イスラエルによるロコースト | 2003

 

 

        イスラエル軍侵攻、パレスチナ人9人が銃撃などで死亡
        【エルサレム=当間敏雄】パレスチナ自治区からの情報によると、イスラエル軍は2日未明、ガザ地区中部のパレスチナ難民キャンプに戦車などで一時侵攻、激しい銃撃戦の末、パレスチナ人4人が死亡した。イスラエル軍は「継続中のテロとの戦い」の一環と説明した。
        ガザ地区では1日にも、ユダヤ人入植地への侵入を図ったとして10代のパレスチナ人3人がイスラエル兵に射殺された。
        また、ヨルダン川西岸では1日、イスラエル兵が入植地の攻撃に向かっていたと見られるパレスチナ人1人を射殺、2日には、国境警備隊が、民家に侵入してイスラエル人夫婦を人質に取ろうとしたパレスチナ人男性を射殺した。この2日間でパレスチナ人の死者は9人にのぼった。(読売新聞
        2003/01/02)
        ガザ地区でパレスチナ人男性射殺
        【ガザ8日ロイター】ガザ地区のユダヤ人入植地の外で、パレスチナ人男性がイスラエル軍に射殺された。
        目撃者や医療関係者らによると、死亡したのは同地区中部ハンユニス出身の30歳の男性。ユダヤ人入植地付近に駐屯しているイスラエル兵らを見ていたところ、頭部を銃で撃たれて死亡した。
        男性とパレスチナ武装勢力との関係は今のところ不明。
        イスラエル軍のコメントは得られていない。(ロイター通信 2003/01/08)
        ガザでイスラエル軍攻撃、少年4人死亡
        パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニス近郊で12日夕、イスラエル軍の武装ヘリが地上の乗用車をミサイルで攻撃した。自治政府筋によると、車に乗っていた2人のイスラム過激派ハマス活動家を暗殺する作戦だったが、2人は直前に逃走、車の近くにいた10代の少年2人が巻き添えになって死亡した。
        また13日、ガザのユダヤ人入植地ネツァリム近くで、パレスチナ人の少年2人がイスラエル軍の発砲を受けて死亡した。(朝日新聞 2003/01/13)
        イスラエル、自治区の2大学を閉鎖
        【エルサレム15日共同】イスラエル当局は、テルアビブで5日に起きた自爆テロに対する報復の制裁措置として、15日未明にヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ヘブロンにあるヘブロン大とパレスチナ工科大を閉鎖した。
        正門は鉄棒で閉じられており、投石する学生とイスラエル兵との間で衝突も発生した。
        一方、イスラエル軍は15日未明から、西岸トルカレムでパレスチナ過激派摘発作戦を展開、パレスチナ人少年2人が射殺されたほか、ジェニン近郊でもパレスチナ人1人が撃たれて死亡した。
        東エルサレムでは15日、テロへの関与で終身刑などの判決を受けたイスラム原理主義組織ハマス活動家3人の自宅を、イスラエル警察当局がコンクリートで封鎖した。(日本経済新聞
        2003/01/15)
        イスラエル軍ガザ市に侵攻 パレスチナ人12人が死亡
        【エルサレム海保真人】イスラエル軍は25日夜から26日未明にかけて、パレスチナ自治区ガザ市に戦車や装甲車約50両で侵攻、工場や店舗など約100の建物を破壊した。パレスチナ人武装勢力はこれに抵抗し、激しい銃撃戦が繰り広げられ、一般市民を含むパレスチナ人12人が死亡、約50人が負傷した。パレスチナ側によれば、00年秋の衝突発生以来、ガザ市では最大級の侵攻作戦という。
        同軍は24日朝にガザからイスラエル領の町スデロトにロケット弾が撃ち込まれた事件への報復の一環として侵攻作戦を敢行した。侵攻地はガザ市中心部から1キロに満たない場所だった。
        イスラエル軍は工場や市場の店舗が「過激派の迫撃弾やロケット弾の製造所に使われている」として戦車砲やブルドーザー、設置爆弾などで次々と破壊した。パレスチナ人武装勢力はライフル銃や対戦車砲などで抵抗し、銃撃戦と侵攻作戦は明け方までの約7時間、続いた。同軍側に負傷者はなかった。
        イスラエルのモファズ国防相はガザでのさらなる制圧策を検討中という。パレスチナのイスラム原理主義組織「ハマス」の幹部は報復を宣言した。また、自治政府のエラカト地方行政相は「シャロン首相は選挙運動をパレスチナ人の流血と侵攻策で締めくくるつもりだ」と言い、今回の侵攻が28日に投票が行われるイスラエル総選挙へ向けた示威行動だと非難した。(毎日新聞
        2003/01/27)
        イスラエル軍の攻撃でパレスチナ人5人死亡
        イスラエル軍が5日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸とガザで行った作戦で、パレスチナ人計5人が死亡した。
        ガザからの情報によると、同軍ヘリがガザ市の病院付近を攻撃し、院内にいた病院関係者2人が死亡。またガザのイスラム過激派宅を破壊する作戦で、家の中にいた65歳の女性が死亡した。
        西岸のナブルスとカルキリヤでも、イスラエル兵に石を投げたり、制止命令を聞かなかったりしたなどの理由で2人が射殺されたという。
        一方、イスラエル放送によると、ナブルス近郊の同軍基地が6日、武装パレスチナ人に襲撃され、兵士2人が死亡した。(朝日新聞 2003/02/06)
        シャロン首相は退任後にベルギーで訴追される可能性=最高裁が画期的裁定
        【ブリュッセル12日】ベルギー最高裁判所は12日、シャロン・イスラエル首相が首相退任後であれば戦争犯罪で訴追されることがあり得るという画期的な裁定を下した。イスラエル政府はこのような中傷的な裁定に怒りを表明し、駐ベルギー大使を召還するとともに、ベルギーの駐イスラエル大使を呼んで抗議した。
        この最高裁の裁定は戦争犯罪が行われる場所と無関係に訴追することができるという同国独特の人権保護法に基づき、世界の元指導者への訴追に道を開いた。最高裁は国際慣行により現役の国家指導者が他国で罪に問われることはないとの判断を示したが、同法の対象がベルギー在住者に限るという2002年6月の下級審の決定を覆した。
        下級審では82年のレバノンでの難民キャンプ虐殺を逃れたパレスチナ人23人が当時国防相だったシャロン首相を相手取り人権保護法違反で提訴したが、却下されていた。
        今回最高裁の裁定が出たことで、シャロン首相は首相を辞めればベルギー在住のいかんにかかわらず、虐殺容疑で訴追される可能性が出てきた。
        この人権保護法は93年に施行されたもので、ベルギー裁判所は戦争犯罪、人道に対する罪、虐殺について、これらがどこで起きようとも裁判することができると規定している。〔AFP=時事〕(時事通信
        2003/02/13)
        イスラエル攻撃による子供などのパレスチナ人被災、強く懸念=米国
        【ワシントン19日ロイター】米国は、イスラエルがヨルダン川西岸のガザ地区を攻撃した際に、パレスチナ人11人が死亡し、子供や若者らが含まれていたことに対して、「強い懸念」を表明した。
        国務省のバウチャー報道官は、「我々は、特にパレスチナの子供や若者といった民間人の犠牲に、非常な懸念を抱いている。犠牲は続き、イスラエル軍のヨルダン川西岸とガザ地区の攻撃によって発生している」と語った。
        救急関係者や目撃者らによると、イスラエル軍は戦車やヘリコプターによる支援のもと、ガザ地区にある過激派の拠点を攻撃。これにより、パレスチナ人11人が死亡、27人が負傷した。
        また、イスラエルはこれとは別に、ヨルダン川西岸の都市ナブルスに侵攻。目撃証言ではパレスチナ人2人を射殺した。
        15日にイスラエルの戦車が攻撃を受けて4人のイスラエル兵が死亡して以来、これまでに少なくとも合計で25人のパレスチナ人が殺害されている。(ロイター通信
        2003/02/20)
        イスラエルを強く非難
        【クアラルンプール共同】クアラルンプールで開幕した非同盟諸国会議の首脳会議で採択予定のパレスチナ紛争に関する特別声明の最終案が、イスラエルによる侵攻を、「組織的な人権侵害と戦争犯罪」と強く非難していることが24日、分かった。アラブ諸国の声を色濃く反映しており、25日に採択される見通し。(共同通信
        2003/02/24)
        パレスチナ:イスラエル軍が戦車などで侵攻、少年ら5人死亡
        【エルサレム海保真人】イスラエル軍は23日、ガザ北部のパレスチナ自治区ベイトハヌーンに戦車やブルドーザーで侵攻、イスラム原理主義組織「ハマス」の活動家の自宅などを破壊した。武装勢力との間で銃撃戦が起き、少年を含むパレスチナ人5人が死亡、約20人が負傷した。
        一方、これとは別に同日、ガザ中部のユダヤ人入植地ネツァリムに侵入しようとしたパレスチナ人1人がイスラエル兵に射殺された。(毎日新聞
        2003/02/24)
        イスラエル軍との衝突でパレスチナ人少年1人死亡
