通算NO.82 イエスの時代と終末

テキスト: マタイ1:17
”それで、アブラハムからダビデまでの代が全部で十四代、ダビデからバビロン移住までが十四代、バビロン移住からキリストまでが十四代になる。”

主はご自分の時代に関して”この時代”と呼び、特別に扱っています。この表現は福音書に度々出てきます。以下の通りです。

1 ”マタイの福音書 11:16 この時代は何にたとえたらよいでしょう。市場にすわっている子どもたちのようです。彼らは、ほかの子どもたちに呼びかけて、”
2 ”マタイの福音書 12:41 ニネベの人々が、さばきのときに、今の時代の人々とともに立って、この人々を罪に定めます。なぜなら、ニネベの人々はヨナの説教で悔い改めたからです。しかし、見なさい。ここにヨナよりもまさった者がいるのです。”
3 ”マタイの福音書 12:42 南の女王が、さばきのときに、今の時代の人々とともに立って、この人々を罪に定めます。なぜなら、彼女はソロモンの知恵を聞くために地の果てから来たからです。しかし、見なさい。ここにソロモンよりもまさった者がいるのです。”
4 ”マタイの福音書 23:36 まことに、あなたがたに告げます。これらの報いはみな、この時代の上に来ます。”
5 ”ルカの福音書 11:50 それは、アベルの血から、祭壇と神の家との間で殺されたザカリヤの血に至るまでの、世の初めから流されたすべての預言者の血の責任を、この時代が問われるためである。そうだ。私は言う。この時代はその責任を問われる。』”

さて、このイエスのおられた時代は聖書的にいってどのような位置付けの時代なのでしょう。それを見ていきたいと思います。

上記のテキストでアブラハムからイエス迄の系図は以下のように3つに分けられることがわかります。

1 アブラハムからダビデまでの代が十四代
2  ダビデからバビロン移住までが十四代
3 バビロン移住からキリストまでが十四代

このように聖書は記述しているのです。しかし、ここで普通に考えてみると不思議なことがあります。それは系図が3つに区分されていることです。普通、人が系図を記す時は足利尊氏から27代目とか神武天皇から100代目の天皇陛下とかはいうものの、このように3つに分けたりはしません。この区分するということは何か特別なことです。また、同じ区分するのにも何故、3つに区分するのでしょう。2つに分けてはいけないのでしょうか。さらにまた、もう一つのことがあります。人の系図を記しているのに、突然バビロン捕囚のことが数えられているのです。バビロン移住が区切りになっているのです。すなわち、”ダビデからバビロン移住までが十四代”という記述です。これもまた不思議です。

ですから、これらのことから、いくつかのことが推測されます。

1 この3つの区分には何か意味がある。
2 また、このバビロン移住という区分には何か意味がある。

さて、上記の3つの区分のうち、2つ目の区分について考えて見ます。この”ダビデからバビロン移住”迄の期間とは他でもない、ダビデ王朝の始まりから終りに至るまでの期間です。すなわち、王国の始まりからその滅亡までの期間です。私は個人的にこれは、神の国(王国)である教会時代の型の期間だと思っています。

すなわちダビデの王国はダビデの時に始まり、そしてバビロン移住により終わりました。同じように教会時代もキリストの時代に始まり、バビロン滅亡で終わるからです。

すなわちこの区分はダビデから始まり14代目のバビロン移住により終わっているのです。すなわち、14代目のバビロン移住はいわば終末の時代の予表なのです。

さて、目を転じて、上記の3つ目の区分、”バビロン移住からキリストまでが十四代”という区分を見て下さい。この区分の最後、すなわち14代目はキリストの時であることに気付きます。すなわち、イエスの時代はバビロンの時代と同じ位置、順番に対応しているのです。どちらも14代目なのです。ですから、バビロン捕囚の時が終末の淫婦バビロンの時の型なら、イエスの時代も同じように終末の時代に相当することになります。

このことは何か語りかけがあります。私は以前からイエスの時代とは終末の時代の予表ではないかと思っています。そして、聖書も実は、イエスの時代をバビロンの時と同じ、14代目に置くことにより、暗にそのことを語っているのではないかと思えるのです。

そして、もし神がそのようにイエスの時代を意図されているなら、我々がそのようにその時代を見ていく時、すなわちイエスの時代を終末の型として見ていく時、主の語られた”イエスの時代”に関するみことばの意味は開かれてきます。これらに関する正しい解釈が与えられてくると思われます。

ますます終末における主のみこころを行っていきたいと思います。
 

ー以上ー 

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