通算No.61 ダニエルの時代と終末

テキスト:ダニエル3:24ー26

”24 そのとき、ネブカデネザル王は驚き、急いで立ち上がり、その顧問たちに尋ねて言った。「私たちは三人の者を縛って火の中に投げ込んだのではなかったか。」彼らは王に答えて言った。「王さま。そのとおりでございます。」
25 すると王は言った。「だが、私には、火の中をなわを解かれて歩いている四人の者が見える。しかも彼らは何の害も受けていない。第四の者の姿は神々の子のようだ。」
26 それから、ネブカデネザルは火の燃える炉の口に近づいて言った。「シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴ。いと高き神のしもべたち。すぐ出て来なさい。」そこで、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴは火の中から出て来た。”

ダニエル書は世界の歴史、特に終末の時代に関して多くの預言をしている書です。
この書にはいくつもの特徴がありますが、その一つの特徴はいくつかの迫害の事実が記してあることです。ダニエル及びその友人達が迫害にあっています。そして、その理由、経過、結末が詳しく記してあります。これはこの書の大きな特徴です。

何故神はこの書にこのような記事を書かれたのでしょうか。それを考えてみたいと思います。

ダニエル達は、バビロンに捕囚となっていたわけですが、このバビロンということばは、終末において意味のあることばです。終末において、”淫婦バビロン”
が裁かれるといわれているからです。このバビロンは終末に裁かれる淫婦バビロンの型です。
ですから、迫害にあうダニエル達は終末のバビロンの中で、迫害に会う聖徒達の型といえると思います。

1 終末に迫害に会う聖徒の一つの特徴がダニエル書に書いてあります。以下のみことばを見て下さい。

”「シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴ。いと高き神のしもべたち。すぐ出て来なさい。」”

”その穴に近づくと、王は悲痛な声でダニエルに呼びかけ、ダニエルに言った。「生ける神のしもべダニエル。あなたがいつも仕えている神は、あなたを獅子から救うことができたか。」”

どちらも神のしもべと書かれていることに注目して下さい。いわんとしていることは、こういうことです。終末のバビロンー終末のバビロン化された教会において迫害があるということです。そして、それは神のしもべへの迫害であるということです。

2 また彼等が何故迫害にあったのかが書いてあります。

2つのことが書いてあります。一つは王の建てた金の像を拝まなかったことです。もう一つは王に祈願せず、真の神に祈ったことです。これらは、終末の日に再現されると思います。

聖書には、反キリストが神殿に座すと書いてあります。聖書でいう神殿とはエルサレムの神殿のことですが、現在エルサレムには神殿はありません。それどころかイスラム教の寺院がたっています。ですから、むしろこれは、キリストの体ーすなわち、みからだなる教会ととった方が現実性があります。

すなわち、反キリストが教会の中心に座すのです。その時、ここに記されていることは再現されるでしょう。また、終末には常供のささげものが中止されるとも書いてあります。すなわち、神への献身が中止されるのです。その時、祈りも中止されるでしょう。
しかし、ダニエル書のどの迫害においても神が奇蹟的な方法で神のしもべを助けられました。おそらく終末においても神の奇蹟的な助けを見ることでしょう。しかし、またみこころの中で、殉教する人もいると思われます。どちらであっても主のみこころをおこないたいと思います。

3バビロンにおける迫害

聖書は繰り返し、繰り返し患難時代のことを述べています。そしてそこにおける迫害について述べています。このダニエル書もそうです。それなのに何故、多くの聖書学者はクリスチャンは患難時代を通過しないというのでしょう。

もしクリスチャンが患難時代を通過しない、それらの患難に入らないなら、何故そのために備えなければならないのでしょう。
例えば、高校や大学に入るとき入学試験があります。その試験に通らないと学校へ入れないのでみな一生懸命受験勉強をします。毎日何時間も勉強してその日に備えるわけです。しかし、その受験勉強をする必要のない人達がいます。彼等は推薦入学が決まっている人達です。彼等だけは特別です。きびしい試験を彼等だけは免除されるので、試験勉強をして備える必要はないのです。同じように、もしクリスチャンが患難時代を通過しないなら、患難時代に備える必要はないのです。

しかし実際は聖書の多くのみことばはその時への備えを語っています。また”主の日の戦いに備えて”ということばはどうとらえるべきなのでしょう。患難時代の前に全てのクリスチャンは引き上げられ、悩みにあわないという人々は無意味に人々を惑わす者ではないかと私は思っています。
 

主にあって終末の備えをしていきましょう。

ー以上ー

目次へ戻る moku3.html