        【ガザ地区25日ロイター】ガザ地区でイスラエル軍とパレスチナ人の衝突があり、パレスチナ人少年1人が銃弾を受け死亡、11人が負傷した。病院筋が明らかにした。
        一方、ヨルダン川西岸では珍しく雪が降り、武力衝突は抑制された。
        病院筋によると、ガザ地区南部のラファ難民キャンプで、イスラエル軍戦車が自動車を砲撃し、13歳の少年が死亡。これに対し軍は、パレスチナ人の発砲に応戦したと主張、戦車の砲撃を否定した。
        目撃者情報によると、ラファではこれに先立ち、イスラエル軍は過激派メンバーとみられる人物6人の自宅を破壊した。(ロイター通信
2003/02/26)
        イスラエル軍がガザ難民キャンプに侵攻、8人死亡
        【ガザ3日ロイター】目撃者によると、イスラエル軍は3日、パレスチナ自治区ガザのブレイジ難民キャンプに侵攻。イスラム原理主義組織ハマスの幹部逮捕をめぐって衝突が発生し、少なくともパレスチナ人8人が死亡した。
        パレスチナ人病院関係者は、イスラエル軍が過激派の自宅を爆破した際、がれきの下敷きになって33歳の妊娠中の女性が死亡したと述べた。13歳の少年も銃撃戦に巻き込まれて亡くなったという。
        このほか、警官1人とハマスのメンバー1人が死亡。病院関係者によると、負傷者は少なくとも40人に上る。
        パレスチナ人目撃者の証言によると、イスラエル軍は、部隊が先に難民キャンプに入り、その後、戦闘ヘリに援護された戦車約35両と装甲車が侵攻した。(ロイター通信
        2003/03/03)
        パレスチナ少年、撃たれ死亡=ガザ
        【エルサレム2日時事】パレスチナ自治区ガザ市からの情報によると、ガザ地区南部にある自治区ハンユニスで2日、9歳のパレスチナ人少年がイスラエル軍兵士に撃たれて死亡した。パレスチナ治安筋などが語った。(時事通信
        2003/03/03)
        イスラエル軍:戦車40両でガザ侵攻 少年ら7人死亡
        イスラエル軍は3日未明、パレスチナ自治区ガザ中心部の難民キャンプに約40両の戦車で侵攻した。この侵攻で女性や14歳の少年も含むパレスチナ人計7人が死亡、約25人が負傷し、家屋数棟も破壊された。シャロン新内閣を発足後、自治区に大規模な侵攻を行うのは初めてで、新内閣の強硬な姿勢を改めて印象付けた。(毎日新聞
        2003/03/03)
        イスラエル軍、パレスチナ人3人を射殺
        【ガザ地区4日ロイター】イスラエル軍は、ガザ地区のユダヤ人入植地付近で年輩のパレスチナ人羊飼い1人を射殺、ヨルダン川西岸でも武力衝突でパレスチナ人2人を射殺した。
        これより先、米国はパレスチナ民間人の犠牲者が出ていることに懸念を表明していた。
        イスラエル軍報道官は「パレスチナ人の移動が禁止されているネツァリム入植地南西の地点で発見したロバに乗ったパレスチナ人1人を射殺し、遺体をパレスチナに返還した。現在この件について調査を行っている」と述べた。
        パレスチナ治安当局は、射殺されたのはネツァリムに隣接する村の85歳の羊飼いだったと発表した。
        ネツァリムなどガザ地区のユダヤ人入植地は、パレスチナ国家樹立の動きが活発化して以来、2年5カ月にわたってパレスチナ人によるテロ攻撃の主要な標的となっている。(ロイター通信
        2003/03/05)
        ガザ地区にイスラエル軍侵攻、パレスチナ人11人死亡
        【ジャバリヤ(ガザ地区)6日ロイター】イスラエル軍はガザ地区で大規模な攻撃を行い、少なくともパレスチナ人11人が死亡した。
        イスラエル国内で15人が死亡した自爆テロ事件への報復とみられており、死者の一部は戦車の砲撃を受けて死亡した。
        目撃者や医療関係者らが語ったところによると、イスラエル軍はジャバリヤ難民キャンプに侵攻。攻撃で商業ビルが炎上し、消火活動が行われていたところに、イスラエル軍の戦車が突っ込んだという。
        イスラエル軍側は、この攻撃に関する情報を把握していない、としている。(ロイター通信 2003/03/06)
        イスラエル軍、誤ってイスラエル人2人を殺害
        【ヘブロン(ヨルダン川西岸)13日ロイター】ヨルダン川西岸で13日、イスラエル軍兵士と武装ヘリが、イスラエル人警備員2人を武装パレスチナ人と誤認して射殺した。
        イスラエル軍が明らかにした。
        軍は、ヘブロン南東のユダヤ人入植地で、丘をう回して近づいてきた不審な車を発見したため発砲した、と説明。
        この地域ではここ数日、ユダヤ人入植者2人とイスラエル兵1人が射殺されるなど、パレスチナ人による「テロ攻撃」が頻発しており、警戒を強めていたという。
        パレスチナは、ヨルダン川西岸とガザ地区の検問所や道路の封鎖地点などに待機しているイスラエル兵は、発砲したがる傾向にあるとして、しばしば非難している。
        29カ月にわたる衝突で、これまでに少なくとも1925人のパレスチナ人と726人のイスラエル人が死亡している。(ロイター通信
2003/03/14)
        米平和運動活動家がイスラエル軍ブルドーザーの下敷きになって死亡
        【ガザ市16日】ガザ地区で16日、イスラエル軍の民家破壊を阻止しよ」うとした米国の平和運動活動家の女性がイスラエル軍ブルドーザーの下敷きになって死亡した。また別の場所ではイスラエル軍の銃撃でパレスチナ人2人が死亡した。
        亡くなったのは米国の首都ワシントン出身の女性レイチェル・コリーさん
        (23)で、ガザ地区ラファハの町で民家を破壊するイスラエル軍のブルドーザーを阻止しようとして全面に立ちふさがり、その下敷きになって死亡した。
        「国際連帯運動」の活動家はこの日、エジプト国境に近いラファハでイスラエル軍のブルドーザー2台による民家破壊を阻止しようとしたもので、コリーさんの死去の前に2軒の民家が破壊されていた。
        イスラエル軍スポークスマンはコリーさんの死について直接コメントしていない。
        ラファハでは同日43歳のパレスチナ人男性が死亡したほか、その北のカンユニスでも18歳のパレスチナ人若者がイスラエル軍の銃撃で死亡した。〔AFP=時事〕(時事通信
        2003/03/17)
        ref. Rafah: Rachel Corrie Murdered by Israeli Army
        (International Solidarity Movement)
        パレスチナ:ガザで銃撃戦、9人死亡 4歳少女も巻き添え
        【エルサレム海保真人】イスラエル軍は17日未明、ガザ中部と北部のパレスチナ自治区に戦車などで侵攻、一部で武装勢力との銃撃戦が起き、パレスチナ人9人が死亡した。
        このうち中部のヌセイラト難民キャンプでは、自宅内にいた4歳の少女が、イスラエル軍によるとみられる銃撃を胸に受けて死亡した。
        イスラエル軍は過激派掃討を名目に連日のようにガザに侵攻、一般市民の巻き添え犠牲が続出している。(毎日新聞 2003/03/17)
        少女ら4人を射殺 イスラエル軍
        【エルサレム26日共同】イスラエル放送によると、パレスチナ過激派の拘束を目的とした作戦を展開中のイスラエル軍特殊部隊が25日夜、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムで、10歳の少女を含むパレスチナ人4人を射殺した。イスラム原理主義組織ハマスの活動家ら3人が乗った車を銃撃した後、近くの別の民間人の車にも誤って発砲。ハマスの活動家ら3人と少女が死亡、少女の両親と姉も負傷した。西岸ジェニンでも同日、イスラエル軍の戦車の発砲で14歳のパレスチナ人少年が死亡した。(共同通信
        2003/03/26)
        イスラエル軍:過激派掃討作戦でパレスチナ人6人死亡
        イスラエル軍は3未明、ガザ南部のパレスチナ自治区ラファ難民キャンプに戦車約30台などで侵攻、銃撃戦や武装ヘリのミサイル攻撃により、パレスチナ人4人が死亡した。また、ヨルダン川西岸ではカルキリヤで14歳の少年が銃撃戦の巻き添えとなるなど、2人が死亡した。
        イスラエル軍はイラク戦争の陰で再び過激派掃討作戦を本格化させている。同軍は2日、西岸トゥルカルムの難民キャンプを包囲し、住民約1000人を一時拘束、尋問し、過激派を捜索した。(毎日新聞
        2003/04/03)
        米国人活動家が重傷 パレスチナ
        ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンで5日、パレスチナ支援団体、国際連帯運動で活動していた米国人男性(24)がイスラエル兵に撃たれ重傷を負った。
        ガザ地区南部の自治区では先月16日「人間の盾」として活動していた同団体の米国人女性がイスラエル軍のブルドーザーにひかれて死亡したばかり。
