#地球を支配する絶体君主に誰がなるか

あえて大胆な表現をすれば、かくしてアメリカは荒廃し、小国となり、ソ連はロシア、ウクライナ、ベラルーシなどの国々に分裂して、かつての二超大国は歴史の中に消えさるだろう。そのころ、ョーロッバに巨大な帝国が出現する。もちろんそれとて突然現れるわけではない。すでにわれわれはECと言う聖母が産みの苦しみをしているのを見ている。この聖母は人類史上最大の巨大な帝国と、一人の王を生み出すだろう。その王こそ、歴史上のあらゆる権力、権威、権勢を越える大王であろう。この王は、古くはバビロンのネプカドネザル、ギリシャのアレキサンダー、ローマのカイザル・アウグスト、蒙古のチンギスハーンそしてフランスのナポレオンを全て合わせたような人物である。

この人物は、中東の戦乱を収拾し、第三次世界大戦を未然に防止し、人類を破滅から救ったと言う世界中の贅歌の中に登場するかも知れない。聖書の最後の書、黙示録の一三章にこの人物は予言されている。黙示録の著者ョハネはこの人物を「獣」と呼んでいるが、人性をもった者である。「わたしはまた、一匹の獣が海から上がって来るのを見た。それには角が一○本、頭が七つあり、それらの角には一○の冠があって、頭には神を汚す名がついていた。わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のようで、その口はししの口のようであった。龍は自分の力と位と大いなる権威とを、この獣に与えた」黙示録13:1〜2
 

この人物をキリスト教会では長くニセキリスト」また「反キリスト」と呼んで来た。ニセと言う以上本物に似ていると言う事である。彼は本物のキリストに似たような、あるいは全く対照的な行動を取る。彼はキリストが神の「ひとり子」(この言葉は単に一人と言う意味ではなく、特別な地位を意味するらしい)であるように、サタンの「ひとり子」であり、キリストが神が受肉(人となった)した方であるように、サタンの受肉した人物である。彼はホラー映画のような、気味悪い姿かたちをしているわけではあるまい。

恐ら く、ケネディのように魅力的で、キッシンジャーのように賢く、天皇のように育ちの良い印象を与える人物であろう。この人物はユダヤ人だろう。そして、もしかするとすでに生まれているのかもしれない。さらにもしかすると、彼は大金持ちの家の生まれかもしれない。本当のキリストが貧しい大工の子で、馬小星に生まれたのとは反対に、金銀のベッドに寝かされ、多くの宝物に囲まれて育つかも知れい。彼は恐らく、キリストのように三○歳の時突然彗星のように現れ、世界の人々を魅丁し、圧倒的な尊敬と人気を勝ち得るだろう。彼の行くところ世界の人々は歓喜の涙を流し、一目見ようと大騒ぎになるだろう。その時までに人々は、民主主義の腐敗と堕落、無能な政治家の政治にうんざりするように仕向けられているので、史上最高の賢明な独裁君主の誕生と寄跡的な復活に狂喜乱舞し、進んでその前にひざまづき、命をも差し出すだろう。
 

 #どんな帝王があなたの前に現われるか

聖書の他に、この世界の帝王の条件を定義した典味深い文書がある。「シオンの長老の議定書」と言う名で知られるこの文害の、この王に対する定義を筒条書きに抜粋すると次の通りである。一 この王は国民に対して、家長的で慈父が子に対するように接する。彼はあらゆる事に心を労し、すべての事を知っており、あらゆる窮状を解決するために慈愛に満ちた関心を持って見守るように振舞う。

二、国民はこの支配者の父のような庇護と指導を受けなくてはやって行けないと思う。またその王の絶対的権力を神に等しい畏敬の念を持って仰ぎ見る。ことにこの国の官僚達が権力を乱用することを認めず、この王に盲従せざるを得ないことをみせつけるので、なおさら尊敬を受ける。

三、この王はまずヨーロッパ諸国が服従し王冠を俸げる事によって、全世界の王となる。そのためにはんな犠牲も払われなければならない。

四、彼は絶えず人民と接触し、人民の前に現れ、演説をするが、その演説の声は電光の速さで全世界に広がる(この文書の書かれたのは約八○年前でラジオがやっと発明され、テレビは発明されていなかった)。

五、この王の身辺警護は極秘の内に行われる。表立ってするような事はかえってこの王の権威を失墜させるからである。そのためにこの王は、スパイやそれと分からない秘密の警察によって囲まれ保護される。

六、この王はユダヤ人ダビデ王の血統から選ばれ三人の賢者によって補佐される。この定議を読んで日本人ならその最初の二つは別に驚きもしないだろう。我々は天皇制の中にそれによ
く似た感情をすでに持っているからである。日本はその点、大変な先進国である。三に関しては今やそれが現実になりつつあることに注意したい。

とりわけ、この 文書の著者たちは地上から王政を抹殺するという計画をもっているので、その実行力に驚かないではいられない。ヨーロッパに王政はすでにほとんどなくなってしまった。残るはイギリス王室だけである。となると、イギリス王室の行く末が見えて来るではないか。ダイアナ・スキャンダルもその様な眼鏡でみると興味深いのだ。