聖書を曲解し、愚かなアメリカクリスチャン

を扇動し、イラク爆撃を正当化する、

アメリカ、カリスマ牧師

アメリカ番組よりの引用;
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「イラク攻撃の米英軍は紳の軍隊だ」 

 アメリカにおけるキリスト
教右派勢力は、昨年の大統領
選でブッシュ再選の原動力と
なり、ますますその発言力を
強めている。それにしても、
なぜこれほどまでに宗教が政
治に影響し、かつ多くのアメ
リカ人が共鳴するのだろうか。

 その要因の一つが、メディ
アを通じて活動する「カリス
マ牧師」たちの存在だ。彼ら
は聖書解釈を政治的発言に発
展させ、信仰心の強い南部・
中西部のアメリカ人を中心に
支持されている。

彼らは「牧
師」であると同時に、アメリ
カ大衆の「教師であり「オ
ピニオンリーダー」なのであ
る。彼らの「布教会場」であ
るテレビ宗教番組の「誌上中
継」を支えながら、キリスト
教右派思想がいかに一般アメ
リカ人に浸透しているかをレ
ポートする。
          *
伝道師 イラクは古代バビロ
ンだ。はい、皆さんも大声で
言いましょう。「イラクは古代
バビロンだ」
聴衆 イラクは古代バビロン
だ。

伝道師 旧約聖書のエレミヤ
書50章9節にはこう書かれて
いる。「私は大きな国々を起こ
し集めて、北の地からバビロ
ンに攻めさせる」

 アメリカとイギリスの軍隊
は神によって集められた。そ
してイラクを攻撃したのだ。
 50章32節にはこう書かれて
いる。「高ぶる者はつまずき倒
される。これを助け起こすも
のはいない。私はその町々に
火を燃やして、その周囲の者
をことごとく焼き尽くす」

 その通りのことが起こつた
でしょう。米英軍隊のハイテ
ク兵器を使ってサダム・フセ
インの邪悪な軍隊を焼き尽く
し、サダムはまるで蝿のよう
に薄汚い穴の中に隠れていた
でしょう。

聴衆 アーメン(万雷の拍手)。

伝道師 キリスト以外に主は
いない、そのことを信じるこ
とでしか、われわれは救われ
ない。聖書に記されているこ
の厳然たる事実は、イラクで
の出来事で改めて証明された。
そうでしょう。違いますか?
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 伝道師が見得を切ったとこ
ろで詰め掛けた1000人を
超す聴衆は立ち上がり、「ハレ
ルヤ」「プレイズ・ザ・ロード
(主を称えよ)」と声を上げ、
拍手で応える。中には涙ぐむ
中年女性や立ち上がって両手
を掲げる若者もいる。

 画面に映し出されているの
は、テキサス州サンアントニ
オの教会からの実況中枢だ。
教会というより市民会堂のよ
うな造りだ。赤絨毯を敷き詰
めた広い演壇の背後には、
(イラクを超えて−
終末を迎えて)と書かれた巨
大な書画がある。その画には
聖書に出てくる7頭獣に
またがった女性勇士とサダム・フセインの顔。中央には
炎上するイラクの石油施設上
空を飛ぶ米軍機。そして左に
大きなキリスト。そのキリス
トに救いを求めて犠のように
小さい人間たちが列を作って
いる。

 気持ちよさそうに聖書を高
らかに読み上げ、あるときは
聴衆を叱り飛ばし、あるとき
はやさしげに語りかけるこの
初老の男性は、最近めきめき
と頭角を現わしている「テレ
ヴアンジユリスト」のジョン・
ハギー師(64)だ。二重アゴ、
ボタンがはじけ飛びそうな太
鼓腹。派手な背広にネクタイ。
金縁のめがね。指に大きなリ
ング。

「テレヴアンジェリスト」と
は、ブラウン管を通して福音
主義的な聖書解釈(聖書を一
字一句信じる解釈)をする大
衆伝道師のことだ。「テレビジ
ョン」と「エパンジェリズム
(福音主義)」を組み合わせた
この造語は、約20年前に
(プライム
タイムの説教師「テレヴアン
ジエリズムの台頭』の共著者、
ジエフリー・ヘイデン、チャ
ールズ・スワン両氏が考え出
した。今ではジャーナリズム
でも認知されている。