        男性は、ジェニンの同団体事務所の外で銃声がしたので外に出たところ、同軍の装甲車を発見。両手を挙げて立ち止まったが、約50メートルの距離から地面に向けて機関銃を乱射され、破片が顔などに当たったという。
        一方、イスラエル軍は5日、ヨルダン川西岸ヘブロン近郊のユダヤ人入植地キリヤトアルバで銃を乱射したパレスチナ人を射殺した。イスラエル側に死傷者はなかった。(共同)(産経新聞
        2003/04/07)
        ハマス幹部ら5人死亡 イスラエル軍がガザ攻撃
        【エルサレム8日共同】パレスチナ自治区ガザ市で8日夜、イスラエル軍の戦闘機が通行中の車をミサイルで攻撃、車内にいたイスラム原理主義組織ハマス軍事部門「イザディン・アルカッサム」の主要幹部サエド・アラビード氏や通行人の子供2人を含むパレスチナ人5人が死亡、40人以上が負傷した。病院当局者が明らかにした。
        イラク戦争開始後、イスラエル軍がパレスチナ自治区を空爆するのは初めて。ハマス幹部のランティシ師はイスラエル軍による「暗殺」と激しく非難し「ただちに報復する」と言明した。
        イスラエルは開戦後も、自治区でのパレスチナ過激派掃討作戦を断続的に続ける一方、パレスチナ情勢の激化が米国が進める軍事作戦の障害にならないよう、自治区での大規模な作戦を慎重に避けてきた。
        今回の空爆は、イラクでの戦況にかかわらず、掃討作戦を続けるイスラエル政府の意図を反映したものだ。(共同通信 2003/04/09)
        イスラエル軍、英国人「人間の盾」を銃撃
        【エルサレム=当間敏雄】パレスチナ自治区からの情報によると、ガザ南部の自治区ラファで11日午後、「人間の盾」としてイスラエル軍への非暴力抵抗運動を続けるパレスチナ支援団体「国際連帯運動(ISM)」の英国人男性(24)がイスラエル兵に頭部を撃たれ脳死状態となった。男性は軍とパレスチナ過激派との銃撃戦の中に取り残された子供を救助しようとしたという。ラファでは、先月16日にも「人間の盾」として活動していた同団体の米国人女性(23)が軍のブルドーザーにひかれて死亡したばかり。(読売新聞
        2003/04/12)
        イスラエル軍、ヨルダン川西岸とガザ地区でカメラマンら6人射殺
        【ナブルス(ヨルダン川西岸)19日ロイター】イスラエル軍は19日、ヨルダン川西岸とガザ地区で起きた衝突で、テレビカメラマンを含むパレスチナ人6人を射殺した。
        目撃者と医療関係者が証言した。
        ナブルスの旧市街カスバにイラク軍兵士数十人が侵攻し、多数のパレスチナ人の若者が投石して抵抗した。
        パレスチナのテレビ局勤務でAP通信と契約を結んでいた45歳のカメラマンの男性が、交戦に巻き込まれて顔を負傷、病院に搬送される途中で死亡した。
        また、ガザ地区のラファ難民キャンプでは日没後、イスラエル軍が戦車40両以上と装甲車で侵攻、衝突が発生して民間人を含むパレスチナ人4人が死亡、40人が負傷した。
        さらに、イスラエル軍筋によると、ヨルダン川西岸北部のパレスチナ人居住区ジェニン付近では、ユダヤ人入植地に侵入を図ったパレスチナ人過激派1人が射殺された。(ロイター通信
        2003/04/20)
        イスラエル軍がガザ地区の難民キャンプ攻撃、5人死亡・約70人負傷
        【ガザ地区20日ロイター】パレスチナの目撃者や医療関係者らによると、イスラエル軍が夜明け前にガザ地区のラファ難民キャンプを攻撃し、パレスチナ人5人が死亡、70人前後が負傷した。
        多くが民間人だったという。
        この攻撃で、イスラエル人の軍カメラマン1人が死亡したほか、兵士3人が負傷した。
        ラファの住民らは、今回の攻撃は40台の車輌を投入したもので、約30カ月にわたる対立の期間中で最大級だった、と話している。(ロイター通信
        2003/04/21)
        イスラエル兵:投石したパレスチナの高校生ら2人を射殺
        イスラエル放送などによると、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラ近郊で24日、パレスチナ人男性2人がイスラエル兵に撃たれ死亡した。
        うち1人は高校生で兵士らに投石していた。イスラエル軍は兵士の身に危険が及んだため、発砲したと説明している。もう1人はタクシー運転手で、通りかかった際に流れ弾に当たったらしい。(エルサレム共同)(毎日新聞
        2003/04/24)
        イスラエル軍がガザ地区に侵攻、幼児含む12人死亡
        【ガザ地区(パレスチナ自治区)1日ロイター】イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザ地区に侵攻し、2歳の幼児を含むパレスチナ人12人が死亡した。侵攻はイスラム過激派組織の掃討作戦の一環。
        今回の侵攻は、中東和平計画(ロードマップ)を提示した米政府など各国や、パレスチナの新政府に対して、中東和平計画があっても、イスラエルがこうした掃討作戦を続ける姿勢を示したものとみられている。
        ガザ地区周辺の住民らの話によると、イスラエル軍は武装ヘリコプターなどの援護で侵攻し、イスラム原理主義組織「ハマス」の活動家の自宅を包囲、激しい銃撃戦の後その4階建ての建物を破壊した、という。
        4月30日にはイスラエルのテルアビブで自爆テロが発生し3人が死亡している。このテロ攻撃について、ハマスなどが犯行を認めている。(ロイター通信
        2003/05/02)
        イスラエル軍の銃撃で英国人カメラマン死亡
        【ガザ3日ロイター】イスラエル軍はガザ地区南部で、武器密輸用トンネルの隠ぺいに使用されている疑いのある民家を破壊、この際、英国人テレビカメラマンが、イスラエル軍の銃撃を受けて死亡した。
        死亡したカメラマンのジェームズ・ミラー氏は、ラファのパレスチナ人難民キャンプで、子どもたちの窮状に関するドキュメンタリーを撮影中に銃撃され、イスラエル軍によって搬送され手当てを受けたが、死亡した。
        目撃者のパレスチナ人フリーカメラマンがロイター通信に語ったところによると、撮影現場から約100メートル離れた位置にイスラエル軍の戦車がいたことから、取材班は現場を離れることができなかった。
        このフリーカメラマンは、取材班はイスラエル兵から確実に見える位置におり、「TV」の文字が入ったベストを着用したり白旗を掲げていたりしていたものの、イスラエル兵は一行に発砲したとしている。
        イスラエル軍は、ミラー氏を狙って発砲したことを否定するとともに、部隊がトンネル発見に向けた軍事作戦を展開していたことを明らかにした。このトンネルは、武装勢力がエジプトからの武器密輸に使用しているものという。(ロイター通信
        2003/05/03)
        パレスチナ:度重なるイスラエル軍の侵攻 犠牲になる子供たち
        武装勢力の活動が活発なパレスチナ自治区ガザでは、度重なるイスラエル軍の侵攻や暗殺作戦に巻き込まれ多数の子供たちが死亡している。1日の侵攻では死者13人中5人が17歳以下の幼児や少年だった。中東和平に向け米欧が提示したばかりの「ロードマップ」は、パレスチナ過激派の自爆テロとイスラエル軍の侵攻という「暴力の連鎖」の前に、人々の期待を失いつつある。【ガザ(パレスチナ自治区)で樋口直樹】
        イスラエル軍の大規模侵攻から一夜明けた2日、ガザは悲しみと怒りに包まれていた。「イスラエル軍はあの建物の上から狙い撃ちしてきた。家から逃げ出すことさえできなかった」。イスラエル軍に破壊されたイスラム原理主義組織ハマスの活動家宅のがれきを前に、隣に住んでいる大学教員のアブヒエンさん(41)は、近くの5階建てアパートを指さした。
        1日未明に始まった侵攻についてイスラエル軍は「手配中のハマス活動家を逮捕するため家を包囲し、中にいた住人に外へ出るよう呼びかけた」と主張している。しかし、アブヒエンさんが軍から外に出るよう言われたのは侵攻開始から9時間ほどたった後で、それまでは銃弾を避けるため、6人の子供たちと一緒に床に伏せていたという。
        住民の話では、イスラエル軍は高い建物の上などに狙撃兵を配置し、パレスチナ武装勢力と銃撃戦を展開。しかし、特に夜間の戦闘では民間人を区別するのは難しく、射殺された子供たちは武装勢力と間違えられ狙撃されたか、流れ弾に当たったとみられている。
        パレスチナ側の報道によると、4月にイスラエル軍との戦闘などで死亡したパレスチナ人は61人で、うち13人は17歳以下だった。一方、イスラエル側も度重なる自爆テロや戦闘で兵士を含む10人が死亡。米国務省は1日、「無実の市民の死傷者を防ぐため、イスラエル政府にあらゆる予防策を講じるよう要請する」との声明を出した。(毎日新聞
        2003/05/04)
        パレスチナ:怒りと悲しみの遺族 殺された1歳児の父親
        イスラエル軍の1日のガザ侵攻では、2歳の誕生を翌日に控えた男児アミールちゃんも頭を撃たれて死亡した。父親のアイヤドさん(43)が2日、毎日新聞の取材に答えた。【ガザで樋口直樹】
        ――死亡時の状況は?
