通算No.70 殉教の時代

テキスト: 黙示6:9ー11
”9 小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てたあかしとのために殺された人々のたましいが祭壇の下にいるのを見た。
10 彼らは大声で叫んで言った。「聖なる、真実な主よ。いつまでさばきを行なわず、地に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか。」
11 すると、彼らのひとりひとりに白い衣が与えられた。そして彼らは、「あなたがたと同じしもべ、また兄弟たちで、あなたがたと同じように殺されるはずの人々の数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいなさい。」と言い渡された。”

黙示7:9ー17
9 その後、私は見た。見よ。あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、だれにも数えきれぬほどの大ぜいの群衆が、白い衣を着、しゅろの枝を手に持って、御座と小羊との前に立っていた。
10 彼らは、大声で叫んで言った。「救いは、御座にある私たちの神にあり、小羊にある。」
11 御使いたちはみな、御座と長老たちと四つの生き物との回りに立っていたが、彼らも御座の前にひれ伏し、神を拝して、
12 言った。「アーメン。賛美と栄光と知恵と感謝と誉れと力と勢いが、永遠に私たちの神にあるように。アーメン。」
13 長老のひとりが私に話しかけて、「白い衣を着ているこの人たちは、いったいだれですか。どこから来たのですか。」と言った。
14 そこで、私は、「主よ。あなたこそ、ご存じです。」と言った。すると、彼は私にこう言った。「彼らは、大きな患難から抜け出て来た者たちで、その衣を小羊の血で洗って、白くしたのです。
15 だから彼らは神の御座の前にいて、聖所で昼も夜も、神に仕えているのです。そして、御座に着いておられる方も、彼らの上に幕屋を張られるのです。
16 彼らはもはや、飢えることもなく、渇くこともなく、太陽もどんな炎熱も彼らを打つことはありません。
17 なぜなら、御座の正面におられる小羊が、彼らの牧者となり、いのちの水の泉に導いてくださるからです。また、神は彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださるのです。」

終末には大きな患難が起こり、その中で大きな殉教が起こることを聖書は度々述べています。これらのことに関してみていきたいと思います。私たちは終末におきることを正しくしらなけらばなりません。それは、”あなたがたは、主の日に、戦いに耐えるために、破れ口を修理もせず、イスラエルの家の石垣も築かなかった。”といわれないためです。

終末の大規模な殉教に関してはダニエル書に記してあります。
ダニエル書 7:25 ”彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる。”

3年半の間、神の聖徒ークリスチャンが王の獣の手にわたされ、滅ばされそうになることが書いてあります。

ダニエル書 8:10ー12
” それは大きくなって、天の軍勢に達し、星の軍勢のうちの幾つかを地に落として、これを踏みにじり、
軍勢の長にまでのし上がった。それによって、常供のささげ物は取り上げられ、その聖所の基はくつがえされる。
軍勢は渡され、常供のささげ物に代えてそむきの罪がささげられた。その角は真理を地に投げ捨て、ほしいままにふるまって、それを成し遂げた。”

星の軍勢ークリスチャンの群れのいくつかの信仰がくつがえされ、反キリストが教会の長になることが書かれています。

さて、それとともに上記の黙示7章にも同じことが記されています。終末におきる大きな殉教について記されています。

テキストに沿ってみていきたいと思います。

”小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てたあかしとのために殺された人々のたましいが祭壇の下にいるのを見た。

ここで殉教者が出てきます。彼等は終末における初期の殉教者です。しかし、彼等の数は大きなものではありません。

”彼らは大声で叫んで言った。「聖なる、真実な主よ。いつまでさばきを行なわず、地に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか。」”

彼等のことばに注目して下さい。彼等は自分たちを殺した者へのさばき、復讐を求めています。

さて、それに対する神の答えはどうでしょうか。さばきをしない、私は愛の神だから復讐をしないということではありません。そうではなく、こういわれています。
”「あなたがたと同じしもべ、また兄弟たちで、あなたがたと同じように殺されるはずの人々の数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいなさい。」”

数が満ちることについてのみ神は語っているのです。神はさばきをおこなう、復讐を行う神である、しかし、ただ今は殉教者の数が満ちていない、そのことを語っているのです。

そして黙示録の8章以降を見るとその裁きが突然始まっていることがわかります。6章では数が満ちないと神は語られています。そして8章以降ではもうさばきが行われています。この間に何が起きたのでしょう。それをみていきたいと思います。