ギー師は、戦争を全面的に支
持する立場を鮮明にした。世
界情勢をすべて旧約聖書に書
かれている記述に合わせて解
説。同師が毎日午前、午後1
回ずつ行なう30分の説教「ジ
ョン・ハギー・トゥデイ」は、
南部や中西部に住む信仰心の
厚い一般大衆にとっては欠か
せぬ「ニュース解説」になっ
ている。

オンライン宗教雑誌
『ザ・チャーチ・リポート』
が選んだ「最も影響力のある
キリスト教徒50人」の中にハ
ギー師も堂々と名を連ねてい
る。大衆伝道師の重鎮、ピリ
ー・グラハム師らの「大先輩」
と肩を並べたわけだから、大
変な出世といえる。
 

・CNNも顔負けの

国際的放送網


 『TVガイド』誌によると、
全米国民の48%は1週間に1
度、最低1時間はテレビの宗
教番組を観ているという。
 ロサンゼルス地域でいえば、
テレビ局は地土局、ケーブル
局合わせて80数局。ABCや
NBCなど通常の局ほか、24
時間ニュース、スポーツから
料理、オークション、天気予
報まで、あリとあらゆる専門
局がある。だが日本はもとよ
り、欧州諸国で宗教団体がテ
レビ局を買収し、24時間にわ
たって宗教放送を流したら

騒ぎになるはずだ。

 この点について、テレヴア
ンジユリズム研究の権威、ビ
オラ大学のクレッグ・ハイゼ
ン教授はこう説明する。
「もともとアメリカ合衆国は、
プロテスタント宗教改革者た
ちによって作られた国。その
改革精神は今も息づいている。

ラジオ、テレビの・台頭に真っ
先に便乗したのもプロテスタ
ントのエパンジェリカルです。
『宗教の自由』 『言論の自由』
は建国以前からあったわけで、
宗教表現の自由がありとあら
ゆるメディアを通じて実践さ
れることに異議を申し立てる
者はいません」
 アメリカの宗教専門の地上
テレビ局は、現在9局ある。
ほとんどが既成の教会に属さ
ないプロテスタント福音主義だ。

なかでもトリニティ・ブ
ロードキャスティング・ネッ
トワーク(TBN)と、クリ
スチャン・ブロードキャステ
ィング・ネットワーク(CB
N)はその双璧である。

「世界最大規模の宗教テレビ
局」を自負するTBNは、ロ
サンゼルス近郊コスタメサに
本社を置き、全米23局ネット、
252局準ネットを通じ、そ
の番組は全米500万世帯に
宗教番組を24時間流している。
さらにエルサルバドルやスペ
イン、ケニアなど75か国60
00局に映像を流している。
言語もスペイン語、ロシア語、
中国語、アラビア語など10か
国語。CNNも顔角けの規模
である。

現在のオーナー兼ホスト・
チ師(70)と夫人のジャンさ
ん(67)。とりわけゴールデン・
アワーの午後7時から2時間
放映されている「PLT」は同局の看板番組と
して圧倒的な人気を博してい
る。司会者はクラウチ師を含
め輪番制になっており、毎回、
各地域で活躍している大衆伝
道師を数人招いてはインタビ
ュー形式で信仰の重要性を語
らせるというものだ。

 公開中継の形式をとってお
り、会場は数百人が収容でき
る公会堂のような教会。ステ
ージは、エンタシス式の柱で
囲まれた安っぽいイタリア風
の造り。花で囲まれた舞台中
央には司会者とゲストが趣味
の悪いイスに腰掛け、対談と
いうよりも一方が説教し、司
会者が相槌を打つといった感
じだ。

 ケバケバしいステージもさ
ることながら、司会者やゲス
トが申し合わせたように着て
いる派手な背広とカラーシャ
ツ。ジャン夫人にいたっては、
濃いアイシャドーとマスカラ
に、まるで帽子のようにうず
たかいブロンドのカツラ姿。
どうやらこの番組のトレード
マークになっているらしい。

 同社が献金や電汲賃貸料で
得た年収は1億7000万ド
ル(約178億5000万円)。
ボール師の年収は40万ドル(約4200万円)、ジャンさ
んは36万ドル (約3780万
円)。19人乗りの自家用ジェ
ット機で世界中を飛び回って
いる。