        たまたま窓際にいて、外から飛び込んできた銃弾に当たってしまった。当時、屋外では高い建物の上からイスラエルの狙撃兵が動くものを手当たり次第に撃っていた。
        ――その日のアミールちゃんの様子は。
        5人兄弟の末っ子だったあの子は、2日に2歳になるはずだった。あの日の朝、お漏らしして、恥ずかしそうに妻におしりをふいてもらっていた姿が忘れられない。
        ――中東和平に関する「ロードマップ」をどう思うか。
        昨日までは和平に期待を持っていた。でも、ロードマップの提示からわずか1日でこんな虐殺が起きたんだ。この先どうやって和平を信じろと言うんだ。
        ――自爆テロでもたくさんのイスラエルの子供たちが死んでいるが。
        彼ら(イスラエル人)は我々と同じように苦しまなければ、真剣にこの紛争を解決しようとは考えないだろう。(毎日新聞 2003/05/04)
        イスラエル兵発砲、1歳児死亡 ガザ
        パレスチナ自治区ガザからの情報によると、ガザ南部のハンユニスで7日、イスラエル兵がパレスチナ人の民家に発砲し、中にいた1歳のパレスチナ人男児が弾を受けて死亡した。
        ハンユニスはユダヤ人入植地に隣接している。軍は責任を認め、「パレスチナ側から発砲を受けたために応戦した」と説明している。(朝日新聞
        2003/05/08)
        イスラエル軍:パレスチナ人家屋を破壊 治安維持理由に
        【エルサレム樋口直樹】ヨルダン西岸やガザ地区で今年に入り、治安維持を理由に、イスラエル軍に破壊されるパレスチナ人の家屋が激増している。米欧が先月末に提示した中東和平に関する「ロードマップ」(指針)は、パレスチナ側にテロの終結を求める一方、イスラエル側にはパレスチナ人家屋の破壊などを行わないよう要請しており、両者間の信頼醸成に暗い影を落としている。
        国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、昨年末まで月平均30軒以下だった破壊件数は、今年に入り2倍以上の74軒に上っている。00年9月に激化したインティファーダ(反イスラエル闘争)以降、家を失ったパレスチナ人は1万2700人を超えた。破壊はしばしば深夜、ほとんど警告もないまま行われ、最近は爆発物で一気に破壊する方法も目立つという。
        イスラエル側はこうした破壊行為について、イスラエル人へのテロ行為に関与した人物や武装組織の活動家に対する制裁措置――などと説明している。地域的には、パレスチナ武装勢力による武器密輸の疑いが持たれているエジプト国境沿いのガザ地区南部や、パレスチナ自治区内に点在するユダヤ人入植地周辺での破壊が目立つという。
        UNRWAは家を失ったパレスチナ人のために避難所建設を急いでいるが、ハンセン事務局長は「いくら建て替えても、現在のような破壊に対応することは不可能だ」と懸念を示している。(毎日新聞
        2003/05/09)
        ガザでイスラエル軍の妨害するな…外国人に誓約書義務付けへ
        【エルサレム=当間敏雄】イスラエル軍は9日、ガザ地区に入る外国人に対し、今後、パレスチナ自治区内での軍の作戦を妨害しないことを誓約する文書への署名を義務付ける、と発表した。作戦地域で軍が「安全を保証できない」ことへの同意も求めている。死傷した場合、イスラエルに責任を問えない内容で、国際社会の批判を招きそうだ。
        ガザ地区では南部の自治区ラファで今月2日、軍がパレスチナ人の民家を破壊する模様を撮影中の英国人ジャーナリストがイスラエル兵士の銃撃を受けて死亡、3月にもラファで「人間の盾」活動をしていた民間活動団体(NGO)「国際連帯運動」(ISM)の米国人女性が軍のブルドーザーにひかれて死亡する事件があった。
        軍は、外交官、報道関係者らのガザ入りは制限しないと表明、作戦行動を妨害しようとするISMなど国際的なNGOの排除が目的としている。しかし、戦時の民間人保護を求めた国際法に違反する恐れもあり、英国のストロー外相は「受け入れられない」と反発している。(読売新聞
        2003/05/10)
        イスラエル軍がガザ侵攻、少年ら3人死亡
        イスラエル放送などによると、イスラエル軍は15日未明、ガザ北部の自治区ベイトハヌーンに戦車などで侵攻、パレスチナ側との銃撃戦となり、12歳の少年らパレスチナ人3人が死亡した。
        軍はパレスチナ過激派がロケット弾攻撃の拠点としていたとして民家4棟を破壊し、同地域を事実上、制圧した。軍は過去2週間で、迫撃砲弾43発、ロケット弾12発がユダヤ人入植地やイスラエル領内に撃ち込まれたとし、作戦はこれらの阻止を目的としたものという。(エルサレム支局)(読売新聞
        2003/05/15)
        イスラエル軍、パレスチナ人少年ら2人を射殺
        【ラマラ(ヨルダン川西岸)26日ロイター】ヨルダン川西岸ラマラ近郊で26日、イスラエル軍がパレスチナ人青年らの投石を受けて発砲し、11歳のパレスチナ人少年を射殺した。パレスチナ側の目撃者と医療関係者が明らかにした。
        イスラエル兵は投石した一団を散会させようと発砲。少年は銃弾を頭部に受けたという。
        病院は、少年がこのけがのために死亡したとしており、イスラエル軍は報告を調査中としている。
        またイスラエル軍は同日、ガザ地区からイスラエル領に侵入したパレスチナ人1人を射殺したと発表した。
        ガザ地区からパレスチナ人2人が侵入し、1人を射殺、1人は投降したという。銃は所持していなかったが、兵士らは2人がイスラエルを攻撃しようとしていた疑いがあるとみている。
        2002年9月の衝突開始以来、これまでに少なくともパレスチナ人2071人、イスラエル人748人が死亡している。(ロイター通信
        2003/05/27)
        ハマス指導者ランティシ師「尊厳失うより命を捨てる」
        【ガザ(パレスチナ自治区)9日嶋田昭浩】イスラエルとガザの境界で8日早朝、他のパレスチナ武装組織とともにイスラエル兵4人を殺害する攻撃を行ったイスラム原理主義組織「ハマス」の指導者ランティシ師が同日、ガザで本紙のインタビューに応じた。同師は、7日に「イスラム聖戦」など他の4組織の指導者と会談を持ち、対イスラエル武装闘争の継続などで一致したことを明らかにした。
        ――中東新和平の実施で合意したブッシュ米大統領とシャロン・イスラエル、アッバス・パレスチナ自治政府両首相との首脳会談をどうみるか。
        「(会談後の)アッバス氏の声明は、パレスチナ難民の帰還権などに触れていないうえ、われわれの(イスラエルへの)抵抗を批判さえしている。全く受け入れられない」
        ――パレスチナ人の間にも、シャロン首相に対抗できるのはアッバス首相だけ、との指摘がある。
        「シャロンに降伏していた。逆に、シャロンはここの土地を『ユダヤ人の土地』などと言って、アッバス氏やブッシュに挑戦していた」
        −−8日早朝の事件を口実にイスラエル軍が再び侵攻してくる可能性もある。
        「その見方は正しい。しかし、白旗を掲げて降伏し、占領下で永遠の奴隷に甘んじるか、それとも解放と独立のため犠牲となって戦うか。私は、尊厳を失うことより命を捨てることの方がはるかに容易だと信じている」
        ――その立場で、どのような戦略を描けるのか。
        「今の状況は力のアンバランスだ。相手は重装備の兵器を持っていながら、こちらは大衆の抵抗だけ。しかし、抵抗によって新たな公式を生み出した。苦しみのバランスという公式。われわれも傷つくが、同時に相手も傷つく。それによって、相手に占領や抑圧をやめさせられる」(中日新聞
        2003/06/10)
        イスラエル軍がガザ攻撃、子供含む7人死亡
        【アンマン=加藤賢治】イスラエル軍は12日午後、パレスチナ自治区ガザ市で、イスラム原理主義組織ハマスの活動家2人が乗った車を武装ヘリからミサイル攻撃した。
        イスラエル放送によると、活動家2人が死亡したほか、子供を含む同乗の家族3人など少なくとも計7人が死亡、約30人が負傷した。また、同放送によると、ハマスは攻撃後に「シャロン(イスラエル首相)を標的にする」との声明を発表した。
        ロイター通信は目撃者の話として、武装ヘリ3機がミサイル計6発を発射、うち1発は救助に駆けつけた通行人を直撃したと伝えている。一方、ハマスはガザからイスラエル領内にロケット4発を報復発射したが、イスラエル側に被害はなかった。(読売新聞
        2003/06/13)
        作戦の3割で市民巻き添え イスラエル軍の過激派暗殺
        【エルサレム25日共同】25日付のイスラエル各紙によると、イスラエル空軍によるパレスチナ過激派幹部の暗殺作戦のうち、30−35%のケースで無関係の市民が巻き込まれて死傷していたことが分かった。ハルツ空軍司令官が24日、記者会見で認めた。