さて、7章に入ると多くの群衆がでてきます。
”その後、私は見た。見よ。あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、だれにも数えきれぬほどの大ぜいの群衆が、白い衣を着、しゅろの枝を手に持って、御座と小羊との前に立っていた。”

彼等は大患難の中で殉教する多くのクリスチャンです。”あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから”と書いてあります。終末の獣の国は全世界を支配します。その支配下で、どの国のクリスチャンも苦難を経験するのです。ですから、殉教者もあらゆる国からでてくるのです。

”白い衣”とあります。これは6章の殉教者と同じ表現です。またこの大群衆の記述の後、黙示録では地上に住む者たちへの裁きが開始されます。これにより神のいわれていた”殉教者の数”が満ちたことがわかります。

”長老のひとりが私に話しかけて、「白い衣を着ているこの人たちは、いったいだれですか。どこから来たのですか。」と言った。
 そこで、私は、「主よ。あなたこそ、ご存じです。」と言った。すると、彼は私にこう言った。「彼らは、大きな患難から抜け出て来た者たちで、その衣を小羊の血で洗って、白くしたのです。”

聖書の中で何か質問されている時、それはその箇所に私たちの注意を喚起するためにされていることが多いのです。この時も”白い衣を着ているこの人たちは、いったいだれですか。どこから来たのですか。”という質問がされています。私たちはこれらの人がどこから来たのか、正しく知らなければなりません。このことが大事なことなのです。

”すると、彼は私にこう言った。「彼らは、大きな患難から抜け出て来た者たちで、その衣を小羊の血で洗って、白くしたのです。”
 
ここにはっきり、間違えようのない答えがなされています。この人達は大きな患難から出てきた人達なのです。
そして、聖書の中では大きな患難とはただ一つのことをさします。すなわち終末の大患難のことです。

またここで使われている”大きな患難”ということばは他の箇所で使用されている大患難をさす原語と全く同じことばです。例えば以下の箇所のことばと同じなのです。

マタイの福音書 24:21 ”その時には、世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである。” (口語)

またここにはこの群衆の人数について、”だれにも数えきれぬほどの大ぜいの群衆”との表現がされています。黙示録に記されているもっとも大きな数字は2億です。ですから、この人々はそれ以上の人数なのでしょう。

ですから、このように聖書は終末の患難時代における大きな殉教に関して確かに述べていることがわかります。

終末のことに関しての教理、教えには多くの惑わしが含まれやすいのです。何故なら、ヨハネやパウロが言うように、教会時代の早い時期から始まった反キリストの教え、不法の秘密があるからです。しかし、この時代に主のみこころを行うためには正しくみことばをとらえていかなければなりません。

繰り返すようですが、黙示録の大きな特徴は終末の時代に大きな災害、殺害、滅びが起きると書かれていることです。愛の神である方が何故このような恐ろしい出来事を許されるのでしょう。その理由はこの時代に殺される多くの数の殉教者です。これらの地上へのさばきは多くの殉教者の流された血の報いとして行われるのです。

以下のキリストのことばをみてください。。
マタイの福音書 23:32 ”あなたがたも先祖の罪の目盛りの不足分を満たしなさい。”
マタイの福音書 23:35、36 ”それは、義人アベルの血からこのかた、神殿と祭壇との間で殺されたバラキヤの子ザカリヤの血に至るまで、地上で流されるすべての正しい血の報復があなたがたの上に来るためです。 まことに、あなたがたに告げます。これらの報いはみな、この時代の上に来ます。”

多くの殉教者の血の報い、そして主イエスの血の報いはこの時代ーイエスの時代の上にきました。このことは終末の時代の型です。終末にも同じパターンが繰り返されます。殉教者の数が患難時代に満ち、そして地に住むものたち、この世についた神の民へのさばきがおこなわれるのです。

患難時代に流される多くの殉教者の血こそ、黙示録の時代の初めであり、その時代のさばきの理由なのです。

聖書はこのように明確に患難時代における殉教について語っているのに、多くのクリスチャンは何の備えもなしにリバイバルそしてそれに続く患難時代に突入しようとしています。

しかし、”主の日に、戦いに耐えるために、破れ口を修理し、イスラエルの家の石垣を築”くことが神の命令です。主にあって終末の備えをしていきましょう。

ー以上ー

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