怖」という嘘をもとに、イスラム教国を攻撃することに成功しています。彼らが、その鉾先を真に主につくクリスチャンに向ける迄、時間はかからないでしょう。

彼は「時と法則」を変えようとします。この「法則」というふうに(故意だか、誤りだか)別のことばが使われている言葉の原語は、「律法」ということばです。ですから、この箇所は、神の律法をさしているのです。ですから、この国は、聖書のたとえば十戒に書かれている、「殺すな」、「盗むな」という律法に挑み、不遜にもこれらを改ざんします。何ともはや、恐れげもない冒涜的な国です。

このことは、今起きており、今のアフガンとの「戦争」においては、
「彼らがテロを起こした」という一方的な申し立てに基づき、爆弾の雨を落とし続けています。この一方的な申し立ては、何の裁判も、検証もない、客観的な裏付けのないことがらなのですが、
この国の多くの「クリスチャン」という名前の人々は、アフガンへの空爆、すなわち、一方的な殺人に
賛成の意を表明しているということです。まさに、「殺すな」という神の律法に対して、「律法を変えよう」というとんでもない、冒涜を計画し、何と彼らはそれを成功させているのです。

「殺すな」という「律法を変えること」に加担するといえば、日本のクリスチャンも決して負けてはいません。1000年以上もの長い間、エルサレムの地域に住んでいた、ハレスチナ人は、某民族により、自分の家、土地、生活、命を奪われています。また、逮捕、拷問にさらされています。

彼らは、自分の国に住み、自分の家に暮らす、自分の家族や自分の命をまもられるというどこの国の国民もが持っている普通のことを奪われた人々なのですが、愚かで盲目な嘘を信じているこの国のある種の「クリスチャン」と称する人々は、この殺人に抗議することはありません。あたかも彼らは「この殺人だけはいいのだ」といいたいかのようです。そうです、ここにおいても、「殺すな」という神の「律法」は、クリスチャンの間で、変えられているのです。

また、「聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる」と書かれています。
ですから、私たちが終末に生きる、主につくクリスチャンなら、これから、この獣の国主導による、3年半の迫害の時がくることを覚えましょう。この獣の国はとっくに現われており、その日は近いのです。

この国はまた、黙示録に以下のように書かれたあたかも「終末の日に悪魔の意志を行う」ために、起こされたかのような国なのです。何故なら、聖書は以下のように終末の日に「底知れぬ所から上って」来るある特定の国に関して語っているからです。

黙示録17:8 あなたの見た獣は、昔いたが、今はいません。しかし、やがて底知れぬ所から上って来ます。”

この国、初代大統領ワシントンを始め、多くの大統領が悪魔礼拝者、フリーメーソンである特別な国こそ、終末の裁きのために「底しれぬ所から上って」きた特別な国なのです。
私たちはこの国を見わけなければなりません。

”26 しかし、さばきが行なわれ、彼の主権は奪われて、彼は永久に絶やされ、滅ぼされる。
27 国と、主権と、天下の国々の権威とは、いと高き方の聖徒である民に与えられる。その御国は永遠の国。すべての主権は彼らに仕え、服従する。』
28 ここでこの話は終わる。私、ダニエルは、ひどくおびえ、顔色が変わった。しかし、私はこのことを心に留めていた。」”

しばらくは、迫害がありますが、主にある裁きは必ず行われることを知りましょう。
 

さて、ここでこの7章でわかったことをまとめましょう。
1)終末の日には、特別に起きてくる一つの角(国)がある。この国が終末の日の獣の国の中心である。
2)この国は、ローマ、ヨーロッパの流れの民族の移民からできる国である。
3)しかし、地理的にはヨーロッパから出てきて、ヨーロッパ以外の場所に国を構える。
4)この一本の角、国は、ヨーロッパの国々より新しい。
5)この国は、ヨーロッパの個々の国より、面積的にもまた軍事的にも大きい。
6)この国は、人間、すなわち、キリスト教国の看板を持つ。

これらの条件を満たす国を考えてみましょう。誰でも、すぐある国が思いうかぶでしょう。そうです。その国こそ、終末の日に悪魔に特別に用いられるために、建てられた国なのです。時々聞かれる、
「この国は聖書に出てこない」などという教えはガセネタに過ぎません。

終末における主のみこころを行いましょう。

ー以上ー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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