        暗殺作戦は主にヘリコプターからのミサイル攻撃。過激派殺害に成功したケースは約85%。市街地では市民を巻き込む割合が高くなっている。
        市民を巻き添えにする作戦は内外から批判を浴びているが、司令官は「無関係の人を巻き込むと知りながら暗殺を決定したことはない」と強調。
        唯一の例外は昨年7月、パレスチナ自治区ガザ市でのイスラム原理主義組織ハマス幹部シャハダ師の暗殺作戦で、司令官は同師の隣に妻がいると認識しつつ攻撃したと述べた。この作戦では計15人が死亡、150人以上が負傷した。(共同通信
        2003/06/25)
        イスラエル軍:パレスチナ自治区で誤射 5歳少年死亡
        ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニン近くで25日、イスラエル軍検問所を通過しようとした車に装甲車の兵士が発砲し、車に乗っていた5歳のパレスチナ人少年が死亡、6歳と7歳の姉2人も負傷した。軍当局は「(機関銃の)操作上のミスだ」と誤射だったことを認め、詳しい原因調査を始めた。【エルサレム支局】(毎日新聞
        2003/07/25)
        イスラエル人と結婚のパレスチナ人に市民権与えぬ法改正
        イスラエル国会(120議席)は7月31日、パレスチナ人がアラブ系イスラエル人と結婚してもイスラエルの市民権を与えないとする市民権法改正案を賛成53、反対25、棄権1の賛成多数で可決した。両者は結婚してもイスラエルでの同居が認められないことになる。アラブ系政党は人種差別法だと反発している。
        イスラエルにはアラブ系国民が約110万人いる。48年のイスラエル建国時に、難民にならずに残ったパレスチナ人とその子孫だ。
        法改正推進派のエズラ無任所相(国会担当、リクード)はイスラエル放送で「93年のオスロ合意以後、イスラエル国籍を取得したパレスチナ人は約10万人いるが、そうしたパレスチナ人によるテロ行為で過去に30人のイスラエル人が犠牲になっている」と指摘した。(朝日新聞
        2003/08/01)
        ヨルダン川西岸でイスラエル軍の急襲抗議デモ、パレスチナ人2人死亡
        【ナブルス8日ロイター】8日にイスラエル軍が行ったヨルダン川西岸の難民キャンプ急襲に抗議して行われたデモで、パレスチナ人2人が死亡した。
        亡くなったのは、イスラエル軍に投石して射殺された20歳の男性と、軍が暴徒解散のため発射した催涙ガスを吸い込んだ41歳の見物人。
        イスラエル軍は8日、ヨルダン川西岸の難民キャンプを急襲し、イスラム原理主義組織ハマスの活動家2人とイスラエル軍兵士1人が死亡。もろい停戦合意を揺るがし、ハマス指導部は報復を誓っていた。
        ハマスの政治指導者はロイター通信に対し、ナブルス急襲への対抗措置を取るとする一方、6月29日に宣言した停戦合意は守る方針を示した。(ロイター通信
        2003/08/09)
        反イスラエル・デモ沸騰=ハマス指導者、報復を宣言−パレスチナ
        【ガザ市(パレスチナ自治区)22日時事】「言葉ではなく行動で応じるだけだ」−。パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの精神的指導者ヤシン師は22日、時事通信に対し、ハマス最高幹部のアブシャナブ氏暗殺に呼応した自爆テロを宣言。約10万人が参加したガザ市のデモでは、民衆の反イスラエル感情が沸騰した。(時事通信
        2003/08/23)
        パレスチナ人少女が撃たれて死亡=ガザ
        【エルサレム31日時事】パレスチナのガザ地区南部にあるハンユニス難民キャンプで30日夜、8歳のパレスチナ人少女がイスラエル軍兵士に撃たれ、死亡した。
        イスラエル軍によると、現場付近で軍車両を狙った爆発があり、ユダヤ人入植地のそばにある監視ポストの兵士が付近に銃撃を加えた。少女はこの流れ弾に当たったとみられる。(時事通信
        2003/08/31)
        イスラエル軍が自治区ヘブロンを急襲 少年含む3人死亡
        エルサレム──自治区西岸のヘブロンで9日、イスラエル軍がイスラム原理主義組織ハマスの活動家が住むアパートを急襲し、活動家2人を殺害、12歳のパレスチナ少年もイスラエル軍戦車の榴散弾に撃たれて死亡した。
        ハマスによると、殺害された活動家はアハマド・バデル氏とイザディン・メスク氏。バデル氏はヘブロン地区の責任者で、メスク氏は先月のエルサレム路線バス自爆テロに関係していたとみられていた。死亡した少年はタヘル・シユリ君。目撃者によると、シユリ君は現場近くのビルのバルコニーで家族と一緒に銃撃戦の様子を見ていたが、イスラエル軍戦車の榴散弾に撃たれたという。
        自治政府筋などによると、イスラエル軍は殺害した活動家2人の遺体を運び出した後に、7階建てアパート全体を爆破した。アパートには42世帯が入っていた。アパートに住んでいたイツァーク・ナゼルさんは「イスラエル軍は遺体を運び出した後にアパート全体を爆破する必要などなかったはずだ。パレスチナ人全体への復讐のように見える」と非難した上で「私も私の子どもたちもホームレスになるのは2回目だ。すべてを失った」と述べた。(CNN
        2003/09/10)
        イスラエル軍、ガザを攻撃 15歳パレスチナ人死亡11人負傷
        【ガザ24日ロイター=共同】目撃者によると、イスラエル軍は24日、エジプトとの国境に近いガザ地区のラファの難民キャンプを襲撃、パレスチナ人の若者(15)が死亡、11人が負傷した。軍当局者は死亡を確認していない。
        イスラエル軍当局者は、パレスチナ過激派を狙った攻撃であることを認め、パレスチナ人がエジプトからの武器密輸に使うトンネルを探していたとした。
        目撃者によると、若者は武装していなかった。(共同通信 2003/09/24)
        市民殺傷は嫌と空爆拒否 イスラエル軍パイロット
        【エルサレム24日共同】イスラエル空軍の元パイロットと予備役のパイロット計27人が24日「占領地での違法で反道徳的な空爆命令を拒否する。パレスチナの一般市民への攻撃を拒否する」との声明を付記した書簡を空軍司令官に提出した。
        イスラエルの民間テレビ、チャンネル2が伝えた。同国では過去3年間に約500人が「占領は違法」と、良心的兵役拒否者として投獄される道を選んだ。しかし、エリートである空軍パイロットが集団で空爆命令を拒否したのは初めてで、軍への衝撃は大きい。
        空軍はパレスチナ自治区ガザ市内など人口密集地で、イスラム原理主義組織ハマスの指導者らを戦闘機やヘリコプターからミサイル攻撃して殺害する作戦を続けており、一般市民多数が巻き添えになって死傷している。(共同通信
        2003/09/25)
        イスラエル軍のガザ過激派掃討作戦で3歳児巻き添え死
        パレスチナ自治区からの報道によると、イスラエル軍は25日、ガザ地区中部の難民キャンプでパレスチナ過激派掃討作戦を行い、イスラム原理主義組織「ハマス」とイスラム聖戦の活動家2人が銃撃戦の末に死亡、戦闘の巻き添えで3歳のパレスチナ人少女も死亡した。イスラエル側も、兵士1人が死亡した。
        イスラエル軍は同日、ヨルダン川西岸ヘブロンでも過激派掃討作戦を行い、「イスラム聖戦」の活動家2人を殺害した。(エルサレム支局)(読売新聞
        2003/09/25)
        国連:人権委報告官がイスラエル非難の報告書
        【ジュネーブ大木俊治】国連人権委員会のドガー特別報告官は、イスラエルがヨルダン川西岸パレスチナ自治区の領域に壁を築いているのは、国連憲章で禁止されている違法な「領土の併合」だとして、厳しく非難する報告書をまとめた。
        同報告官は国際社会に対し、イスラエルの行為を認めないよう要請している。報告書は来春ジュネーブで開く国連人権委員会に提出される。
        同報告官は、6月22〜29日にヨルダン川西岸のラマラ、ナブルスやガザ地区、エルサレムなどを訪れ、人権状況を調査、報告書にまとめた。
        報告書では、イスラエルの自衛権に留意しながらも、イスラエルとパレスチナ自治区の事実上の境界線であるグリーン・ラインを越えて壁を構築しているのは、自衛権を逸脱した「併合」にあたるとして、国連憲章や、国際人道法のジュネーブ条約への違反と指摘。また、イスラエルは4者協議の約束に反して「許容しがたいペースで」入植地を拡大しており、占領地の拡大政策を続けていることは明らかだと非難している。
        さらに、イスラエルによるテロ容疑者への報復攻撃は、無実の市民を多く巻き込んでおり、国際法上「きわめて疑問」だと懸念を表明している。(毎日新聞
        2003/09/30)
        暗殺作戦拒否のイスラエル空軍将校、教官職を解任される
        イスラエル空軍の予備役パイロットら27人が、軍のパレスチナ過激派暗殺作戦に抗議し作戦への参加を拒否する書簡を空軍司令官に送った問題で8日、署名者の指導者格だったユフタ准将が、空軍のパイロット養成所の教官職を解任されたことが分かった。
