霊的な賜物というより

霊的な災害をもたらす第3の波の霊

 

 
 
 

 知性を停止し、神秘主義を暴れさせるカリスマ的傾向こそ、1コリント14章の中でパウロが非難
したことがらの本質だ。パウロは、コリント人の異言の賜物の誤用を非難して、教会での霊的賜物による働きは人々の「知性」に向けられるべきだと言う。「教会では、異言で一万語話すよりは、ほかの人を教えるために、私の知性を用いてつのことばを話したいのです」(14:19)と。この原則はすべての霊的賜物に当てはまる。「あなたがたは御霊の賜物を熱心に求めているのですから、教会の徳を高めるために、それが豊かに与えられるよう、熱心に求めなさい」(14:12)。

「神が混乱の神ではなく、平和の神だからです」(14:33)。しかし、
 混乱と無秩序が今日の典型的なカリスマ派の集会を支配している。NorvelHayesは、耳の聞えない人を癒したときのことを、「その人は床に、前にまっすぐ倒れた。歯が全部折れたと思われたが、そんなことはなかった。それから、跳び跳ね、またひっくり返った。その衝撃は鼻を折りうるものだが、そんなことはなかった。再び、床から跳び跳ね、また倒れた。今度は60秒ほど静かに倒れていた。そして、口を開き、チューチューという鼠のような声がした。その音は大きくなり、大鼠のような音になり、ついにはハイエナの吠えるような音になった。少しして、その人は頭を振って床から起き上がった。まるで頭を棒で殴られたようだったが、両耳は栓を抜いたように開き、胃のこぶは消えていた。(中略)(人々は)席から跳び上がり、私に向かって走って来て、r私のために祈って』と言う。手を伸して祈り始めると、まるで神の風が私の手の中に吹いてくるようだ。人々は床一面に横たわり、その中には[伝統的な]教派の牧師もいた。神は聖霊のバプテスマを施した。床に倒れると、彼らは異言を語り始めた」と言う。
 

 Haginは、「特別の油注ぎ」が彼のミニストリーで示されたときに彼がした信じ難い癒しの話をする。「病人のために祈祷中に、幾度か、異常なことをするために私に油が注がれた。時には、[次の油注ぎが起るまでの]間に5〜6年経つ。

女性の腹をこぶしで打てと聖霊が命じる?


 最初は1950年だ。オクラホマ州で説教した。一人の婦人が祈りのために前に出て来た。72歳だと言うが、今にも出産しそうだ。腫瘍だ。(中略)彼女に手を置いて祈ると、主の言葉が聞え、こぶしで彼女の腹を打て』と言う。心の中で、『主よ、私を困らせるのか。女性の腹をこぶしで打つなんて。そんなことはしたくない』と言った。議論するなら、油注ぎはあなたを去る。肩にとまった鳥が飛び立つように離れ去る。油注ぎは私から離れた。離れ去ったとき、私は、さあ、行って、手を置いて祈ってあげようと考えた。再び彼女に手を置くと、油注ぎが再び訪れ、『こぶしで彼女の腹を打て』との主の言葉も再び与えられた。そうする前に会衆に説明するのがよいと決めた。主が言ったことを話し、こぶしで彼女の腹を打った。神と何百人もの人は、その腹がピンで刺された風船のようにしぼんだことの証人だ」と。Haginはほかにも、彼が頭を打った男性と腎臓を打った女子大生のことを語る。

 この方法は実際に危険で、特に年配者や衰弱した人には危険だが、Haginの話を開いた多くのカリスマ派は疑いも持たずにこの方法を真似ている。

 癒しを求めてBenny Hinnに触れてもらいに来た85歳の女性は、聖霊によって倒された別の人の下敷きになり、骨折して死亡した。彼女の遺族はHinnに対して500万ドルの[揖害賠償]訴訟を起した。

 カリスマ派の無秩序は通常、肉体の死に至るものではないが、霊的被害者を生んでいる。私は、妻が狂信的なカリスマ派の集会に巻き込まれたというキリスト者男性から手紙を受け取った。彼は悲嘆に暮れて助言を求めてきた。「妻は、私が異言を語らないので、私が救われていないと確信するカリスマ派の女性のグループに巻き込まれた。そしてそう教えられた。(中略)ついに、彼女は別居し、2か月前には離婚訴訟をしてきた。もう終りだ」と。
 