 ちなみにポール師は従業員
の男性との同性愛関係にあっ
たとして訴えられた過去があ
り、口止め斜に42万5000
ドル (約4460万円)を払
って示談に持ち込んだという。
それがきっかけで宗教団体監
視グループがポール師の収入
に注目、慈善チャリティ24時
間生中継番組で視聴者から集
めた献金を私物化したとの疑
いが持たれた。『ロサンゼル
ス・タイムズ』は04年秋にポ
ール師の宗教活動の実態をえ
ぐつた連載を掲載したが、同
師はその後も、何事もなかっ
たかのように活動を続けてい

る。

国際情勢を

「牧師」が解説する

一方のCBNは1961年、
パット・ロバートソン師がバ
ージニア州バージニアビーチ
に作った宗教専門テレビ局の
老舗だ。
 自前のニュース番組は3大
ネットと見紛うほどで、世界
の動きを時々刻々伝えている。
だが、同局のニュース番組の
特徴は、ひとつひとつのニュ
ースにバターソン師が短いコ
メントをつけることだ。

 たとえば「イスラエル政府
がガザ地区からの入植者撤退
を本格化した」というニュー
スでは、同師は「イスラエル
国民は困難な決定を下したが、
果たして暴力に訴えることし
か知らないパレスチナが対応
できるか」と親イスラエル色
を前面に押し出す。そうした
甲斐があつてか、イスラエル
政府からは国家英雄賞を授与
されている。

 ロバートソン師はそのほか
「The 700 Club」と題する
自局番組のコメンテーターも
務める。

開設当初から40年近
く続く長寿番組だ。人気があ
るのは「神の加護により窮地
を逃れた人たちの実体験」を
ドラマ仕立てにしたコーナー
と、同師による人生相談だ。

 筆者が観た2月17日の番組
では、アラスカで狩猟をして
いた70嵐の男性がクマに襲わ
れ、神の「奇跡」が働いて、
九死に一生を得た話と、記録
が伸び悩んでいた黒人女性ア
スリートが神に祈った結果、
ボブスレー競技に転向、「奇
跡」が起こりオリンピックで
金メダルを取れたという話。
 人生相談では「娘が若い男
と同棲して因っている」とか
「子供ができたが、夫の給料
では生活が厳しいので、子供
を預けて仕事に出た方がいい
かどうか」といった相談に同
師が答える。答えは単純明快
で「結賠しないで男女が同棲
するなど神に背く行為だ」「小
さな子供をおいて母親が仕事
に出るなど言語道断。家でも
できる仕事を探しなさい」。

 ロバートソン師の相手役は
1973年にミス・アメリカ
に選ばれたテリー・ミユーセ
ンさん。同師の回答に「ハレ
ルヤ。神を称えよ」と相槌を
打つのが役柄のようだ。
一連の宗教番組を観ていて
ふと思ったのは、この広いア
メリカ大陸で、真夜中に目が
覚めて再び寝つけない独り暮
らしの高齢者にとっては、深
夜映画もいいだろうが、やは
り心の底に訴える宗教番組は
捨て難いのではないか、とい
うことだ。

話術に長け、大衆
心理をつかむことでは「魔術
師」のようなテレヴアンジェ
リストの話は一度聞いたらま
た聞いてみたくなる麻薬のよ
うな存在なのかもしれない。
 ウエストモント大学のマイ
ケルソユリアーノ教授(宗
教学、テレヴアンジェリズム
研究)は、こう分析している。
「この不確実で複雑化した現
代社会にあって、何が正しく
何が間違っているのかわから
ない。カリスマ牧師がバイブ
ルを引用しながら、世界情勢
や中絶問題、同性婚などにつ
いてバッサバッサと斬ってい
けば、これほど単純明快なこ
とはない。特に南部や中西部
の大衆は、宗教心が希薄なニ
ューヨークやハリウッドを
『悪の巣窟』だと感じている。

テレヴアンジェリストたちは
そうした反東部インテリの感
情を巧みに衝いている」
 日常茶政事的な人生相談ぐ
らいならまだしも、カリスマ
牧師の教義主義的な理由から
中絶に反対し、同性婚を否定
し、一部のカリスマ牧師は政
教分離の敷居をまたいで世界
情勢を自己流に解釈し、庶民
を「洗脳」しているようにも
見える。

 保守化するアメリカ。

その中心を担っているのが南
部、中西部に広がる信仰心の
厚い福音主義プロテスタント
であり、これら庶民に影響力
を与えているのが、テレヴア
ンジェリストたちだとすれば、
なにか空恐ろしくなつてくる。
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