        イスラエル紙ハアレツによると、ユフタ准将はハルツ空軍司令官から考え方を改めるよう求められ、拒否すると、教官職を解任されたという。
        同准将らは、暗殺作戦が多数の民間人を巻き添えにしているとして、武装ヘリや戦闘機によるパレスチナ過激派指導者へのミサイル攻撃を市街地で行うことに反対していた。(朝日新聞
        2003/10/09)
        子供含めパレスチナ人7人死亡=密輸トンネル摘発で軍侵攻−ガザ
        【エルサレム10日時事】パレスチナ自治区からの情報によると、戦車など約100両から成るイスラエル軍の大部隊が9日深夜から10日にかけ、ガザ地区最南端のラファ難民キャンプに侵攻した。軍とパレスチナ武装勢力が激しく衝突し、子供2人を含めパレスチナ人7人が死亡、50人以上が負傷した。
        対エジプト国境に位置するラファには、同国に抜ける武器密輸用のトンネルがあり、ヘリコプターを伴った部隊がこれを発見、破壊するため侵入した。(時事通信
        2003/10/10)
        イスラエル、国連にパレスチナ食糧報告の不採用を要求
        【ジュネーブ9日ロイター】イスラエルは、国連に対して、特別調査員がパレスチナで実施した食糧事情に関する報告を採用しないよう要求した。報告は、イスラエルの軍事行動がパレスチナ人に食糧難をもたらしているという内容。
        ジュネーブ駐在のイスラエル国連大使は、調査員のスイス人教授はイスラエルの政策に批判的な非政府組織(NGO)に所属していないとの宣誓を行なっていないと指摘。
        報告は、イスラエルが許可した今夏の視察を受けて作成され、イスラエルによる安全保障措置がパレスチナ人居住区に食糧不足や栄養失調をもたらしている、と警告した。(ロイター通信
        2003/10/10)
        ガザ空爆続行8人死亡 全員が一般市民 イスラエル軍
        【カイロ=嶋田昭浩】パレスチナ自治区ガザからの報道によると、イスラエル軍は20日夜、2回にわたり空からのガザ地区への攻撃を続行。8人が死亡、少なくとも70人が負傷した。同日の攻撃は計5回に上り、死者は計11人、負傷者は約100人に達した。
        ガザ中部の難民キャンプでは、イスラエル軍のヘリコプターが目抜き通りの車にミサイルを発射。1発は車に命中したが、他の1発が道路脇の人ごみを直撃した。イスラエルのテレビによると、8人の死者全員が、一般市民。12歳の子どもが死亡したとの情報もあり、市民を巻き添えにするイスラエルの「暗殺攻撃」が、厳しい批判を浴びそうだ。
        イスラエル軍は、境界のフェンスを越えてイスラエル領内に侵入しようとした武装グループの車を、空から追跡していたとしている。
        多数の死傷者が出た難民キャンプでは、パレスチナ人の群衆が「市民を殺りくした大虐殺だ」として口々に「復しゅう」を叫んでいた。
        その後、ガザ市郊外でも空からの攻撃があり、3人がけがをした。
        イスラエル軍のヘリコプターは同日午前、ガザ市内を走行中の車にもミサイルを発射。イスラム原理主義組織「ハマス」の軍事部門の戦闘員2人と通りかかったパレスチナ男性1人が死亡した。(中日新聞
        2003/10/21)
        イスラエルの防護壁、国連総会が建設中止決議案採択
        イスラエルがテロ防止を目的にヨルダン川西岸に建設している「分離壁」に関し、国連総会は21日、「国際法の規定に違反する」として建設の中止を求める決議を賛成多数で採択した。144カ国が賛成し、米とイスラエルなど4カ国が反対、12カ国が棄権した。
        この壁をめぐって安全保障理事会は14日、建設を違法と主張してシリアなどが提出した決議案を米国の拒否権行使で否決した。このためアラブ諸国が総会での採決を求めていた。
        総会決議は安保理決議と異なり、法的強制力はなく、国際社会の意思表示にとどまる。だが総会には安保理のような、一部の国の特権的な拒否権はない。
        総会は9月19日にも、安保理が米の拒否権行使で否決した、イスラエルに対して「アラファト・パレスチナ自治政府議長追放の撤回」を求める決議案とほぼ同じ内容の決議を採択している。(朝日新聞
        2003/10/23)
        イスラエル、国連決議を無視し分離フェンス建設続行
        【エルサレム22日ロイター】イスラエル政府は22日、国連決議で建設中止と撤去が求められたヨルダン川西岸の分離フェンスの建設続行を表明した。
        これに対して、パレスチナ自治政府のアリカット地方行政相は、「イスラエルが引き続き国際法に違反し、和平と和解ではなく占領と入植の道を歩み続ける決意を表明したものだ」と指摘した。
        一方、イスラエル軍は22日、ヨルダン川西岸で武装勢力を攻撃、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の幹部を含む3人が死亡した。
        イスラエル軍とパレスチナ筋によると、イスラエル兵はヘブロンでPFLPメンバー1人、カルキリヤでも1人をそれぞれ射殺した。軍筋によると、部隊はその後、ヘブロンでユダヤ人入植者を待ち伏せ攻撃した男を射殺した。
        20日にガザ地区で行った連続攻撃では、パレスチナ人10人が死亡したが、死者の大半は民間人だった。22日には負傷者1人が死亡、死者は11人となった。(ロイター通信
        2003/10/23)
        イスラエル軍:パレスチナ自治区の病院急襲 重体患者ら逮捕
        【エルサレム樋口直樹】ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ナブルスで25日未明、イスラエル軍部隊が2つの病院を急襲し、イスラム原理主義組織「ハマス」の活動家ら計2人を逮捕した。AP通信が目撃者や軍当局の話として伝えた。
        逮捕された2人のうち、ハマスの活動家(25)は今月22日に車内で爆弾が爆発し、病院に収容されたが、脳内出血などで重体という。もう1人は武装集団「アルアクサ殉教者団」の活動家だが、健康状態に問題はなく、武装して地下室に隠れていたという。
        目撃者によると、軍兵士らは黒色の目出し帽姿で病院に侵入、電話回線を切り、医師や看護婦を床に伏せさせるなどして、病室を捜索し回ったという。パレスチナ側は、病院が過激派メンバーの隠れ家になっているとして同様の軍事作戦を繰り返しているイスラエル軍に対し、国際人権法を踏みにじる行為だとして強く非難している。(毎日新聞
        2003/10/26)
        イスラエル軍:ガザ空爆「民間人巻き添え死」の真相は
        【ヌセイラト難民キャンプ(ガザ地区中部)樋口直樹】ガザ地区で20日、1日で5回もの空爆を繰り返し、100人以上のパレスチナ人死傷者を出したイスラエル軍の行動が、イスラエル内外で論議を呼んでいる。多数の民間人死傷者を招いた責任を問われた軍側は、空爆現場のビデオを公開するなど異例の対応ぶりで火消しに躍起だ。事件は、テロ攻撃阻止のための軍事行動がどこまで許されるのか、を改めて問いかけている。
        一連の空爆で最多の死傷者を出したヌセイラト難民キャンプ。イスラエル軍は午後9時半ごろ、キャンプの目抜き通りを走っていたイスラム原理主義組織「ハマス」の活動家の車に向け、ミサイル2発を撃ち込んだ。地元の病院関係者によると、この空爆で10人が死亡し、約60人が病院で手当を受けた。
        「2回目の爆発では巨大なマッシュルームのような炎が現れた。目の前(爆心地側)には数百人の群衆がいた」。現場近くで薬局を営むタハさん(26)は当時の様子をそう語る。夕涼みをしていた住民らは最初の爆発直後、攻撃された車に駆け寄った。その時、2発目がさく裂し、住民多数がなぎ倒された。タハさんは爆心地から100メートルほどの場所にいたという。
        一方、イスラエル軍は上空から無人機で録画したというビデオを公開。2発目のミサイルが車に命中し、爆発する様子を映しているが、辺りには2〜3人の人影しかない。軍はこれをもとに「群衆に向けてミサイルを発射した」とのパレスチナ側の抗議は正しくないと主張している。
        ビデオがテレビ放映されると、抗議の声が上がった。爆発直後に現場に到着したパレスチナテレビのカメラマン、アシュカルさん(24)は「周りに群衆がいなければ、どうしてあれほどたくさんの人が死傷したのか」と信ぴょう性を疑う。
        イスラエル軍広報官フェインゴールド少佐は毎日新聞の取材に対し「ビデオが偽物だという話はデマだ。現場で使用したのは小型ミサイルで、破片が被害を及ぼすのは通常5〜6メートルの範囲。2度目の爆発の方が大きかったのはテロリストの車が爆発物を積んでいたためだろう」と主張する。
        群衆の至近距離でミサイルが爆発したのか、爆発の威力が大きかったため遠方にいた人たちまで被害に遭ったのか。公正な調査が行われない限り真相は謎のままだ。