 猿のような悪魔を見る女性


関心を持つ親が私たちの教会に相談をしに来たこともある。その娘が、有名な第三の波の教会の霊的賜物ワークショップに巻き込まれたのだ。母親は、「1989年12月に(彼女は)異言を語りだした。じきに天使を見るようになった。一人の武装した天使がいつも玄関先におり、もう一人が居間にいるという。大きな翼を持つ。彼女は、夫が出張中に、護衛のために彼女の天使を送るよう神に祈ったと言う。2、3か月後、彼女は悪魔も見始めた。ある夜、猿のような悪魔が夫の頭におり、彼女にシューシュー言う。彼女は、車の屋根に乗っている悪魔、屋根の頂上に立っている悪魔、天使と戦っている悪魔をも見る。彼女はしばしば、人々の周りに闇を見る。これが見えるのは神の賜物と彼女は信じる。霊を試しなさいと言うと、彼女は怒る。(中略)彼女は、主が『そうだ、これはわたし、主だ』と言うと言うのである。

私はそれらは全部
悪魔だと信じる。私が聖書を読むように言うと、彼女は聖霊が心に教える聖書の箇所しか読まないと言う。彼女を訪ね(中略)一つの集会に出てみた。カンサスシティから(中略)の預言者が来ていた。彼は部屋にいたほぼ全員の過去、現在、未来を語った。幾つかは信じられないほど真実で、ほかはまだ起っていない。(娘は)この賜物をほしいと願い、今はときどき、人の額に書かれたその人の罪が見える。そして悪魔を追い出す。私が、聖書が言うように霊を試しなさいと言ってからは(中略)彼女は何が見えるのか言わない。私たちの間には壁ができた感じだ」と記す。

 多くのカリスマ派同様、この若い女性は、体験が聖書研究と霊の識別を不要にすると信じる。母親の聖書的な助言(1ヨハネ4:1、「愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、ためしなさい。なぜなら、にせ預言者がたくさん世に出て来たからです」)に立腹し、拒絶した。なぜ霊的な世界から来た存在を見ることさえできない母親の願いを開かなければならないのか。なぜ唯一の啓示された真理は聖書だとする者から教えを受けなければならないのか[と彼女は考えている]。この若い女性は、自分が聖霊と特別に親密な関係にあると信じ、彼女に必要な聖書は聖霊が心にもたらす偶然の、脆絡のない箇所だけだと言う。その間に、彼女はあらゆる種類の霊を見、交わる。あるものは悪魔だとわかっているが、そのほかは試す必要はないと思う。彼女は超感覚的な力を高めようとする。霊的悲劇のレシピーがあるなら、彼女はそれを見つけたのだ。

 カリスマ運動は、聖書と健全な理性とを用いて真理を見分けることをやめさせて、霊的な惨事を生み出す。代りに、真理が、しるし、不思議、その他の神従的なもので主観的に評価される。Kenneth Haginは、霊的賜物の真偽を見分ける基準を、「神が動くと、万人が祝福される。肉的なものなら、万人が嫌な感じを持つ。悪魔的なものな?ら、頭の毛が逆立つ感じがする。霊的識別力を持つか否かを問わず、これは万人が判断できる簡単な方法だ」と説明する。

 彼らは霊的識別力を持っているのか否か。明瞭に表明されているように、何がカリスマ的神秘主義の誤りかを正確に定義する指導者の声明がある。霊的識別力は不要と考えるものだ。Kenneth Haginによれば、真理か肉的か悪魔的かの判断は、単純化された生体自己制御(biofeedback)システムそのもののプロセスによって可能なのだ。

 カリスマ派は再三再四同じことを開かされている。「Put your mind on hold(心を把握せよ)」「Ignore reason(理性を無視せよ)」「Listen to your feeelings(感性に開け)」と。この種の極端な神秘主義は、既述の通り、聖書が正しい霊的識別について語ることすべてに反対する。
 霊的賜物は、教会の中に愚かな無秩序や大混乱を起すものではない。単なる見世物でもない。それは教会の徳を高めるためで、特定の個人のためではない(1コリント14:4〜5、17、26)。賜物を利己的に用いて見世物にしたり、霊的眩惑に陶酔したり、他人を意識不明にする者を見たら、それは正当な霊的賜物を用いているのではないと確信して構わない。
 明らかに今日、たくさんの偽の賜物が本物としてまかり通っている。その結果は教会の建て上げではなく、教会の引き裂きだ。
 

Kenneth Hagin

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