No.147 女と蛇


テキスト:”ヨハネの黙示録 12:1 また、巨大なしるしが天に現われた。ひとりの女が太陽を着て、月を足の下に踏み、頭には十二の星の冠をかぶっていた。
2 この女は、みごもっていたが、産みの苦しみと痛みのために、叫び声をあげた。
3 また、別のしるしが天に現われた。見よ。大きな赤い竜である。七つの頭と十本の角とを持ち、その頭には七つの冠をかぶっていた。
4 その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。また、竜は子を産もうとしている女の前に立っていた。彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。
5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである。その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。
6 女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。
7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは、竜と戦った。それで、竜とその使いたちは応戦したが、
8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。
9 こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。
10 そのとき私は、天で大きな声が、こう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現われた。私たちの兄弟たちの告発者、日夜彼らを私たちの神の御前で訴えている者が投げ落とされたからである。
11 兄弟たちは、小羊の血と、自分たちのあかしのことばのゆえに彼に打ち勝った。彼らは死に至るまでもいのちを惜しまなかった。
12 それゆえ、天とその中に住む者たち。喜びなさい。しかし、地と海とには、わざわいが来る。悪魔が自分の時の短いことを知り、激しく怒って、そこに下ったからである。」
13 自分が地上に投げ落とされたのを知った竜は、男の子を産んだ女を追いかけた。
14 しかし、女は大わしの翼を二つ与えられた。自分の場所である荒野に飛んで行って、そこで一時と二時と半時の間、蛇の前をのがれて養われるためであった。
15 ところが、蛇はその口から水を川のように女のうしろへ吐き出し、彼女を大水で押し流そうとした。
16 しかし、地は女を助け、その口を開いて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
17 すると、竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを保っている者たちと戦おうとして出て行った。
18 そして、彼は海ベの砂の上に立った。

本日は「女と蛇」という題でメッセージします。
黙示録12章を見ていきたいと思うのです。順にテキストを見ていきます。

”1 また、巨大なしるしが天に現われた。ひとりの女が太陽を着て、月を足の下に踏み、頭には十二の星の冠をかぶっていた。”

この女は太陽、月、星と書いてあるので、天の万象、アブラハムの子孫を表します。この女の特徴は天の存在であるということです。”天に現われた”と書いてある通りです。クリスチャンは本来、天に住む存在ですが、この女、教会はその位置を固く保っています。以下のような”地上に住む人々”とは対照的です。

”黙13:14 また、あの獣の前で行なうことを許されたしるしをもって地上に住む人々を惑わし、剣の傷を受けながらもなお生き返ったあの獣の像を造るように、地上に住む人々に命じた。”

次をみます。
”2 この女は、みごもっていたが、産みの苦しみと痛みのために、叫び声をあげた。”

この女と男の子を生むことは以下の予言の成就です。

”創世記 3:15 わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。」
16 女にはこう仰せられた。「わたしは、あなたのみごもりの苦しみを大いに増す。あなたは、苦しんで子を産まなければならない。しかも、あなたは夫を恋い慕うが、彼は、あなたを支配することになる。」”
 

創世記に記された女、サタンに一敗地にまみれた女はエバですが、神は女の子孫が蛇の頭を踏み砕くと予言されました。そして、”みごもりの苦しみを大いに増す”との予言通り、終末の苦難の中で、女に男の子、終末の勝利者が生まれてくるのです。
この”みごもりの苦しみ”とは、具体的には以下の苦難をさすものです。

”マタイの福音書 24:8 しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。
9 そのとき、人々は、あなたがたを苦しいめに会わせ、殺します。また、わたしの名のために、あなたがたはすべての国の人々に憎まれます。”

更に見ていきます。

”3 また、別のしるしが天に現われた。見よ。大きな赤い竜である。七つの頭と十本の角とを持ち、その頭には七つの冠をかぶっていた。”

この”七つの頭と十本の角”を持つ獣は終末の帝国です。この国は、天に住む人々を迫害します。

”4 その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。また、竜は子を産もうとしている女の前に立っていた。彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。”

星が天から地に投げ落とされるとは、クリスチャンがあるべき天のところから、地、この世の者へと
信仰、忠誠を落とされてしまうことです。かつての戦争中でも同じことがキリスト教会でありました。
国がその権力を使って、キリスト以外の者を拝させようとしたのです。そして、拝した人の信仰は”地に落ちた”のです。

”5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである。その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。”

この男の子をさす「鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧する」との表現は以下のテアテラの勝利者の表現と共通です。

ヨハネの黙示録 2:26 勝利を得る者、また最後までわたしのわざを守る者には、諸国の民を支配する権威を与えよう。
27 彼は、鉄の杖をもって土の器を打ち砕くようにして彼らを治める。わたし自身が父から支配の権威を受けているのと同じである。”

ですから、この子は教会の勝利者であり、殉教者であることがわかります。

”6 女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。

女は終末に主につき、天に住む神につく神の民(異邦人からなるクリスチャンと救われたイスラエル人)です。男の子はそこから生まれる殉教者です。
女は荒野に逃げます。荒野の反対語は何でしょう。恐らく都という言葉でしょう。だから、この神の民は都、裁かれる教会を離れるのです。この女、教会は1260日、3年半の大患難の間、神によって備えられた場所で養われます。この獣の大患難時代、この地球のどこに我々が隠れる場所があるのかと不安に思う人もいるでしょうが、神が備えるという以上、備えらるのです。