        イスラエル紙マーリブによると、イスラエルのポラズ内相は「無実の人々を傷つけるぐらいなら、テロリストの殺害をやめた方がよい」と今回の軍事作戦を批判。軍の高官は国会で「時限爆弾(行動を直前に控えたテロリスト)の攻撃を防ぐためのものだった」と反論し、「(テロで)ユダヤ人の母親が涙を流すより、(テロ防止の結果として)パレスチナ人の母親が涙を流す方がましだ」と語った。(毎日新聞
        2003/10/27)
        イスラエル兵がパレスチナ人2人を射殺、少年が撃たれたとの証言も
        【ナブルス/ガザ地区29日ロイター】パレスチナで武力衝突が相次ぎ、イスラエル兵が、12歳の少年を含むパレスチナ人2人を射殺した。
        複数の目撃者と医療関係者が明らかにした。
        少年については、パレスチナ人がナブルスのバラタ難民キャンプで友達と遊んでいたと主張している一方、イスラエル軍筋は、兵士に対して火炎瓶を投げたパレスチナ人を射殺した、と説明している。
        イスラエル軍筋によると、ガザ地区でも、イスラエル兵がパレスチナ人1人を射殺、1人を負傷させた。付近で、2人がもっていたとみられる爆発物を発見している。
        また同筋は、パレスチナ人らは過去に武装集団が使用していた立ち入り禁止区域に入り、軍を攻撃しようとしたか、あるいはイスラエルに侵入しようとしていた、と指摘している。(ロイター通信
        2003/10/30)
        シオン山賞:パレスチナとイスラエルの若者が受賞
        【エルサレム樋口直樹】民族と宗教の壁を乗り越え相互理解に尽くしてきたパレスチナとイスラエルの若者2人に28日、卓越した平和活動家を讃える今年度の「シオン山賞」が贈られた。同賞は対話による異文化間の和解を訴えたドイツ人カトリック司祭によって86年に設けられた、20代の若者に与えられたのは初めて。
        2人はエルサレム在住のパレスチナ人男性ラミ・ナセルディンさん(26)と、テルアビブに住むイスラエル人女性ケレン・アサフさん(22)。日本の非政府組織(NGO)「ピースボート」が01年6月に企画した地球一周クルーズで初めて出会った。
        イスラエル警察に逮捕され、拷問を受けたこともあるラミさんは、パレスチナの惨状を世界のメディアに伝えるNGO活動に参加。一方、ケレンさんは高校卒業後、兵役を拒否。親類からも白い目で見られながら、イスラエルのNGO「ピースナウ」などで和平への道を模索し続けた。
        対極の世界に生まれ育った2人は、全く異なる互いの主張に戸惑い、激論を交わしながらも、約2カ月間の洋上生活で固い信頼を築く。02年春には共に来日し、東京、大阪、沖縄などで講演した。運動の輪はイスラエルやパレスチナに止まらずドイツにまで届き、今回の受賞につながった。
        エルサレムのマリア永眠教会で行われた授賞式でケレンさんは「皆ができることから行動を起こせば、現状を変えることができるかもしれない」と訴え。ラミさんは「敵を殺すのは容易だ。しかし、敵を友人に変えることが最も偉大だ」と語りかけた。
        式には2人の活動に賛同する多くのパレスチナ人やイスラエル人の若者たちが、喜びの花束を携えて集まり、2人の言葉に温かい拍手を送った。(毎日新聞
        2003/10/30)
        自治区封鎖は反国益…イスラエル軍参謀総長が政策批判
        【エルサレム=佐藤秀憲】イスラエル軍トップのヤアロン参謀総長が一部報道機関との懇談で、シャロン政権のパレスチナ政策を批判する発言を行っていたことが暴露され、騒ぎとなっている。
        懇談の内容は、29日付の主要紙で「軍首脳」や「軍事筋」の話として報じられた。この中で問題の人物は、パレスチナ自治区の封鎖は「イスラエルへの憎しみを増幅させ、テロ組織を利する」もので、「国益に反する」と明言。自治政府のアッバス前内閣時に、ヨルダン川西岸の都市治安権限移管などの融和策を取るべきだったと述べた。
        西岸に大きく食い込む形でイスラエルが計画している「分離フェンス」についても、防衛上、軍に過大な負担を強いるため、ルートを短縮すべきだと指摘した。
        軍首脳による異例の政権批判だけに大きな反響を巻き起こし、この人物が参謀総長であることが報じられた。
        シャロン首相は発言に激怒したと伝えられるが、混乱を避けるため、参謀総長解任などは行わない見通し。軍は「制服組に政府を批判する意図はない」との声明を出し、火消しに躍起となっている。
        今回の騒動は、3年以上に及ぶ軍事作戦によってもパレスチナ過激派のテロを根絶できないことへの軍のいらだちを示すものと受け止められている。(読売新聞
        2003/10/30)
        イスラエル警察、不正資金疑惑でシャロン首相聴取
        エルサレム(CNN)イスラエル警察は30日、資金調達をめぐる疑惑に関連してシャロン首相から事情聴取したことを明らかにした。同首相は2人の息子を通し、南アフリカ共和国の実業家から選挙資金を借りた疑いなどが指摘されている。イスラエルの法律は、外国人から政治資金を受け取ることを禁止している。
        警察によると、事情聴取は29日朝からエルサレムの首相官邸で行われた。
        疑惑は今年1月の総選挙前から浮上した。シャロン首相は1999年のリクード党首選で会計検査当局から政治献金の一部返済を命じられていたが、息子2人が南アフリカ在住の英国人実業家から約150万ドルの資金を受け取り、これを担保にした貸付金を返金に充てたという内容。首相は「政治的陰謀だ」などとして否定してきた。
        またイスラエル紙ハーレツによると、同首相は99年の選挙で、観光開発業者からの支持を得る見返りとして、ギリシャ政府がこの業者によるリゾート開発を許可するよう便宜をはかった疑いも持たれている。(CNN
        2003/10/31)
        イスラエルが世界平和への脅威・EU世論調査
        欧州ではイスラエルを世界平和への脅威とみる市民が最も多い──。欧州連合(EU)が3日、こんな世論調査を発表し、波紋が広がっている。イスラエル政府は猛反発し、調査を実施した欧州委員会を非難する声明を発表した。
        調査の対象はEU加盟15カ国の市民約7500人。十数カ国を挙げ、「世界平和への脅威だと思うか」と尋ねたところ、イスラエルは「思う」が59%と最も多く、北朝鮮やイラン(ともに53%)を上回った。米国も同率2位の53%で、イラク(52%)より上だった。
        このほかはアフガニスタンが50%、シリアが37%、中国が30%、ロシアが21%など。イスラエルの紛争相手であるパレスチナ自治政府は質問対象にしていない。
        在ブリュッセルのイスラエル代表部は声明で強い遺憾の意を示すとともに「偏った質問は偏った回答をもたらす」と欧州委を批判した。欧州委の報道官は記者会見で、パレスチナを質問対象にしなかったのは「国家でないためだ」と弁明。対象国の選定は「技術的なもの」と強調し、火消しに懸命だった。(ブリュッセル=刀祢館久雄)
        (日本経済新聞 2003/11/04)
        イスラエル軍:ガザ地区で過激派と少年計4人を射殺
        【エルサレム樋口直樹】イスラエル軍は7日、ガザ地区南部ハンユニス近郊でパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系武装集団「アルアクサ殉教者団」のメンバー2人を、中部マガジ難民キャンプ近くでイスラム原理主義組織「ハマス」のメンバー1人をそれぞれ射殺した。パレスチナ筋によると、3人は道路脇などにイスラエル軍を攻撃するための爆弾を仕掛けようとして銃撃戦になったという。
        さらに、目撃者によると、ガザ市近郊でも同日、10歳のパレスチナ人少年がイスラエル軍に射殺された。少年はイスラエル所有の農地近くで網などを使って鳥を捕獲していたところ、戦車砲で撃たれたという。(毎日新聞
        2003/11/07)
        イスラエル軍:パレスチナ人4人射殺 投石した少年も
        【エルサレム樋口直樹】イスラエル軍は8日、パレスチナ自治区ガザ北部でパレスチナ人2人を射殺した。イスラエル放送によると2人は武器を携帯しておらず、パレスチナ筋は2人が過激派のメンバーではないとしている。
        また同軍は、ヨルダン川西岸自治区ジェニンでもパレスチナ人2人を射殺した。軍当局によると、うち1人はイスラム原理主義組織「ハマス」のメンバーで、兵員輸送装甲車によじ登ろうとしたたため発砲したという。もう1人は少年で、兵士に投石していたとみられる。(毎日新聞
        2003/11/08)
        イスラエル軍、パレスチナ人ら4人射殺 9歳男児も犠牲
        パレスチナ自治区ガザ南部で26日夜、パレスチナ人3人がイスラエル兵に撃たれ死亡した。3人はガザ自治区内のユダヤ人入植地とイスラエルを結ぶ道路近くにいたところを兵士に見つかり、車で逃走したが射殺されたという。軍当局者はロイター通信に「うち2人は武装していた」と語った。
        このほか、同通信によると、同日夕方、9歳のパレスチナ人男児がガザ南端のラファ難民キャンプ近くでイスラエル兵の銃撃を受けて死亡した。同筋は「軍が別の攻撃目標に向けて射撃した際、流れ弾が当たった模様」としているが、軍は発砲を否定している。(朝日新聞
