#米国民が祖国を捨て逃亡する日

それはアメリカではなくてアルメニアの国での事であった。アルメニアは世界でも最も古いキリスト教国である。ロシアとトルコに挟まれたこの小さな国には敬けんなクリスチスャンたちが何世代にもわたって信仰を守って来た。今から一○○年程前、ェフィム・ゲラセモヴィッチ・クラブニケンと言う少年がいた。この少年は幼少の頃から信仰深く、祈りの賜物を現し、しばしば長い断食をしていた。

この少年が11才になった時、神が七日七晩の徹夜の祈りをするように命じた。その間に彼は幻を見た。それは図表と美しい文字で書かれたメッセージだった。この少年は文盲だったのだが、苦労してこの文字や図表を書き写した。それを村の文字の読める人のところへ持っていくと、それはロシア文字で、一連の警告と教えに関する神からの預言であった。それは将来アルメニアに筆舌に尽くし難い悲劇が襲って来る、その時、何百万と言う老若男女が虐殺されるから、ここから逃げ出さなければならないと言うものだった。しかも、逃げる先まで指定されていた。

その少年はまだ世界地図も見たことがなかったが、彼の描いた地図は、その素朴な村人がだれも見た事も想像したこともない大西洋の彼方のアメリカ大陸の東海岸が明白に書かれていた。しかし、避難民はそこに安住してはいけない、新大陸の西海岸まで旅を続けなければならない。そこで神は彼等を祝福し繁栄させるというものだった。しばらくしてエフィム少年はまもなく第二の預言も書いた。その預言はもっと遠い未来についてのもので、人々は「もう一
度、逃げ出さなければならない」と言うものだった。

しかし、エフィム少年は両親に頼んで、この預言を封筒にいれて封をしてもらい、預言について与えられた指示を繰り返した。幻の中で彼は、この第二の預言が、将来その仕事のために、神に選ばれた預言者だけが開けて、読む事ができる、それ以外のものが開けると死ぬであろうと告げられた。多くの人々は少年の単なる空想物語として苦笑しながら聞いていた。

しかし、それから五○年も経って、その〃少年預言者〃は「今がその時だ。すぐに逃げなければ皆殺しにされる」と言ったのである。このことを信じた少数の人々は、全く信じない人々の嘲笑と、神の言葉は聖書によって完結しているから新しい預言などないとする〃健全な〃クリスチャンの冷笑の中を、何千年にも及ぶ祖国の地を捨ててアメリカへと旅立って行った。一九一四年、想像を絶する悲劇がアルメニアを襲った。

トルコ人が情け容赦ないアルメニア人絶滅を始めたのである。何百万人ものアルメニア人が、家ごと焼き穀され、銃殺され、砂漠に追い出されて、飢えと疲労で死んで行った。この凄まじい残虐行為は世界中から無視され、後にヒトラーのユダヤ人絶滅の青写真と成った。この時多くのクリスチャンがイスラム教への改宗を拒んで殉教の死をとげた。アメリカに逃れたわずかの人々が非常なショックをもってこのニュースを聞いた事は言うまでもない。

ところであの封印された第二の預言の封筒は、今でもカリフォルニアのあの〃少年預言者〃の子孫が保管している。いつ開かれるのだろうか。興味深い事である。間題はその内容が「もう一度逃げる」と言う点である。初めの状況から考えて、恐らくアメリカから逃げるのであろう。なぜ逃げる必要があるのだろうか。およそ三つの状況が考えられる。
一、ァメリカが人種、経済、環境、道徳などの社会間題で行き詰まり、生活出来ないほど危険になる。
二、単にクリスチャンに対する宗教的迫害。
三、ン連との核兵器の応酬で国土が荒廃する。

この内、一と二はすでに一部が実現している。一番考えられるのは一のケースである。一九九二年一○月日本の留学生がハロウインの日に射殺された。この一事でも分かるように、アメリカは生活することさえ危険を伴う国となっている。一体世界のどこに、ただ訪問しただけの家で射殺される事があろうか。わずか二○○年の急造多民族国家を曲がりなりにも結束させていたのはキリスト教信仰であった。

しかし、すでにアメリカはキリスト教的に言うなら背教の道を歩み始めていると私はみている。アメリカはあのロ−マのように内部から腐り崩壊に向かっていると思う。二のケースは一と連動しているのだが、すでに一○年程前にデイヴィッド・ウイルカーンンと言う牧師は「幻」と言う本の中でアメリカのクリスチャン迫害について警告している。

また、最近入手したTV伝道師パット・ロパートンンからの手紙によれば、それは着実に始まっているようだ。しかし、事はそんな範囲の間題ではなく、アメリカと言う国の存亡に関わる間題であるような気がするのであ、。三のケースは考えたくない事だが、ゴグの乱のとばっちりでアメリカに核兵器が炸裂するかもも知れない。いずれにしてもアメリカから逃げ出さなければならない事態が来ることだけは確実である。

ではどこへ逃げるのだろうか。これは全く私の独断だが、恐らく南米かオーストラリアであろう。とりわけオーストラリアが最善と考えられる。文化的にも人口の余裕から言って、他は考えにくい。今現在、オーストラリアは移民を厳童に制限しているけれど。しかし、それはあの封印された予言に明確に書かれているわけであり、それが開けられれば今後しばらく地球上で安全な地帯というものが判明するわけである。ところでこの小さな、しかし、驚くべき予言について読者は本当にそんなものがあるのかと疑間に思うかもしれない。

この話はアメリカに本部を持つ国際純福音事
業家親交会 (Full Gospel Businessmens Felloship International)という団体の創立者デモス・シャカリアン氏の本に載っていることで、もし、興味があれば本人に問い合わせる事ができる。ただし、大変に多忙な方であるし、私は、直接本人の丁承を得ている訳ではないので、どうしても詳しく知りたい方は私に連絡されたい、日本支部もあるので確認の上ご紹介する。