”7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは、竜と戦った。それで、竜とその使いたちは応戦したが、
8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。”

この戦いは飛行機の飛ぶ空や宇宙船が行きかう宇宙で行われるのではなく、教会のクリスチャンの間で行われる論争、戦いです。この時、多くの教会内の偽りの教えはあばかれ、もはや天、真の神の民の間では受け入れられなくなります。正しい真理が教会内で復活するのです。

”9 こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。”

あの古い蛇とはエデンの園で神のことばを曲げて我々の最初の先祖、アダムとエバを死に追いやった蛇です。彼は全世界、そして全教会を惑わし、偽りを教会内に注ぎこんでいましたが、それは、もう天に住む者達、真のクリスチャンの間では通用しなくなりました。

”彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。”

彼の使いどもとは、偽りの教えにこだわる教会の聖書学者、教師です。彼等も天の住人ではなく、
地の住人になります。

”10 そのとき私は、天で大きな声が、こう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現われた。私たちの兄弟たちの告発者、日夜彼らを私たちの神の御前で訴えている者が投げ落とされたからである。”

”神の御前で訴える”とのことばに注目して下さい。これは何をあらわすのでしょうか。
このことばは主イエスをしつこい質問ぜめにしたり、安息日をもってわなをかけようとした、パリサイ人、律法学者、そして、パウロを何度も法廷で訴えたユダヤ人達のことと関係があるのです。この時、真に聖書の真理に固く立とうとするものは告発、訴えられるのです。これは”あなた方を殺す者が皆、そうすることで自分は神に奉仕しているのだと思うときが来ます”とのみことばの成就です。

”11 兄弟たちは、小羊の血と、自分たちのあかしのことばのゆえに彼に打ち勝った。彼らは死に至るまでもいのちを惜しまなかった。”

しかし、真に真理に立つ者は命をかけてみことばの真理を守ります。

”12 それゆえ、天とその中に住む者たち。喜びなさい。しかし、地と海とには、わざわいが来る。悪魔が自分の時の短いことを知り、激しく怒って、そこに下ったからである。」”

この論争を通して、片方は天にとどまり、後に重い栄光を受けます。しかし、他方は、地に落ち、
悪魔の働く教会となります。黙示録13章の2つの角を持つ獣そのままになるのです。

”13 自分が地上に投げ落とされたのを知った竜は、男の子を産んだ女を追いかけた。
14 しかし、女は大わしの翼を二つ与えられた。自分の場所である荒野に飛んで行って、そこで一時と二時と半時の間、蛇の前をのがれて養われるためであった。”

終末の大患難時代の教会は”一時と二時と半時の間”、すなわち3年半の大患難の間、守られます。私達はこの時、神はそのしもべを守ることのできる方であることを見るでしょう。

”15 ところが、蛇はその口から水を川のように女のうしろへ吐き出し、彼女を大水で押し流そうとした。
16 しかし、地は女を助け、その口を開いて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。”

ここで、竜、蛇がその水や川で女を攻撃することがわかります。この水や川は何をあらわすのでしょうか。
この鍵は以下のヨハネ伝のみことばです。

ヨハネの福音書 7:38 わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる。」
39 これは、イエスを信じる者が後になってから受ける御霊のことを言われたのである。イエスはまだ栄光を受けておられなかったので、御霊はまだ注がれていなかったからである。”

水や川は基本的に聖霊のことをさすことがわかります。竜や蛇が聖霊を流すことはあり得ませんが、しかし、聖霊に似た悪霊の働き、川で女を押し流そうとすることは有り得ます。実際、このことはもう始まっています。もうすでに既にアメリカやカナダ等の多くの教会では”獣”のリバイバルがもてはやされています。
いわく、トロントブレッシング、ペンサコーラ、ブラウンズヒルのリバイバルです。複数の情報によれば、これらで用いられている器達は異言で「サタン、サタン」と呼ばわりながら、「火」を呼び下しているとのことです。

黙示録13章の「小羊のような2本の角を持つ獣」、すなわち終末の日に、地に落ち、神の前に獣と呼ばれる教会においても、火、すなわち、聖霊に似た霊の働きがあることが述べられています。

”ヨハネの黙示録 13:13 また、人々の前で、火を天から地に降らせるような大きなしるしを行なった。
14 また、あの獣の前で行なうことを許されたしるしをもって地上に住む人々を惑わし、剣の傷を受けながらもなお生き返ったあの獣の像を造るように、地上に住む人々に命じた。”

火を天から降らせるとは、ペンテコステの聖霊降臨と関係ある表現です。また、「しるし」とは聖霊による「しるしと不思議」と同じことばです。

続けてみます。

17 すると、竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを保っている者たちと戦おうとして出て行った。”
 

竜のねらいは、”、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを保っている者たち”です。もうすでに獣化された教会ではありません。もし、私達が神の戒めを守り、イエスのあかしを保つ立場に立っているなら、その立場を保つことができるよう、祈りましょう。

”18 そして、彼は海ベの砂の上に立った。”

”砂の上に立った。”と書いてあります。彼は石の上に立ったとも岩の上に立ったとも書いてありません。砂は群衆をさし、石や岩は弟子をさします。終末の日に砂、すなわち、群衆の立場に私達の家を建てるなら、雨が降り、風が吹いた時、その家は倒れてしまい、しかもはなはだしい倒れ方をしてしまいます。弟子として歩みましょう。
 

終末における主のみこころを行いましょう。
 

ー以上ー

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