        2003/11/27)
        パレスチナ自治政府職員死亡、イスラエルが誤射認める
        イスラエル放送などによると、パレスチナ自治区ガザ北部のユダヤ人入植地ニサニト付近で28日、パレスチナ自治政府の治安職員1人が、防御フェンス周辺に集まったパレスチナ人民衆に対するイスラエル兵の威嚇射撃に巻き込まれて死亡した。イスラエル軍は誤射を認め、遺憾の意を表明した。
        職員はパレスチナ人にフェンスから離れるよう説得していたという。イスラエル軍が誤射を認めるのは異例。(エルサレム支局) (読売新聞
        2003/11/29)
        イスラエルが過激派掃討戦 パレスチナ人男児ら4人死亡
        イスラエル軍は1日未明、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区のラマラに侵攻した。軍報道官によると、イスラム過激派ハマス活動家の一斉拘束が目的。郊外の難民キャンプなど2カ所で銃撃戦が起き、9歳の男児を含むパレスチナ人4人が死亡した。
        軍は「過激派30人を逮捕した」としているが、パレスチナ放送は「民間人40人が逮捕された」と報じている。ハマスによると、逮捕者の中にはハマスの地区幹部が含まれているという。アラファト自治政府議長の側近アブルデイネ氏は「自治区への軍事侵攻作戦は中東和平の行程表を壊そうとする挑発行為だ」と批判した。(朝日新聞
        2003/12/01)
        イスラエル軍攻撃、パレスチナ人3人死亡 ガザ
        エルサレム(CNN)イスラエル軍報道官は6日、ガザ自治区2カ所で5日夜にパレスチナ人3人がイスラエル兵に銃撃されて死亡したと発表した。
        イスラエル軍報道官によると、ガザ北東部にあるイスラエルとの検問所付近では、不審者姿が見えたので発砲したが、その時点では死傷者が出たかは分からなかったという。軍が翌朝、周辺を捜索したところ、迷彩服姿で手りゅう弾や爆発物25キロ分をもったパレスチナ人男性2人の遺体を発見したという。
        これに対してパレスチナ治安当局は、死亡した2人は20代前半の青年で、畑に水をまいていたところをイスラエル兵に撃たれたと話している。
        イスラエル軍はさらに、5日夜にはガザ南端のラファでも、立ち入り禁止区域にいたパレスチナ人を射殺し、遺体を翌朝発見したと発表した。
        パレスチナ治安当局はこれに対して、殺されたのはラファ在住で16歳のパレスチナ人少年で、武装はしておらず、過激派グループとのつながりがあったかは不明だとしている。(CNN
        2003/12/07)
        イスラエル軍がラファ難民キャンプに侵攻、6人死亡
        【ラファ(ガザ地区)11日ロイター】パレスチナ自治区ガザのラファ難民キャンプで11日、イスラム聖戦の活動家を逮捕するためキャンプ内に侵攻したイスラエル軍とパレスチナ武装勢力との間で銃撃戦があり、パレスチナ人6人が死亡した。目撃者が明らかにした。
        パレスチナ当局によると、死者のうち5人は医療関係者など民間人。パレスチナ自治政府と過激派勢力との停戦協議が先週末に決裂して以降、イスラエル軍による最大規模の攻勢となった。
        ラファの病院によると、負傷者は17人。子ども4人と数人の武装組織の活動家が含まれている。
        イスラエル軍関係者は、指名手配中のイスラム聖戦の活動家の身柄を拘束するための作戦行動だったと述べ、対戦車ミサイルと自動小銃で攻撃を仕掛けてきた活動家に応戦したとしている。
        イスラエル軍は、3人の活動家が死亡したと主張している。(ロイター通信 2003/12/12)
        パレスチナ:イスラエル軍が検問所でタクシーに発砲、女性死亡
        【エルサレム樋口直樹】AP通信などによると、ヨルダン川西岸パレスチナ自治区ナブルス近郊で13日、イスラエル軍兵士がタクシーに向けて発砲、乗っていたパレスチナ人女性の大学生(20)が死亡した。軍側はタクシーが検問所を強行突破したうえ、威嚇射撃を無視したため発砲したと主張している。タクシーには計8人が乗車、ナブルスに向かう途中だった。死亡した女性は胸に2発の銃弾を受けていたが、他の7人にけがはなかった。(毎日新聞
        2003/12/13)
        イスラエル軍:予備役兵13人が兵役拒否 首相あて書簡に署名
        【エルサレム樋口直樹】イスラエル軍の最精鋭部隊に所属する予備役兵13人が21日、占領地であるヨルダン川西岸とガザ地区での兵役を拒否するシャロン首相宛の書簡に署名した。イスラエル放送が報じた。最精鋭部隊は数々の首相を輩出し国民の信頼が高いだけに、兵役拒否宣言は、国際的に非難を浴びている占領地での軍事作戦に新たな一石を投じそうだ。
        参謀本部偵察部隊「サイレト・マトカル」と呼ばれるこの部隊は米英の特殊部隊「デルタフォース」や「SAS」と並ぶエリート集団。76年ウガンダのエンテベ空港を電撃的に急襲し、パレスチナ・ゲリラの人質になっていた乗客らを救出した作戦などに従事したことで
        知られる。バラク、ネタニヤフの両元首相もかつてこの部隊に所属していたことがある。
        13人は首相宛の手紙で「我々はもはや(パレスチナ)自治区での非道な支配に加担し、何百万人ものパレスチナ人の人権を無視することはできない」と宣言、併せて占領地にあるユダヤ人入植地の防衛作戦にも従事しない考えを示した。
        これに対し、軍当局の報道官は「予備役兵が自らの政治的見解を発表する手段として軍の階級や部隊の名前を使うことは極めて重大な問題」とコメントしている。
        イスラエルでは今年9月にも、軍の予備役パイロット27人が占領地での作戦飛行を拒否する手紙を首相に送り、多数の民間人を巻き添えにしてきたパレスチナ過激派幹部へのミサイル攻撃を厳しく非難している。(毎日新聞
        2003/12/22)
        イスラエル軍:分離壁建設反対デモに発砲 2人負傷
        【エルサレム樋口直樹】ヨルダン川西岸のパレスチナ人集落マハセ近郊で26日、イスラエルの分離壁建設に反対する平和活動家らのデモ隊に向け、イスラエル軍兵士が実弾などを発砲、イスラエル人男性と外国人女性の2人が負傷した。うち男性は脚を撃ち抜かれ重傷の模様。イスラエル軍は事実関係の調査を始めた。
        イスラエル紙ハーレツ(電子版)によると、このデモには約100人が参加、ワイヤー・カッターなどで分離壁の一部を破壊しようとしたところ、警戒にあたっていたイスラエル兵が実弾やゴム弾を発射した。男性には実弾が命中。女性にはゴム弾が直撃した。軍当局筋はデモ隊に向け実弾1発が発射されたことを認めたが、デモの主催者側は複数の実弾が発射されたと主張している。
        参加者のひとりは同紙に対し、兵士に危害が及ぶ恐れが無かったにもかかわらず、警告無しで銃撃されたと話しており、野党などから事実究明を求める声が上がっている。
        イスラエルがパレスチナ過激派の流入阻止を名目にヨルダン川西岸で建設中の分離壁をめぐっては、将来のイスラエル・パレスチナ国境を既成事実化する恐れがあるだけでなく、地元パレスチナ人の生活基盤が壁によって分断されるため、米国をはじめとする国際社会が強く非難している。(毎日新聞
        2003/12/27)
        イスラエル軍、ヨルダン川西岸でパレスチナ人少年を殺害
        【ナブルス(ヨルダン川西岸)27日ロイター】ヨルダン川西岸にある武装組織の拠点を捜索していたイスラエル部隊が、投石をする人々と衝突した。17才のパレスチナ人の少年1人が殺害され、少なくとも17人が負傷した。
        目撃者らが明らかにしたところによると、少年はイスラエル部隊に立ち向かった際に、胸を撃たれた。
        医療関係者らによると、負傷したパレスチナ人のうち、6人は銃弾で、11人はゴム弾で撃たれた。
        イスラエル軍の広報官は、実弾の使用を否定。ナブルスのいくつかの地点で、大量の投石などを受けた後に、ゴム弾と催涙ガスで応戦したとしている。
        広報官から、負傷者に関するコメントはなかった。(ロイター通信 2003/12/28)
        イスラエル軍が分離フェンス反対のデモ隊に発砲、11人負傷
        【ラマラ(ヨルダン川西岸)31日ロイター】ヨルダン川西岸でイスラエルが進めている分離フェンス建設現場で31日、建設反対のデモ隊にイスラエル軍が発砲、デモ参加のパレスチナ人10人とイスラエル人1人が負傷した。
        軍当局筋によると、デモ隊は建設現場で投石を始め、境界線警備中の警官が軽傷を負った。
        同筋は、発砲はしたものの実弾は使われなかったとしている。
        イスラエル軍がデモ隊に発砲したのは、26日に次いで2度目。26日には実弾が使われ、イスラエル人と米国人の計2人が負傷している。(ロイター通信
        2003/12/31)
 
 

           
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